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【30連勤と無給残業】研修医1年目の労働環境【社畜医生存日記3】

【無給残業と30連勤】研修医1年目の労働環境【社畜医生存日記3】

研修医1年目、今日もギリギリ生きている。

自分が生きた記録を残しておこうと思う。

全財産は妻に譲ることにした。

皆には健康に過ごしてほしい。

それだけが、私の願いである。

医療業界、特に急性期病院には労働基準法は存在しない。

当院は田舎のためか、労働基準法は導入されていない。

医師も、看護師も、その他大勢も例外ではない。

労働基準法と我々は相容れない存在なのだ。

同期が仕事をやめるのも、もはや時間の問題である。

「俺、眼瞼痙攣が止まらない。」

「皆、円形脱毛症の直し方知ってる?」

「俺、疲れているはずなのに寝れない。なんでかな。」

「俺は大丈夫だ。まだいける。まだいける。まだいける。」

誰もツッコミはしない。理由は明快である。

当院は超急性期病院。

固定残業代という悪魔と契約している。

固定残業代分を超える勤務が当たり前で、超過分が払われることはない。

上級医が残業代を認めることは無い。

その悪魔の契約により研修医は無給残業を強いられている。

朝6時に出勤しても、夜10時まで勤務しても給料は変わらない。

社畜医は研修医でありながら、実質主治医として10~20人程度+担当医として10~20人程度、合計20~40人の患者を担当している。

DPC1期から2期前半で退院や転院に持っていけるように治療を行う。

実質主治医というのは、入院から退院まで、主治医のカルテやオーダーは一切無く、全てが研修医に委ねられていることを意味する。

患者の命は研修医の勉強量に依存している。

分からないことは周りに相談することは出来るが、頼るか頼らないかは研修医次第である。

肺炎、尿路感染症、蜂窩織炎、気管支喘息、urosepsisなどの敗血症、糖尿病性ケトアシドーシス、急性非代償性心不全、などなど、様々な疾患を一人で対応する。

治療を行い、家族へ説明し、診療情報提供書を作成し、MSWと退院調整を行う。

主治医のカルテ記載は一切なく退院していく。

医師が律速段階にならないように勤務時間外に雑務をこなす。

そして毎日大量の入院→治療、IC、書類作成→退院のマネージメントを繰り返す。

必然的に、無給勤務が増える。

給料は変わらない。

社畜医は首席で卒業したのである程度の医学的知識はある方だが、それでもこのありさまである。

同期も例外ではない。

同期はいつ労働基準監督署に訴えようか、タイムカードをずっと記録している。

いつかの戦いに備えて。

夜9時10時まで残業はデフォルトである。

当直明けでも休む暇はない。

名ばかりの労働基準法では当直明けは昼までの勤務とされているため、昼以降は無給残業である。

つまり、勤務時間は変わらないが労働基準法で給料は減っている。

決して、帰ることは出来ない。

さらに、法的な休日にも勤務がある。

日曜日や祝日といった法的には勤務してはいけない日であっても勤務が必須である。

研修医はこれを「無給回診」と呼んでいる。

看護師は「ただの地獄」と呼んでいる。

回診と名のつくが、カルテ記載から処置や急変対応まであり、朝から晩まで身を粉にして働いている。

もう一度いうが、無給である。

無給回診は善意以外の何物でもない。

上の言い分はこうである。

「患者は毎日ずっといるだろ?」

「それを誰が見るんだ?」

「休日祝日なんて関係あるか?」

「研修医の分際で権利を主張するのか?」

「自分の親が入院してると思え?」

だれも歯向かうことはできない。

残業は申請すると却下される。

この世界は上の言うことは絶対である。

つまり、平日も休日も関係なしに長時間労働を強いられている。

必然的に連続勤務となる。

時給換算で1500円程度である。

家庭教師のバイト代の方が高い。

これが令和の素晴らしい医療体制である。

報道では働き方改革が進んでいるらしい。

断じて。そんなことはない。

病院によるのだろうが、慢性的な人手不足の急性期病院はこれが日常である。

仕方がないのである。

学生時代、他の病院でも社畜医は見ていた。

17:30定時にタイムカードを押してから手術をしている姿を。

入職してまだ数週間、社畜医は定期券を解約した。

カフェイン錠剤、マットレス、充電式ホットアイマスクなど疲労回復グッズを買い集めた。

5分で疲労回復。

出来るはずがない。

勤務が過酷すぎる故、家に辿り着けない同期が足元でPHSを手放し死屍と化している。

意識が朦朧とし視界はぼやけ、交感神経が活性化し常に心臓の拍動を感じる。

久しぶりに病院の外に出たら、季節が変わっていた。

我々は季節に取り残されていた。

さらに恐ろしいのが、医師以外の医療従事者も同じ環境にいることだ。

前残業から夜勤明けで帰れない看護師、休憩室の必要のないドアノブ。

定時で帰ったことのない人が山ほどいる。

医療は人手でも制度でもなく、我々の命の犠牲の上で成り立っている。

医師以外の医療従事者の労働環境については、生きていればまた今度書くこととする。

現場からは以上である。

生存報告も兼ねる。

この辛い環境でも周りに支えられて、かろうじて生きている。

この感謝の気持ちは忘れたくはない。

社畜医、今日も生存。

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