医学科最終学年6年になりました・・・
大学で受験した春メック模試(MEC模試)で
知識不足だった部分を備忘録として残しておきます。
人が間違えたor知らない問題の周辺知識を確認することで、
知っている問題を解くより効率よく勉強できるかも???
という仮説に基づいて赤裸々にまとめていきます。
問題そのものはアップできないので、
調べて学んだこと・周辺知識をまとめていこう!
【春メック模試で学んだこと】問題解説まとめ【内科外科】
肝胆膵:肝硬変のマーカーのヒアルロン酸とは?
ヒアルロン酸:肝硬変で高値
ヒアルロン酸は肝臓のkupffer細胞が分解するムコ多糖であり、
肝硬変によってkupffer細胞の機能が低下すればヒアルロン酸は分解されず高値となります。
肝胆膵:膠質反応TTT/ZTTとは?肝硬変でどうなるか?
膠質反応(TTT/ZTT):肝硬変で高値
TTTはγグロブリン増加やAlb減少で高値に、ZTTはγグロブリン増加で高値になります。
TTT/ZTTは比ではなく、TTT&ZTTの膠質反応という意味です。
膠質反応(TTT/ZTT)は医学的意義が乏しく、保険適応外になったそうです。
循環器:急性心筋炎の抗炎症薬としてステロイドは適応あるか?
急性心筋炎にステロイドは使わない。
急性心筋炎の治療は循環動態が安定していれば安静で経過観察、
心不全や不整脈に対して介入することがあっても、ステロイドは使いません。
cf. 心膜炎合併した場合にNSAIDsを使用する。
循環器:心機能が低下している場合(心不全)に使えない抗不整脈薬は?
【心機能が低下している場合(心不全)に使えない抗不整脈薬】
- Naチャネル遮断薬(プロカインアミド(Ia群)以外)
- Ca拮抗薬
【心機能が低下している場合(心不全)でも使える抗不整脈薬】
- プロカインアミド(Naチャネル遮断薬のIa群の1つ)
- β遮断薬
- Kチャネル遮断薬(アミオダロン)
- ジギタリス
循環器:発作性上室性頻拍の治療薬・発作停止&予防&根治治療
【メモ】
Ⅰ群抗不整脈薬:Naチャネル遮断薬
Ⅱ群抗不整脈薬:β遮断薬
Ⅲ群抗不整脈薬:Ca拮抗薬
Ⅳ群抗不整脈薬:Kチャネル遮断薬
頻拍発作を停止させるための治療薬
血行動態が安定している発作性上室性頻拍の発作時の治療は
- バルサルバ手技→ATP急速静注→Ca拮抗薬→Ⅰ群orⅢ群→カルディオバージョン
ですが、
- ATP急速静注:気管支喘息に禁忌
- Ca拮抗薬:心不全に禁忌
- Ⅰ群抗不整脈薬:心不全に禁忌(プロカインアミド以外)
なので、気管支喘息・心不全の有無によって治療方針が異なります。
気管支喘息あり
- ×ATP急速静注は禁忌×→Ca拮抗薬→Ⅰ群orⅢ群
心不全あり
- ATP急速静注→×Ca拮抗薬は禁忌×→×Ⅰ群は禁忌×(プロカインアミドは可)orⅢ群
(プロカインアミドを使用して効果が無かった場合Ⅲ群のアミオダロンを用いる。)
では、気管支喘息かつ心不全の場合ではどうなるでしょうか?
上記より、×ATP急速静注は禁忌×→×Ca拮抗薬は禁忌×→×Ⅰ群は禁忌×となるので、
プロカインアミドが第一選択で、プロカインアミドが無効の場合はⅢ群(アミオダロン)となります。
ちなみに、β遮断薬は速効性がないため用いません。
頻拍発作を予防するための治療薬
停止の治療として用いるバルサルバ手技やATPは持続性がないので、予防の治療薬にはなりません。
頻拍発作を予防するための治療薬は
- ①Ca拮抗薬・β遮断薬
- ②Ⅰa群(ジソピラミド)・Ⅰc群(ピルシカイニド)・(プロカインアミド)
- ③Ⅲ群(アミオダロン)
ですが、
- WPW症候群の非発作時にCa拮抗薬・β遮断薬は禁忌
- Ca拮抗薬:心不全に禁忌
- Ⅰ群抗不整脈薬:心不全に禁忌(プロカインアミド以外)
なので、WPW症候群・心不全の有無によって治療方針が異なります。
WPW症候群あり
- ①×Ca拮抗薬は禁忌×・×β遮断薬は禁忌×
- ②Ⅰa群(ジソピラミド)・Ⅰc群(ピルシカイニド)・(プロカインアミド)
- ③Ⅲ群(アミオダロン)
心不全あり
- ①×Ca拮抗薬×・β遮断薬
- ②×Ⅰa群(ジソピラミド)は禁忌×・×Ⅰc群(ピルシカイニド)は禁忌×・(プロカインアミド)
- ③Ⅲ群(アミオダロン)
では、WPW症候群かつ心不全の場合ではどうなるでしょうか?
上記より、プロカインアミドが第一選択で、プロカインアミドが無効の場合はⅢ群(アミオダロン)となります。
頻拍発作の根治治療
発作性上室性頻拍の根治治療はカテーテルアブレーションです。
まとめ
まとめると、発作性上室性頻拍のポイントは
- 発作性上室性頻拍の治療を「停止」「予防」「根治治療」の3つに分けて考える。
- それぞれの治療薬に禁忌があるため、気管支喘息・心不全・WPW症候群の有無によって治療方針を決める。
の2点です。
循環器:正常大動脈の直径・動脈瘤の定義・治療適応は?
正常血管の直径の1.5倍に拡大した場合を動脈瘤と呼ぶ。
正常胸部大動脈3cm→胸部大動脈瘤の定義は4.5cm以上・治療適応(無症候性)は6cm以上
正常腹部大動脈2cm、大動脈瘤は3cm以上、治療適応(無症候性)は男性5.5cm以上、女性5cm以上
感染症:レジオネラの染色方法2つは?
ヒメネス染色と鍍銀染色
感染症:DATスキャン集積低下を起こすウイルスは?
日本脳炎ウイルスは黒質に障害を起こしDATスキャン集積低下を起こす。
したがって、日本脳炎ではパーキンソン病様症状が生じる。
感染症:ガス壊疽の原因菌と治療薬は?
原因菌:ウェルシュ菌(第一選択:PCG)・A群β溶連菌・黄色ブドウ球菌・PEK・SPACE・嫌気性菌
経験的治療:PIPC/TAZ+CLDM(毒素抑制)±VCM(MRSAカバー)
感染症:マラリア治療薬4種類は?覚え方・ゴロ
ゴロ:マラリアのあとは飢饉(ききん)
あとは→アトバコン・プログアニル合剤
飢→キニーネ
饉→メフロキン・プリマキン
cf. PCPニューモシスチス肺炎の1stはST合剤、2ndはアトバコン単剤またはペンタミジン
cf. アトバコンは感染症治療薬、アバコパンは補体C5a受容体阻害薬でANCA関連血管炎の治療薬
アトバコンとアバコパン、混ざりやすいですね。
感染症:PCG/ST合剤/アムホテリシンBの電解質変化は?
PCG/ST合剤:高カリウム血症
アムホテリシンB:低カリウム血症→腎性尿崩症
感染症:腎機能調節が不要な抗菌薬まとめ&覚え方・ゴロ
βラクタム系(ペニシリン系・セフェム系・カルバペネム系・モノバクタム系)
- 腎機能調節が必要
- 例外はCRTX、CPZ単体(CPZ単体で使うことはほぼない。SBT/CPZは調節が必要。)
→βラクタム系ではCTRX以外は腎機能調節が必要
リンコマイシン系(CLDM)
- 腎機能調節が不要
マクロライド系
- 腎機能調節が必要(エリスリトール・クラリスロマイシン・RXMロキシスロマイシンは必要)
- 例外はAZM
→マクロライド系ではAZM以外は腎機能調節が必要と考える
テトラサイクリン系
- 腎機能調節が不要(DOXY/MINO/TGC)
ニューキノロン系
- 腎機能調節が必要
- 例外はモキシフロキサシンMFLX
→ニューキノロン系ではMFLX以外は腎機能調節が必要と考える
グリコペプチド系
- 腎機能調節が必要(TDM)
アミノグリコシド系
- 腎機能調節が必要(TDM)
オキサゾリジノン系(リネゾリド)
- 腎機能調節が不要
環状リポペプチド
- 腎機能調節が必要
ニトロイミダゾール系
- 腎機能調節が必要
※肝代謝だが代謝産物が腎排泄でメトロニダゾール脳症を起こす
ST合剤
- 腎機能調節が必要
また、使用頻度は低いもののリファンピシリンやクロラムフェニコールも腎機能調節が不要と言われています。
したがって、腎機能調節が不要な抗菌薬は
- テトラサイクリン系
- クリンダマイシンCLDM(リンコマイシン系) ⇔CMは必要
- モキシフロキサシンMFLX
- リネゾリドLZD(オキサゾリジノン系)
- リファンピシリン(←追加)
- セフトリアキソンCRTX
- アジスロマイシンAZM
- クロラムフェニコール(←追加)
となります。
腎機能調節が不要な抗菌薬の覚え方・ゴロ
ゴロ:クリクリ!モリモリ!トリアージラムネ
クリ→テトラサイクリン系
クリ→クリンダマイシン
モ→モキシフロキサシン
リ→リネゾリドリ
リ→リファンピシリン
トリ→セフトリアキソン
アージ→アジスロマイシン
ラムネ→クロラムフェニコール
感染症:腎機能調節が不要な抗菌薬【106G10】
末期腎不全患者に対し、常用量を投与可能なのはどれか。
a ST合剤
b オセルタミビル
c ミノサイクリン
d レボフロキサシン
e カルバペネム系抗菌薬
答え:c
テトラサイクリン系のミノサイクリンは腎機能調節が不要です。
神経:頭部MRIで頭蓋骨3層と髄膜(硬膜)の信号は?
頭蓋骨3層
頭蓋骨は外から外板→板間層→内板の3層構造になっており、
- 外板と内板は皮質骨(緻密骨)=石灰化が主=MRIで低信号
- 板間層は海綿骨=骨髄(脂肪髄)が主=MRIで高信号
と区別できる。
髄膜(硬膜)
髄膜は外から硬膜→くも膜→軟膜の3層構造になっているが、髄膜は薄いためMRIで同定できない場合もある。
特に、硬膜に比べて、くも膜と軟膜は薄いため同定が難しい。
硬膜はMRIで中等度の信号として同定できる。造影すると同定しやすい。
髄膜炎や髄膜転移で硬膜肥厚が見られる。
頭蓋骨と髄膜(硬膜)の同定①
上記は造影T1強調画像です。
外から
- 皮下組織(高)
- 筋(低~中等度)
- 外板(低信号)
- 板間層(高信号)
- 内板(低信号)
- 硬膜(中等度)
- くも膜下腔・脳脊髄液(低信号)
- 脳実質
となっています。
黄色矢印は造影された硬膜、赤矢印は硬膜の外側の低信号なので頭蓋骨の内板です。
頭蓋骨と髄膜(硬膜)の同定②
上記画像は脳転移精査目的のFLAIR像と造影T1強調画像です。
- 皮下組織(高)
- 筋(低~中等度)
- 外板(低信号)
- 板間層(高信号)
- 内板(低信号)
- 硬膜(中等度)
- くも膜下腔・脳脊髄液(低信号)
- 脳実質
となっていますが、左右非対称に矢印の硬膜が肥厚しており、硬膜への転移が疑われる所見です。
神経:正常圧水頭症NPHの画像所見3つは?
- 脳梁角の鋭角化
- Evans index
- DESH
神経:クロイツフェルト・ヤコブ病の画像と症状は?
- DWIで皮質と基底核の高信号
- 皮質障害:急速進行の認知症・性格変化・運動失調などの錐体路症状
- 基底核障害:四肢の筋強剛などの錐体外路症状
神経:海綿静脈洞と眼窩先端部を通過する脳神経の違いは?
- 海綿静脈洞:CNⅢ, Ⅳ, Ⅴ1, Ⅴ2, Ⅵ
- 眼窩先端部:CNⅡ, Ⅲ, Ⅳ, Ⅴ1, Ⅵ
違いは「2なのかⅡなのか」、
つまり「三叉神経Ⅴの分岐の上顎神経Ⅴ2」か「視神経Ⅱ」かどちらが該当するか区別するのが大切。
神経:トリプタンはセロトニン受容体作動薬?拮抗薬?
トリプタンはセロトニン受容体作動薬
腎臓:高電子密度沈着物(electron dense deposit ; EDD)の見方と覚え方・ゴロ
- 溶連菌感染後急性糸球体腎炎(PSAGN):上皮細胞下にEDD(上皮と基底膜の間)(humpと呼ばれる)
- 膜性腎症(MN):基底膜上皮側にEDD(基底膜内で上皮側)
- 膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN):様々だがⅠ型では内皮細胞下にEDD(内皮と基底膜の間)
PSAGN:上皮細胞下hump①
画像左下から右中間への線状構造が基底膜、その途中の円形構造が高電子密度沈着物(EDD)、円形構造を包むような濃度の濃い構造が上皮細胞です。
上皮細胞下=上皮細胞と基底膜の間の高電子密度沈着物(EDD)のため、PSAGNのhumpの可能性が高いです。
PSAGN:上皮細胞下hump②
画像右下の最も黒い構造が赤血球であるので、赤血球側から血管内皮細胞→基底膜→上皮細胞と分かります。
基底膜外側(画像では赤血球より上方)に暗い色の高電子密度沈着物(EDD)があります。
基底膜外側=上皮細胞下=上皮細胞と基底膜の間の高電子密度沈着物(EDD)のため、PSAGNのhumpの可能性が高いです。
MN:基底膜上皮側EDD①
画像中心の最も黒い構造が赤血球であるので、赤血球側から外側に向かって血管内皮細胞→基底膜→上皮細胞と分かります。
基底膜内部にやや薄暗い高電子密度沈着物(EDD)があり、
かつ基底膜内の外側=基底膜上皮側に偏っています。
基底膜上皮側EDDより膜性腎症の可能性が高いです。
MN:基底膜上皮側EDD②
画像中央下部の最も黒い構造が赤血球であるので、赤血球側から上外側に向かって血管内皮細胞→基底膜→上皮細胞と分かります。
基底膜内部にやや薄暗い高電子密度沈着物(EDD)があり、
かつ基底膜内の上外側=基底膜上皮側に偏っています。
基底膜上皮側EDDより膜性腎症の可能性が高いです。
基底膜上皮側EDD=MN
ゴロ:上げMN(あげまん)?
MPGN:内皮細胞下
画像中央が血管内腔で血管内腔を裏打ちする濃度の濃い黒色の部分が血管内皮細胞です。
さらに外側に画像右下から左上にかけて基底膜があり、
その基底膜と血管内皮細胞の間に(矢印の先)EDDがあります。
内皮細胞と基底膜の間を内皮細胞下と表現し、内皮細胞下EDDはMPGN(Ⅰ型)の可能性が高いです。
腎臓:腎細胞癌のリスク&肥満が関係する悪性腫瘍の覚え方・ゴロ
腎細胞癌のリスク
腎細胞癌のリスク:喫煙・肥満・VHL病 ⇔飲酒は関係ない
肥満が関係する悪性腫瘍の覚え方・ゴロ
ゴロ:肥満児代入したい
肥満→肥満と関係ある悪性腫瘍
児→腎細胞癌
代→大腸癌
入→乳癌
したい→子宮体癌
腎臓:巣状分節性糸球体硬化症FSGSのリスクの覚え方・ゴロ
炭酸リチウムを覚えていなかったので、ゴロに追加しました!
ゴロ:タンスとヘロヘロHしてイク!
タン→炭酸リチウム
ス→巣状分節性糸球体硬化症FSGSのリスク
ヘロ→ヘロイン
ヘロ→インターフェロン
Hして→HIV
イク!→パルボB19ウイルス
その他の覚え方:「巣状=そうじょう=双→双極性障害の治療の炭酸リチウム」と連想して関連付ける
腎臓:アシクロビルによる急性腎障害は腎前性?腎性?腎後性?
アシクロビルは腎尿細管内で析出し、腎尿細管閉塞させるため腎後性腎障害です。
血液:von Willebrand病(VWD)で凝固第Ⅷ因子が低下する理由とは?
von Willebrand因子は「血小板粘着」&「凝固第Ⅷ因子の安定化」と言われています。
安定化って何でしょうか?
von Willebrand因子とは凝固第Ⅷ因子のキャリア蛋白であり、
凝固第Ⅷ因子の安定化とは
- von Willebrand因子と凝固第Ⅷ因子が結合することで凝固第Ⅷ因子が消費されないようになること
です。
したがって、von Willebrand因子が欠乏するvon Willebrand病では凝固第Ⅷ因子の安定化がなくなり、
凝固第Ⅷ因子が低下します。
血液:von Willebrand病(VWD)の止血治療は?
- VWF/第VIII因子濃縮製剤の補充療法
- VWF貯蔵部位の血管内皮細胞からVWFの放出をもたらすデスモプレシン(DDAVP)の緩徐な静注
血液:血液疾患でデスモプレシンが有効な疾患2種類は?
- 血液疾患でデスモプレシンが有効な疾患2種類=von Willebrandと血友病A
cf. 血友病Bには無効!!!
血友病では凝固第Ⅷ因子が欠乏するため、
デスモプレシン(DDAVP)でvon Willebrand因子(VWF)を増加させることで、
間接的に凝固第Ⅷ因子の安定化を図ることができる。
血液:血小板減少で起こりやすい出血の部位は?
- 血小板減少では鼻出血&歯肉出血が起こりやすい。
血液:骨髄異形成症候群MDSの治療方針は?
スコア(低リスクor高リスク)を覚えるのは現実的でないので、下記のように分類します。
- 無症状:経過観察
- 貧血症状:サイトカイン療法(エリスロポエチン製剤)
- 5q症候群:レナリドミド(サリドマイド誘導体)
- 芽球比率が上昇し貧血以外にも血小板や好中球が減ってきたら:同種造血幹細胞移植
- 同種造血幹細胞移植不可能(65歳以上など):アザシチジン
合わせて下記も確認してみてください。
血液:多発性骨髄腫MMに必要な検査&Durie-Salmon分類とは?
Durie-Salmon分類とは「体内の腫瘍量を推定する分類」です。
ひと昔前に使われていた分類で、
stegeⅠ:腫瘍量が少ない、stageⅡ:腫瘍量は中等度、stageⅢ腫瘍量が多い、と判断されます。
必要な検査として、
- 血液検査(Hb.Ca.M蛋白.BJTであれば尿検査)
- 全身単純エックス線検査で溶骨性病変の有無
があります。
内分泌代謝:甲状腺腫瘍の治療法(手術・放射性ヨード内服療法)は?
【乳頭癌・濾胞癌】
- 遠隔転移なし:手術(甲状腺摘出+頸部リンパ節郭清)
- 遠隔転移あり:放射線ヨード内服療法(131I)
乳頭癌と濾胞癌は分化癌で、131I以外の放射線感受性が低いため、放射線治療の適応にはなりません。
内分泌代謝:糖尿病性ケトアシドーシスDKAの治療方法・投与経路・フォローの仕方は?
- 1st:生理食塩水で脱水補正+速攻型インスリンの静注
→血液検査のフォロー&血糖値250未満になったら2ndに進む。 - 2nd:生理食塩水はグルコースを含む輸液に変更、速攻型インスリンは減量し皮下注に変更
【間違えるポイント】
- 1stの速攻型インスリン静注による低カリウム血症・低血糖・(脳浮腫)に注意!
- 血糖値が改善して来たら低血糖予防でグルコースを含む輸液に変更!(1号液や3号液)
- 2ndのインスリンは遅効型でも静注でもなく、減量して皮下注!
【一問一答】
DKAの初期治療は生理食塩水と速効型インスリンの静注である。
〇か×か?
答え:〇
DKAの初期治療が終わり、血糖値が250未満になった。
次の治療は生理食塩水と遅効型インスリンの皮下注である。
〇か×か?
答え:×
1号液or3号液などグルコースを含む輸液+速効型インスリンを減量して皮下注
DKAの初期治療が終わり、血糖値が250未満になった。
次の治療は3号輸液と速効型インスリンの静注である。
〇か×か?
答え:×
1号液or3号液などグルコースを含む輸液+速効型インスリンを減量して皮下注
内分泌代謝:高血圧症の中でアルドステロン症が占める割合は?
高血圧症の中でアルドステロン症が占める割合は「10%」
内分泌代謝:アルドステロン症の治療は?
- 片側性:AVS陽性の副腎を腹腔鏡下で摘出
- 両側性:両側副腎でAVS陽性の場合は手術しないでAld拮抗薬が第一選択
内分泌代謝:くる病の画像所見は?
- 骨端性の拡大
- 骨幹端の杯状陥凹(はいじょう)
内分泌代謝:先端巨大症の治療薬のGH受容体拮抗薬「ペグビソマント」
内分泌代謝:クッシング症候群で好酸球減少&骨吸収促進による尿中カルシウム上昇
【春メック模試で学んだこと】問題解説まとめ【マイナー科】
整形外科:転移性脊椎腫瘍の対応は?
MRIで転移性脊椎腫瘍
→ステロイド点滴(神経保護)+全身造影CT(その他転移巣・原発巣精査)
→放射線や外科的手術で除圧
脊髄圧迫症状が出現し48時間以内は golden time と呼ばれており、
golden timeで除圧しないと下肢麻痺が固定してしまう。
整形外科:開放骨折の対応は?
開放骨折は軟部組織感染や骨髄炎のリスクが高い。
6時間以内の洗浄・デブリドマン・抗菌薬投与→創外固定が推奨される。
創部感染はグラム陽性菌が75%なためCEZが第一選択で閉鎖後24時間投与継続。
泌尿器:前立腺の触診所見
- 弾性軟で表面平滑:正常
- 弾性硬で腫大:前立腺肥大症
- 石様硬で可動性不良:前立腺癌
精神科:ADHDの治療薬4種類は?覚え方・ゴロ
ADHDの治療薬4種類
- メチルフェニデート(コンサータ®)
- リスデキサンフェタミンメシル酸塩(ビバンセ®)
- アトモキセチン(ストラテラ®)
- グアンファシン(インチュニブ®)
ADHDの治療薬4種類の作用機序
- メチルフェニデート・リスデキサンフェタミン→ドパミン&ノルアドレナリンの再取り込み阻害
- アトモキセチン→ノルアドレナリン再取り込み阻害
- グアンファシン→ノルアドレナリン受容体作動薬
リスデキサンフェタミンはアンフェタミンやメタンフェタミンと
語尾が同じだね!
ADHDの治療薬4種類の覚え方・ゴロ
ゴロ:めっちゃリスキー@軍人
めっちゃ→メチルフェニデート
リスキー→リスデキサンフェタミンメシル酸塩
@→アトモキセチン
軍人→グアンファシン
精神科:非定型抗精神病薬の使い分けは?
- リスペリドン:抗幻覚妄想作用が比較的強い。
- オランザピン:抗幻覚妄想作用に加えて、鎮静作用も特徴的。糖尿病には禁忌!
- アリピプラゾール:ドパミンの partial agonist 作用により、陰性症状にも効果あり。
【春メック模試で学んだこと】問題解説まとめ【産婦人科・小児科】
産科:正期産の分娩第2期で遅発一過性徐脈の対応は?
遅発一過性徐脈=胎盤機能不全により胎児の低酸素血症の恐れがある。
- 酸素投与で胎児への酸素供給量を増やす
- 輸液によって循環血漿量を増やして胎盤への酸素供給量を増やす
- 体位変換を行い血管の圧迫などを介助する
- 吸引分娩や鉗子分娩が出来れば施行、出来なければ帝王切開
産科:胞状奇胎で甲状腺機能は亢進?低下?
hCGはTSH様作用があり、胞状奇胎などでは甲状腺機能が亢進する。
婦人科:卵巣機能不全(早発閉経)の定義は?
40歳未満で無月経の状態。
婦人科:黄体機能不全の定義と診断方法は?
月経周期の高温相持続は14日前後だが、高温相持続10日以内の場合に黄体機能不全が疑われ、
排卵後1週間ぐらいで(7±2=5-9日後)プロゲステロンを測定し、
血中プロゲステロン濃度が10ng/ml未満を黄体機能不全と診断する。
婦人科:骨盤内炎症性疾患の臨床経過の典型例は?
性行為→排尿時痛→帯下異常・下腹部痛・発熱・外子宮口に膿性分泌物
婦人科:Asherman症候群の治療は?
子宮鏡下癒着剥離
→子宮内バルーンor子宮内避妊具で癒着再発予防
→Kaufman療法で子宮内膜再生
婦人科:細胞膜・胎盤の通過性が高い4条件とは?
胎盤も細胞なので細胞膜と同様に考えられる。
胎盤透過性が高い4条件
- 脂溶性:細胞膜は脂質で出来ているため脂溶性物質は細胞膜、つまり胎盤通過性が高い。
- 分子量が小さい
- 蛋白結合率が低い:アルブミンと結合しない方が小さくて透過性が高くなる
- 分子型(イオン化していない):電荷を帯びているイオン型は親水性が高くなるため、イオン化していない分子型は透過性が高い
小児科:小児の成長で「じゃんけん」ができるのは何歳から?覚え方・ゴロ
覚え方:「じゃんけん」は5文字=5歳で出来る
小児科:トリソミーの共通点と18トリソミーの特徴は?覚え方・ゴロ
トリソミーの共通点:単一手掌線・心奇形・耳介低位
18トリソミーの特徴の覚え方:18=エイティーン→そくてぃーーん→足底→ゆり椅子状足底
通常は平な足底が踵骨の形成異常に伴ってゆり椅子状に変形してしまうのが特徴。
その他:指の重なり・小脳低形成
小児科:大動脈縮窄症の単純CoAとCoA複合の共通所見は?
【単純CoAとCoA複合の共通所見】
- 上下肢の血圧差
- RAS亢進
- 左背側収縮期雑音
- rib notching
【単純CoAとCoA複合の違い】
- 単純CoA:心内奇形なし→チアノーゼなし
- CoA複合:心内奇形あり(単純CoA+VSD+PDA)→PDA右左シャント→下半身に限局したチアノーゼ
小児科:大動脈縮窄症CoAの rib notching の機序とは?
CoA→鎖骨下動脈圧上昇→内胸動脈圧上昇→前肋間動脈圧上昇&拡大→肋骨浸食して欠損像
小児科:肥厚性幽門狭窄症の代謝性アルカローシスでHCO3-は増加?減少?
そもそも代謝性=HCO3-の増減を示し、代謝性アルカローシス=HCO3-増加を意味する。
嘔吐でH+減少してアルカローシス=HCO3-が消費されず多い状態、
または嘔吐でHCl減少=低Cl性代謝性アルカローシス=HCO3-増加と考えられる。
【春メック模試で学んだこと】問題解説まとめ【救急・中毒・麻酔】
救急:1次トリアージと2次トリアージの違いは?
1次トリアージでは主に救急隊や看護師が災害現場で多数の傷病者をSTART法を用いて迅速に判断するが、
2次トリアージでは主に医師が病院に運ばれた赤タグ黄色タグの傷病者をPAT法を用いて詳細に生理学的(P)&解剖学的(A)に基づいて判断する方法である。
PAT法の「PAT」とは、Physiological and Anatomical Triage の略です。
直訳すると「生理的および解剖学的トリアージ」となります。
救急:用手気道確保の適応は?
用手気道確保の適応:舌根沈下
気道閉塞の全てで用手気道確保が適応になるわけではなく、舌根沈下のみ適応となる。
したがって、キックボクシングなど頸部を蹴られ喉頭損傷を疑う場合は用手気道確保は無効で、
まず気管挿管による気道確保を行う。
救急:Sims位(シムス位)とは?
Sims位(シムス位)とは左側臥位で右手と左足を床につける体位です。
直聴診、妊婦にとって楽、嘔吐物による誤嚥や舌根沈下による窒息を防ぐなどのメリットがあります。
麻酔科:小児・成人・高齢者のMACの違い・変化は?
最小肺胞内濃度: minimum alveolar concentration (MAC)とは?
MACは50%のヒトが痛み刺激で反応しなくなる(不動化)のに必要な肺胞内の麻酔薬の濃度のこと。
MACが小さい場合、肺胞内の濃度が薄くても不動化を起こすということで、麻酔効果が強いと判断できる。
小児・成人・高齢者でMACは異なる。
小児ではMACが大きいため、成人より高濃度の吸入麻酔薬を必要とする。
逆に高齢者ではMACが小さい。
まとめると、「MACは小児>成人>高齢者」となる。
死に近づくほどMACは小さくなる=麻酔にかかりやすい。
中毒:無機鉛中毒のリスクになる職業は?
蓄電池とかバッテリー製造業に追加して「クリスタルガラス加工業」を覚える。
腎障害も追加で覚える
→Fanconi症候群・近位尿細管障害の原因になるのが重金属で「鉛」「カドミウム」「水銀」が有名。
中毒:有機水銀中毒のHunter-Russell症候群の3徴とは?
有機水銀中毒のHunter-Russell症候群=小脳性運動失調・構音障害・求心性視野狭窄を3徴とする(諸説あり)。
有機水銀が小脳に蓄積し小脳性運動失調・構音障害、後頭葉に蓄積し求心性視野狭窄と解釈できる。
他にも、有機水銀中毒では難聴、錐体外路症状、皮膚感覚障害(特に四肢遠位部)が現れる。
中毒:急性リチウム中毒で気を付ける症候は?
炭酸リチウム内服中にNSAIDsなどを服薬することで腎機能が低下し炭酸リチウム濃度が上昇
→急性リチウム中毒で気を付けるべきは痙攣&徐脈性不整脈
→血液透析で治療
急性リチウム中毒の覚え方・ゴロ
ゴロ:リケジョ
リ→リチウム
ケ→痙攣
ジョ→徐脈
【春メック模試で学んだこと】問題解説まとめ【公衆衛生】
公衆衛生:医師国家試験合格後、健康保険法の保険医になるための流れは?
- ①医師国家試験合格後
- ②医籍登録で医師免許交付
- ③保険医登録で保険医になる
医籍登録だけでは保険医にはなれない。
公衆衛生:労災保険の給付対象となる過労死による疾患は?
脳血管疾患・心臓疾患・精神障害の3つは労災保険の給付対象です。
この3つで死んでしまった場合を過労死と呼ぶそうです。
- 脳血管疾患:脳出血・くも膜下出血・脳梗塞・高血圧性脳症
- 心臓疾患:心筋梗塞・狭心症・心停止・解離性大動脈瘤
- 精神障害:うつ病・急性ストレス反応
公衆衛生:新型感染症・新型インフルエンザ・1類感染症・2類感染症の共通点は?
- 全額公費負担
- 厚生労働大臣が入院する医療機関を指定
- 都道府県知事が入院勧告
【春メック模試の概要と感想】試験範囲・結果・平均点・偏差値・成績公開
春メック模試の試験範囲はマイナー科や公衆衛生を含む全範囲でした。全国平均は75.3%でした。
医師国家試験は下位1割が不合格になる試験であり、偏差値では37前後がボーダーラインになります。
偏差値を体温で考えると、平熱(36度台)は下位1割であり不合格になる可能性が高く、微熱(37度前後)でボーダーです。
しかしながら・・・余談ですが統計上で
- CBTや模試で下位3割(偏差値45以下)の場合は医師国家試験で落ちる(下位1割に入る)可能性がある
- CBTで正答率90%以上で医師国家試験に落ちた人は歴史上いない
と分かっています。
メック模試では偏差値を下記のように表現しています。
安全圏:42.0以上
注意圏:38.0以上
努力圏:38.0未満
ギリギリ合格を目指す場合でも発熱、メンタル安定のために欲を言えば偏差値45以上目指しましょう。
ゴロゴロ医学がお役に立てたら嬉しいです。一緒に頑張りましょう!
「元偏差値30の凡人」が、「覚え方・ゴロ・まとめ」を使って、
効率の良い暗記方法を「ゴロゴロ医学」で紹介できればと思っています。
ぜひ「ゴロゴロ医学」を活用してください!
終わりに
お疲れ様でした。参考になれば幸いです。
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