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なぜ副甲状腺機能低下症で脳内石灰化・白内障?機序・覚え方・ゴロ

なぜ副甲状腺機能低下症で脳内石灰化(大脳基底核石灰化・異所性石灰化)・白内障?機序・覚え方・ゴロ
悩む人

副甲状腺機能低下症の症状が覚えられない。
何か良い覚え方ないの~?

こういった悩みを解決します。

本記事ではCBT・国家試験対策の観点から試験に活かせる覚え方・ゴロを紹介します。

なぜ脳内石灰化(大脳基底核石灰化・異所性石灰化)や白内障・テタニーが起こるのか?

機序・理由を徹底的に解説します。

ハレル

ゴロでサクッと覚えちゃおう。

テタニーについてはコチラを参照。

目次:クリックで飛べます。

なぜ副甲状腺機能低下症で脳内石灰化・白内障?機序・覚え方・ゴロ

結論:カルシウムとリンの溶解度積を超えてしまうから。

   →異所性石灰化が起こる。

ハレル

応用がバリバリ効くから
考え方の1つとして覚えておいて欲しい。
覚え方・応用を最後に紹介します。

副甲状腺機能低下症では血中カルシウム低値・血中リン高値となります。

一見、カルシウムが低下しているので石灰化は起こらないように思えます。

しかし、大切なのはカルシウムとリンの溶解度積です。

健常人

例えば、健常人の血液所見では、Ca9.0mg/dL P3.0mg/dLの場合、

溶解度積はKsp(Ca3(PO4)2)=93×32=6561です。

原発性副甲状腺機能低下症

次に、【100A-50】の原発性副甲状腺機能低下症の患者の血液検査では、Ca6.0mg/dL P8.1mg/dlより、

溶解度積はKsp(Ca3(PO4)2)=63×8.12≒14171となります。

つまり、溶解度積を比べると健常人<副甲状腺機能低下症となります。

原発性副甲状腺機能亢進症

ちなみに、【110I42】の原発性副甲状腺機能亢進症の患者の血液検査では、Ca11.8mg/dL P2.3mg/dlより、

溶解度積はKsp(Ca3(PO4)2)=11.83×2.32≒8691となります。

つまり、溶解度積を比べると健常人<副甲状腺機能亢進症<副甲状腺機能低下症となります。

したがって、上記のように溶解度積が高値となる副甲状腺機能低下症では、

溶けきれないCaとPが結合し、

リン酸カルシウム(Ca3(PO4)2)やハイドロキシアパタイト(水酸化リン酸カルシウム:Ca5(PO4)3(OH)2)となり、

異所性石灰化が起こります。

異所性石灰化が脳内で起こると大脳基底核の石灰化(脳内石灰化)という所見が見られます。

また、微細な石灰化が水晶体に蓄積し、

カルパイン(カルシウムによって活性化する蛋白分解酵素)によって、

水晶体の分解が亢進し白内障が見られます。

もちろん、過度な副甲状腺機能亢進症でも同様に石灰化が起こりますが、

Pの方がCaより増加割合が大きいため異所性石灰化にはPが重要だと考えられます。

したがって、脳内石灰化や白内障はPが大きく上昇する副甲状腺機能低下症に優位にみられると考えられます。

覚え方:『Capの法則』

Cap=Ca×p → Ca×P

CaとPの積は一定になるように変化する。

ハレル

「キャップの法則」という法則を作ってみた。

Capの法則とは、

  • Caが上昇すると、溶解度積を一定に保つためにPが低下する
  • Pが上昇すると、溶解度積を一定に保つためにCaが低下する

ということを表します。

逆に、『Ca×Pを一定に出来ない状態(血中リン濃度が高い)では、析出してしまう』と覚えることができます。

【「Capの法則」の応用】

腫瘍崩壊症候群で血中カルシウムが低値になる理由

腫瘍崩壊症候群では細胞が壊れ、細胞内のPが漏れ出し高リン血症、

さらに、リン酸カルシウムが析出してしまい、低カルシウム血症をきたす疾患です。

これは「Capの法則」より、Pが上昇したことによる代償でカルシウムが低下したと考えることができます。

慢性腎不全で低カルシウム血症になる理由

慢性腎不全では腎の活性化ビタミンD生産低下による機序と

高リン血症に伴う代償によるカルシウムの低下の2通りが考えられます。

これを「Capの法則」で覚えることができます。

透析液にリンが入らない理由

透析患者ではリンが高値となり、カルシウムが低値(慢性期には正常~やや高値)にも関わらず、

「Capの法則」より異所性石灰化をきたします。

これを防ぐために透析液にはリンを入れません。

透析患者の合併症を覚えられる

③と「Capの法則」により、透析患者ではリン酸カルシウムの析出(異所性石灰化)が起こりやすいので、

血管内石灰化による動脈硬化・心筋梗塞、

皮膚への石灰沈着による掻痒感、肺の毛細血管への石灰沈着による換気不全を説明することができます。

副甲状腺機能低下症で脳内石灰化・白内障が見られる理由

記事上部を参照。

副甲状腺機能低下症の治療薬の活性化ビタミンを、
 血中カルシウムが基準値下限ギリギリになるように投与する理由。

(④は国試に出ない、治療ガイドラインのお話。)

副甲状腺機能低下症に活性化ビタミン(Ca上昇P上昇)投与すると、

「Capの法則」より、溶解度積が増加し石灰化が悪化するので、

なるべく積が小さくなるようにCaが基準値下限ギリギリに調節します。

ハレル

Capの法則を活用すれば
覚えることを少なく出来る!
ぜひ使ってみてください。

終わりに

お疲れ様でした。参考になれば幸いです。

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