Friedewald(フリードワルド)推定式って何?
どういう原理で計算できるの?
こういった悩みを解決します。
本記事ではFriedewald推定式の覚え方・ゴロを紹介し、式の意味を解説します。
ゴロでサクッと覚えちゃおう!
【Friedewald推定式の原理】総コレステロールの計算と基準値の覚え方・ゴロ
Friedewald推定式:総コレステロール=HDLコレステロール+LDLコレステロール+TG÷5
ゴロ:これこれ、タマゴの「ゴ」!
これ→HDLコレステロール
これ→LDLコレステロール
たまご→TG
ご→÷5
卵かけご飯のイメージで
卵/ごはん=TG/5と考えてもOK
以上より、
- 総コレステロール=HDLコレステロール+LDLコレステロール+TG÷5
と分かります。
基準値はコチラを参照してください。
リポ蛋白の代表例には5種類「CM(カイロミクロン)・VLDL・IDL・LDL・HDL」がありましたが、
Friedewald推定式にはCM・VLDL・IDLが含まれていません。
また、総コレステロール(TC:total cholesterol)・HDLコレステロール・LDLコレステロール・TGを直接測定しないで、
計算して導く理由はなぜでしょうか?
原理から見ていこう!
【Friedewald推定式の原理】TG÷5の意味と検査条件
ポイント
①空腹時採血(TG<400mg/dL)のときにVLDLコレステロール≒TG÷5で推定される
②LDLコレステロールとIDLコレステロールは検査上区別せず、合わせてLDLコレステロールと考える
③保険費用削減のためTC・LDL-Chol・HDL-Cholの3種中2種類しか測定できない。
理論上CM・VLDL・IDL・LDL・HDLには一定割合のコレステロールが存在するので、
TC=CM-Chol+VLDL-Chol・IDL-Chol+LDL-Chol+HDL-Cholと考えられます。
しかし、すべて測定するのには保険費用が多くなってしまうため、条件を付けてTCを推定します。
①空腹時採血(TG<400mg/dL)のときにVLDLコレステロール=TG÷5で推定される
空腹時(TG<400mg/dL)ではCM<<<VLDLとなり、血中のTGはほぼVLDLと結合しているといえます。
この時、VLDL中のコレステロール:TG=1:5で一定ということが知られており、
TG÷5≒VLDLと推定できます。
計算式に出てこないCM・VLDL・IDLのうち、
CM=空腹時に無視できる
VLDL≒TG÷5で推定される
っていうことね!
つまり、TGが増加する食後(CM増加)や脂質異常症(高脂血症)ではFriedewald推定式が使えなくなります。
TG≧400の場合はnon-HDLコレステロールを求める
TG≧400の場合(食後・脂質異常症など)では、non-HDLコレステロールで脂質代謝を評価します。
推定式:[non-HDLコレステロール]=[TC] – [HDLコレステロール]
non-HDLコレステロールには
「HDLコレステロール以外のCM・VLDL・IDL・LDLといったリポ蛋白中に含まれるコレステロール」が含まれます。
②LDLコレステロールとIDLコレステロールは検査上区別せず、
合わせてLDLコレステロールと考える
IDLはVLDLとLDLの中間で微量にしか存在しないため検査上LDLと区別せず、
実際のIDL+実際のLDL≒検査上のLDLとなります。
まとめると、計算式に出てこないCM・VLDL・IDLのうち、
CM=空腹時に無視できる
VLDL≒TG÷5で推定される
IDL+LDL≒LDL
ってことね。
③保険費用削減のためTC・LDL-Chol・HDL-Cholの3種中2種類しか測定できない。
以上の推定を用いると、Friedewald推定式:TC=HDL-Chol+LDL-Chol+TG÷5より、
1項目欠けていても推定できるのです。
実際に、血液化学検査のTC・LDL-Chol・HDL-Cholの3種中2種類にしか保険費用はおりません。
また、LDL-Cholの直接測定法では誤差やメーカーごとのばらつきが多いため、
Friedewald推定式を用いた方が正確といわれています。
つまり、「TCとHDL-CholとTGを測定し、LDL-CholはFriedewald推定式で計算する」というのが基本です。
医師国家試験【113A75】では
前夜から12時間絶食して早朝空腹時に採血した検査で、総コレステロール250mg/dL、トリグリセリド120mg/dL、HDLコレステロール80mg/dLであった。Friedewaldの式を用いてLDLコレステロール値の推測値を求めよ。
という出題がありました。
TC=HDL-Chol+LDL-Chol+TG÷5に代入してみると、
250=80+LDL-Chol+120÷5より、LDL-Chol=146と分かります。
また、医師国家試験【115F74】改題では
総コレステロール264mg/dL、トリグリセリド212mg/dL、HDLコレステロール34mg/dL。
この患者で増加しているのはどれか。
a LDLのみ
b HDLのみ
c VLDLのみ
d LDLとHDL
e LDLとVLDL
という出題がありました。
TC=HDL-Chol+LDL-Chol+TG÷5に代入してみると、
264=34+LDL-Chol+212÷5よりLDL-Chol=187.6(増加)と分かります。
また、トリグリセリド>150なので高TG血症であり、
VLDL=TG÷5を考慮すると高TG血症=高VLDL血症となるので、
答えはeとなります。
終わりに
お疲れさまでした。
参考になれば幸いです。
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