慢性腎不全の電解質異常ってどう覚えればいいの?
こういった悩みを解決します。
本記事では「慢性腎不全で上昇・不定・低下する電解質の覚え方・ゴロ」と、
病態生理を考える際に大切なポイントを解説します。
マグカップって覚え方が有名だけど、
「カ」=Ca?K?って分からなくなるからオススメしないよ~
上昇 | Cr・BUN・Mg・P・K |
不定 | Na |
低下 | Ca・HCO3- |
慢性腎不全で上昇する電解質の覚え方・ゴロ
ゴロ①:マジピンク
マジ → Mg
ピン → P
ク → K
ゴロ②:マジ(本気)PK
マジ → Mg
P → Pリン
K → Kカリウム
したがって、慢性腎不全では
- マグネシウムMg
- リンP
- カリウムK
が上昇します。
※尿素窒素とクレアチニンも上昇しますが、覚えている人が多いので省略しました。
サッカークラブの本気PKをイメージしながら
クラ(Cr)ブ(Bun)マジ(Mg)PK(PとK)で
全部覚えても良いかも!
慢性腎不全で低下する電解質の覚え方・ゴロ
慢性腎不全では
- カルシウムCa
- 重炭酸イオンHCO3-
が低下します。
★カルシウムCaが低下する理由①
腎機能低下
→腎での活性化ビタミンD生産低下(1,25(OH)2Dの産生低下)
→腸管でのカルシウムCaの吸収低下
→低カルシウムCa血症
★カルシウムCaが低下する理由②
高リン血症に伴うカルシウム低下(「Capの法則」による)
★重炭酸イオンHCO3-が低下する理由①
腎機能低下(酸の排出ができない)
→アシドーシス(血液が酸性傾向になる)
→アルカリである重炭酸イオンHCO3-が消耗性に低下
→低HCO3-
★重炭酸イオンHCO3-が低下する理由②
低カルシウム血症
→続発性副甲状腺機能亢進症
→血中PTH上昇
→PTHが近位尿細管で重炭酸イオンHCO3-の再吸収を低下(排泄を増加)
→低HCO3-
代謝では酸が増加、つまりアシドーシスになる傾向があるんだ。
だから、人は毎日、尿で酸を排出している。
つまり、腎機能低下で酸が排泄できなくなると、
アルカリであるHCO3-は消費されて低下しちゃうね!
★★★以下の話(PTHとHCO3-の話)は難しいので、初見の人は軽くでOKです。★★★
しかし、国家試験にはでるので、
「PTHが近位尿細管で重炭酸イオンHCO3-の再吸収を低下(排出を増加)→ 低HCO3-になる」という知識は是非覚えてください!
「PTH上昇にてHCO3-が低下する理由」の覚え方
PTHは骨吸収促進(骨を破骨細胞が吸収=破壊を促進)することで、Caを上昇させようとする。
しかし、骨にはCa以外にも骨塩基(アルカリ)が含まれているので、
骨吸収促進では塩基性になってしまう。
それを防ぐために、PTHはあらかじめ血液を酸性にしようと考える。
つまり、 近位尿細管で重炭酸イオンHCO3-の再吸収を低下(排出を増加)させ血液を酸性にする。
結論:副甲状腺機能亢進症ではPTH上昇による代謝性アシドーシスが起こる。
丸暗記できるなら、いいんだけど、
ハレルは覚えないで導いてるよ(*’▽’)
慢性腎不全でのNaの動態
慢性腎不全ではNaは正常~低下します。
初期ではNa正常ですが、
進行するにつれて水分貯留(細胞外液量増加)による低ナトリウム血症をきたします。
確認問題【医師国家試験に挑戦】
医師国家試験【95I32】
慢性腎不全でみられるのはどれか。3つ選べ。
a 低リン血症
b 高カリウム血症
c 低カルシウム血症
d 低マグネシウム血症
e 代謝性アシドーシス
答えは bce だね!
医師国家試験【97B32】
慢性腎不全に特徴的な検査所見はどれか。
a 低尿酸血症
b 高リン血症
c 低カリウム血症
d 高カルシウム血症
e 高γグロブリン血症
答えは b だね!
医師国家試験【98D37】
78 歳の男性。全身倦怠感を主訴に来院した。10 年以上前に尿蛋白と高血圧とを指摘された。
血清クレアチニン値も徐々に上昇してきた。数週前から全身倦怠感と食欲不振とが出現した。
血圧 174/86mmHg。眼瞼結膜の貧血と下腿浮腫とを認める。
血清生化学所見:尿素窒素 73mg/dL、クレアチニン 6.8mg/dL。
この患者の血液検査所見で考えにくいのはどれか。
a Na 132mEq/L
b K 5.5mEq/L
c Ca 7.2mg/dL
d P 6.3mg/dL
e HCO3- 32mEq/L
aのNaは正常~低下しててもOKだったね!
HCO3-は消耗性に低下!答えは e だね!
終わりに
お疲れ様でした。
参考になれば幸いです。
慢性腎不全と透析は関係が深いので、まとめて覚えておきましょう↓↓↓
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