5年生の時に大学で受験したテコムチャレンジ模試(TECOM模試)で
知識不足だった部分を備忘録として残しておきます。
問題そのものはアップできないので、
Q&A形式で周辺知識をまとめていこう!
「自分は知らないけど受験した人は知っている」といった、知らないと差がついてしまうポイントをまとめました。
人が間違えた問題をまとめてあるので、間違えやすいポイントを効率よく勉強できます。
科目ごとに「一問一答形式」または「Q&A形式」でまとめたので、効率よく勉強することが出来ます。
医師国試出題基準(ブループリント)の未出題の分野のポイント&周辺知識をまとめることで今後の出題に備えます。
長期記憶に残るようにイラストやゴロ&覚え方も一緒に確認できます。
最低限覚えるべき内容を
に入れました!今回は26個のトピックについてまとめました!
ホットトピックは
「慢性咳嗽の鑑別疾患」
「早発一過性徐脈と変動一過性徐脈の鑑別方法」
の2つです!
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【5年テコムチャレンジ模試で学んだこと】問題解説まとめ【内科外科】
消化器:アカラシアの治療(治療薬・内視鏡・腹腔鏡)は?
【治療薬】
- Ca拮抗薬
- 亜硝酸薬
【内視鏡】
- ボツリヌス毒素注射療法
- 内視鏡的バルーン拡張術
- 経口内視鏡筋層切開術(POEM)
【腹腔鏡】
- 粘膜外筋層切開術 (Heller法)(筋層を剝きとる=狭窄解除・圧を減らす)
- 噴門形成術(Dor法)(剝ぎ取った部分に胃で囲って逆流防止)
合わせて、「Heller-Dor法(ヘーラードール)」と呼ぶ。
消化器:胃癌の原因になるウイルスは?
胃癌の原因になるウイルス=EBウイルス
EBウイルス関連胃癌は胃癌の約10%を占めると言われている。
ちなみに、EBウイルスは腫瘍に限定すると
- 胃癌
- ホジキンリンパ腫
- ノンホジキンリンパ腫(バーキットリンパ腫)
- 上咽頭癌
の原因になる。
循環器:3枝病変・LMT閉塞では経皮的冠動脈形成術が禁忌か?
PCIの適応拡大や重症度によりますが、試験的には
- 3枝病変・LMT閉塞・PCI後再狭窄では経皮的冠動脈形成術は禁忌
- 冠動脈バイパス術を行う
とのことです。
循環器:Levine分類とは?Ⅰ度Ⅱ度Ⅲ度とⅣ度Ⅴ度Ⅵ度の違いは?
レヴァイン分類は心雑音の強度分類で全6段階(Ⅰ度~Ⅵ度)あります。
Ⅰ度Ⅱ度Ⅲ度とⅣ度Ⅴ度Ⅵ度の違いは振戦(thrill)を触れるか触れないかであり、
振戦(thrill)を触れた場合はⅣ度以上になります。
呼吸器:慢性咳嗽の鑑別疾患は?
慢性咳嗽の定義
- 3週間未満:急性咳嗽→感染症が鑑別疾患のメイン
- 3週間以上8週間未満:遷延性咳嗽→感染症の遷延も非感染症も考えられる
- 8週間以上:慢性咳嗽→非感染症が鑑別疾患のメイン
慢性咳嗽の高頻度とred flagの鑑別疾患
- 高頻度:後鼻漏症候群(40%)・咳喘息&喘息(25%)・GERD(20%)
- red flag:肺癌・結核(&非結核性抗酸菌症)
慢性咳嗽の解剖学的な鑑別疾患
【鼻】
- アレルギー性鼻炎や慢性副鼻腔炎に伴う後鼻漏症候群 (湿性咳嗽)
※副鼻腔気管支症候群=慢性副鼻腔炎+慢性気管支炎or気管支拡張症orびまん性汎細気管支炎
→14員環マクロライド系抗菌薬が有効(線毛運動の改善による)
【咽頭~中枢気道】
- アトピー咳嗽(乾性咳嗽):好酸球性炎症による気道粘膜の障害→咳反射の亢進
- 感染後咳嗽(乾性咳嗽):感染による気道粘膜の障害→咳反射の亢進
【気管支・細気管支(末梢気道)】
- 慢性気管支炎(喫煙・COPD)(湿性咳嗽)
- 咳喘息&気管支喘息(乾性咳嗽)
【肺】
- 肺癌
- 結核
- 非結核性抗酸菌症
【食道】
- GERD(乾性咳嗽)
その他:薬剤性(ACE阻害薬)・心因性・誤嚥
呼吸器:ビールなどの冷たいものを飲んだ時や寒い場所で起こる慢性咳嗽とは?
ビールなどの冷たいものを飲んだ時や寒い場所で起こる慢性咳嗽→気道過敏性亢進→気管支喘息or咳喘息
咽頭痛・鼻水・肺野の雑音・呼吸機能検査・胸部レントゲンで異常を認めない場合は咳喘息と診断できる。
呼吸器:慢性咳嗽の鑑別のために行う検査は?
①診察→鼻水?アトピー素因?感染後?喫煙?日内変動?DM?胸やけ?
②聴診→wheezeがあれば気管支喘息
②呼吸機能検査→気管支喘息?(→呼気NO?)COPD?
③X線→結核?肺癌?(→異常を認めればCT検査)
呼吸器:アトピー咳嗽と咳喘息の共通点は?違いは?
アトピー咳嗽と咳喘息の共通点は
- 慢性咳嗽をきたす
- 呼吸機能検査が正常
- wheezeを伴わない
- 喀痰&粘膜生検&気管支肺胞洗浄で好酸球増加(気道の好酸球性炎症)
です。
wheeze⇔喘息→呼吸機能検査で閉塞性肺疾患
違いを下記の表にまとめました。
アトピー咳嗽 | 咳喘息 | |
---|---|---|
炎症部位 | 中枢気道 | 末梢気道 |
呼気NO | 正常 | 上昇 |
気管支拡張薬 | 無効 | 有効 |
咳受容体感受性 | 亢進 | 正常 |
気道過敏性 | 正常 | 亢進 |
喘息に移行 | しない | する |
治療 | 1st, 抗ヒスタミン薬 2nd, 吸入ステロイド |
吸入ステロイド(ICS) +気管支拡張薬(LABA) |
ほぼ鼻炎を合併する |
アトピー咳嗽
アトピー咳嗽は中枢気道(=気管~直径2mm以上の気管支)の好酸球性炎症です。
呼気NOは末梢気道の好酸球性炎症で産生されるため、アトピー咳嗽では正常です。
気管支拡張薬は末梢気道の平滑筋を拡張させるため、アトピー咳嗽には無効です。
アトピー咳嗽で咳がでる理由は咳受容体の感受性が亢進するためと言われています。
気道過敏性試験(吸入誘発試験)では末梢気道を収縮させる薬剤を吸入しますが、
末梢気道が正常なアトピー咳嗽では結果は正常です。
アトピー咳嗽はアトピー素因(Ⅰ型アレルギー疾患に罹患しやすい※)を持つ人に多いですが、
気管支喘息を新たに合併することがあっても、アトピー咳嗽自体が気管支喘息に移行するわけではありません。
※アトピー咳嗽・アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎・咳喘息・気管支喘息(アトピー型)を合併しやすい。
咳喘息
咳喘息は末梢気道(=直径2mm未満の気管支)の好酸球性炎症です。
呼気NOは末梢気道の好酸球性炎症で産生されるため、咳喘息では上昇します。
気管支拡張薬は末梢気道の平滑筋を拡張させるため、咳喘息には有効です(=LABA有効)。
気道過敏性試験(吸入誘発試験)では末梢気道を収縮させる薬剤を吸入しますが、
咳喘息では末梢気道の閉塞が悪化するため気道過敏性が亢進していると分かります。
気道過敏性が亢進していると、環境に対応して日内変動があり、
季節の変わり目・冷たいビール・冷気吸入・運動時に咳嗽が起こります。
30%が気管支喘息に移行すると言われており、
治療の吸入ステロイド+気管支拡張薬で増悪や気管支喘息への移行を防止できます。
まとめると、wheezwを伴わない慢性咳嗽で呼吸機能・胸部レントゲンが正常の場合は
- 呼気NO正常+気管支拡張薬が無効→中枢気道→アトピー咳嗽
- 呼気NO上昇+気管支拡張薬が有効→末梢気道→咳喘息
と診断可能です。
知識不足だったため、国家試験の問題もまとめて勉強します。
呼吸器:慢性咳嗽について【医師国家試験111G22】
慢性咳嗽について正しいのはどれか。
a 慢性咳嗽とは4週間以上継続する咳である。
b アトピー咳嗽には気管支拡張薬が有効である。
c 降圧薬ではカルシウム拮抗薬が主な原因である。
d 咳喘息にはプロトンポンプ阻害薬が有効である。
e 副鼻腔気管支症候群にはマクロライド系抗菌薬が有効である。
答えはe
呼吸器:慢性咳嗽の鑑別疾患【医師国家試験115B15】
急性咳嗽の原因として頻度が高いのはどれか。
a COPD
b 咳喘息
c 胃食道逆流症
d 副鼻腔気管支症候群
e マイコプラズマ肺炎
答えはe
呼吸器:慢性咳嗽の鑑別疾患【医師国家試験115D13】
慢性咳嗽をきたすのはどれか。2つ選べ。
a 後鼻漏
b 食道憩室
c 逆流性食道炎
d 食道カンジダ症
e 機能性ディスペプシア
答えはac
呼吸器:慢性咳嗽の鑑別疾患【医師国家試験101H25】
65歳の女性。2か月前から続く咳嗽を主訴に来院した。痰は伴わず、胸やけがあり、鼻汁と鼻閉とが時々ある。喫煙歴はない。身体所見に異常を認めない。3か月前の健康診査での胸部エックス線写真は正常である。
原因として頻度が低いのはどれか。2つ選べ。
a 喘息
b 肺癌
c 肺結核
d 副鼻腔炎
e 逆流性食道炎
答えはbc
胸やけ→e
鼻汁鼻閉→d
喘息は日内変動があり診察時にwheezeを認めないことが多々あるため、身体診察に異常を認めない場合でも矛盾しない(夜間明け方の症状が重要)。また、頻度の観点から喘息の可能性は高い。
喫煙歴なし・エックス線正常・痰を伴わない・疾患自体低頻度→bcの可能性は低い。
呼吸器:慢性咳嗽の鑑別疾患【医師国家試験114A2】
慢性咳嗽の原因疾患とその特徴の組合せで誤っているのはどれか。
a COPD ——— 喫煙歴
b 咳喘息 ——— 季節性
c アトピー咳嗽 ——— 咽喉頭掻痒感
d 胃食道逆流症 ——— 後鼻漏
e 副鼻腔気管支症候群 ——— 膿性痰
答えはd
呼吸器:慢性咳嗽の鑑別疾患【医師国家試験112A74】
32歳の女性。乾性咳嗽を主訴に来院した。5年前から毎年、2月から5月までの間に乾性咳嗽を自覚していたが、今年も2月から同様の症状が出現したため受診した。アレルギー性鼻炎の既往がある。喫煙歴はない。体温36.8℃。脈拍72/分、整。血圧120/60mmHg。呼吸数16/分。SpO2 99%(room air)。呼吸音に異常を認めない。胸部エックス線写真で異常を認めない。
次に行うべき検査として適切なのはどれか。2つ選べ。
a 胸部CT
b 気管支鏡検査
c 動脈血ガス分析
d スパイロメトリ
e 喀痰中好酸球比率算定
答えはde
若年女性の季節性の慢性咳嗽(乾性咳嗽)
鼻炎に伴う後鼻漏や、アレルギー性鼻炎の既往からⅠ型アレルギーの背景があるため、アトピー咳嗽・咳喘息・喘息を疑う。アトピー咳嗽・咳喘息・喘息→共通して喀痰中好酸球が増加する→e
呼吸機能検査(スパイロメトリ)で閉塞性肺疾患→喘息、正常であればアトピー咳嗽・咳喘息に絞れる。
その後、呼気NOや気管支拡張薬でアトピー咳嗽・咳喘息を鑑別する。
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