急性-慢性-移植片対宿主病GVHDとは？原因と症状の覚え方・ゴロ【CBT国試対策】

2021年10月29日2023年5月31日

悩む人

GVHD関連の問題って毎回間違えちゃうんだけど、なんで？？？

こういった悩みを解決します。

本記事では、試験に出やすい「移植片対宿主病GVHDのポイント」の説明に加えて、

試験で活かせる覚え方・ゴロを紹介します。

ハレル

GVHDは「何の移植」で「どこに影響がでるか」を
押さえるとイイヨ(^▽^)/

そもそも、GVHDとは？という方はこちらをどうぞ↓

GVHDが起こりやすい移植とは？

結論から言うと、GVHDが起こりやすい移植は

造血幹細胞移植（骨髄移植と末梢血幹細胞移植）
輸血

です。

特に試験では「造血幹細胞移植」または「骨髄移植」が出てきやすいです。

※末梢血幹細胞移植は試験に出にくいので、「造血幹細胞移植≒骨髄移植」と考えて良いです。

※今回は輸血も移植の一つとして解説します。

造血幹細胞移植と輸血がGVHDを起こしやすい理由

それは、

ドナーのリンパ球が豊富だから

です。

例えば・・・

骨髄移植では骨髄中の造血幹細胞がひたすらリンパ球を生産します。

この増殖し続けるリンパ球がレシピエントの体を攻撃します。

したがって、骨髄移植ではGVHDをきたしやすいのです

では、GVHDの影響を受けるのは骨髄でしょうか？？？

残念ながら、GVHDの影響を受けるのは骨髄ではありません。

詳しく見ていきましょう。

GVHDの影響を受けやすい臓器とは？

GVHDの影響を受けやすい臓器の覚え方・ゴロ

ゴロ：すりガラス

す→Skin

り → Liver

ガラス → Gut

GVHDの影響を受けやすい臓器は

皮膚
肝臓
消化管

です。

つまり、試験で大切になってくるのは、

「確かに骨髄移植はGVHDをきたしやすいけど、影響を受けるのは骨髄ではない！」ということです。

※もちろん、骨髄がノーダメージというわけではありませんが、

メインで影響されるのは上記の3つです。

では、具体的にどのような症状が出てくるか見ていきましょう。

GVHDの臓器への影響

拒絶反応と移植片対宿主病GVHDの違いで覚え方を説明した通り、

GVHDには急性と慢性があります。

ハレル

輸血後GVHDは1週間以降に出現します。

急性では、炎症が強く、赤く浮腫っぽいイメージです。

慢性では、拒絶反応の時と同様に萎縮して硬くなる系です。

	急性GVHD	慢性GVHD
皮膚	紅皮症、浮腫性紅斑、水泡	萎縮、硬化、扁平苔癬
肝臓	黄疸	他の症状は無視！
消化管	下痢、下血	他の症状は無視！

過去問では、慢性GVHDでは肝臓・皮膚・消化管（唾液腺を含む）に加えて、

毛細血管に富む肺が標的になるものの、「心臓は標的になりにくい」という知識が出ていました。

確認問題+医師国家試験【95D-07】【108A18】【105B8】【102G29】に挑戦！

GVHDが最も起こりやすいのはどれか。
a　肝移植
b　角膜移植
c　皮膚移植
d　骨髄移植
e　小腸移植

答えは　d

皮膚、肝臓、小腸はひっかけで、

GVHDではこれらの臓器に影響が出るのであって、

これらの移植でGVHDが起こりやすいわけではないです！

ちなみに、角膜は直接血管に栄養されてないためGVHDが起こりにくく、生着しやすい臓器として有名です。

【95D-07】
5歳の女児。急性骨髄性白血病で化学療法を受け、完全寛解に導入された。
その後、兄からの骨髄移植が実施された。
移植 2 週後、発熱、播種状紅斑および下痢・下血をきたすようになった。
最も考えられるのはどれか。
a　GVHD
b　急性骨髄性白血病の増悪
c　溶連菌感染症
d　アトピー性皮膚炎
e　アレルギー性紫斑病

答えは　a　

【108A18】
同種骨髄移植から3週後にみられる移植片対宿主病GVHDの皮膚症状はどれか。
2つ選べ。
ａ紅皮症
ｂ皮膚硬化
ｃ浮腫性紅斑
ｄ多形皮膚萎縮
ｅ扁平苔癬様皮疹

答えは　ac

3週間は急性GVHD

【105B8】
慢性GVHDの皮膚症状はどれか。
ａ扁平苔癬
ｂ結節性紅斑
ｃ尋常性乾癬
ｄ中毒性表皮壊死症
ｅ Stevens-Johnson症候群

答えは　a

【102G29】
慢性GVHDの標的臓器となりにくいのはどれか。
ａ肺
ｂ心臓
ｃ肝臓
ｄ皮膚
ｅ唾液腺

答えは　b

難しい。