5年生の時に大学で受験したメック模試(MEC模試)で
知識不足だった部分を備忘録として残しておきます。
問題そのものはアップできないので、
調べて学んだことをまとめていこう!
【5年メック模試で学んだこと】問題解説まとめ【内科外科】
循環器:肥大型心筋症の心エコーの所見は?
心室の肥大により「心室内腔が狭小化」するが、
特に心室中隔が心室後壁と比較して肥大していることを「心室中隔非対称性壁肥厚」と呼ぶ。
心室中隔肥大によって「左室流出路狭窄」が起こり、収縮期に高速な血流が流れる。
その高速な血流に僧帽弁前尖が引き込まれることを「僧帽弁前尖収縮期前方運動」と呼ぶ。
収縮期に僧帽弁が前方運動すると、僧帽弁が閉鎖しないため、「僧帽弁閉鎖不全症」が生じる。
また、左室流出路の狭小化が進むと心拍出量が低下するため、大動脈弁が収縮期にも関わらず半閉鎖してしまう。
これを「大動脈弁の収縮中期半閉鎖」と呼ぶ。
心拍出量が低下し、大動脈弁の収縮中期半閉鎖することで大動脈弁の閉鎖が遅れるため「Ⅱ音の奇異性分裂」をきたす。
収縮中期半閉鎖とⅡ音の奇異性分裂が忘れやすいです。
Ⅱ音の奇異性分裂はAS・LBBBの他に
「閉塞性肥大型心筋症」があるのね!
循環器:閉塞性動脈硬化症(ASO)と閉塞性血栓血管炎(TAO)の治療の違い
- ASO:運動療法→抗血小板薬や血管拡張薬→経皮的血管形成術・外科的血行再建術
- ASO:抗凝固療法は行わない
- TAO:抗凝固療法の保険適応あり
循環器:起立性低血圧の検査と診断基準
検査:Schellong試験(シェロング試験)・Head-up tilt試験
仰臥位から立位に体位変換し、3分以内に収縮期血圧が20mmHg以上低下・収縮期血圧の絶対値が90mmHg未満に低下(または拡張期が10mmHg以上低下)した場合起立性低血圧と診断できる。
循環器:ブルガダ症候群の発作が起こるのは?
夜間や安静時などの副交感神経亢進時に特発性心室細動を発症する。
循環器:在宅酸素療法(HOT)の適応は?
- 高度慢性呼吸不全:PaO2≦55Torr
- 肺高血圧症:平均肺動脈圧≧25mmHg
- チアノーゼ型先天性心疾患(右左シャント)
- 慢性心不全:NYHA分類Ⅲ度以上&睡眠時にCheyne-Stokes呼吸&無呼吸指数20以上
- 群発性頭痛:1日平均1回以上の頭痛発作
循環器:拡張期ランブルとは?
拡張期ランブルとは雷のような低調のゴロゴロした音のことです。
僧帽弁狭窄症(MS)で第5肋間鎖骨中線で拡張期ランブルを聴取しますが、
MSによる拡張期ランブルは拡張「中期」「低調性」雑音と言い換えられます。
cf. 拡張早期は心臓粘液腫、拡張中期はMS、拡張後期はARに伴う相対的MS(Austin Flint雑音)の可能性あり。
内分泌代謝:高カリウム血症の治療方針7種類は?
- GI療法(Glucose-Insulin療法):ブドウ糖+インスリンでKを細胞内へ移行
- 炭酸水素ナトリウム:アシドーシスを補正してKを細胞内へ移行
- ループ利尿薬:Kを尿中へ移行
- グルコン酸カルシウム:心筋でKとCaが拮抗して心筋保護作用あり(致死性不正脈の予防)
- β2刺激薬:レニン分泌促進してK尿中へ移行・細胞内へK移行
- 陽イオン交換樹脂:腸管でのKを吸着しそのまま便として排泄されるため腸管のK吸収を抑制
- 血液透析:優位な心電図変化が見られる患者では早期に考慮
内分泌代謝:インスリンの適応
インスリン非依存状態であってもインスリン療法の相対的適応がある。
- 妊娠糖尿病
- 1型糖尿病
- 経口薬療法のみでは良好な血糖コントロールが得られない場合
- 空腹時血糖 250 mg/dL 以上
- 随時血糖 350 mg/dL 以上の著明な高血糖を認める場合
内分泌代謝:痛風
- 痛風発作前兆期→コルヒチン ⇔ 発作中はNSAIDs→ステロイド
免疫膠原病:サルコイドーシスで血清Pはどうなるか?
サルコイドーシスでは血清P正常〜上昇になる。
肉芽腫が活性型ビタミンDを産生すると覚えていたので
血清P値は上昇すると思って迷ってしまいしたが、
PTHrpによって正常もあり得るそうです。
- ビタミンD欠乏症・吸収不良症候群:血清Ca↓・血清P↓
- ビタミンD中毒・転移性骨腫瘍による骨融解::血清Ca↑・血清P↑
- サルコイドーシス:血清Ca↑・血清P正常~↑
- 原発性副甲状腺機能亢進症:血清Ca↑・血清P↓
- 慢性腎不全:血清Ca↓・血清P↑
呼吸器:COPD慢性期の管理
ゴロ:ラバコリ or ラバラマ
- 長時間作用型β2刺激薬(吸入LABA)
- 長時間作用型抗コリン薬 (吸入LAMA)
消化器:腹壁ヘルニアの治療方針は?
腹壁瘢痕ヘルニアでは嵌頓や絞扼の有無に関わらず、還納可能であっても手術を行う。
神経:進行性多巣性白質脳症(PML)の原因・リスク群・画像所見
- 進行性多巣性白質脳症(PML)は「ナタリズマブ(多発性硬化症の再発予防薬)」や「免疫抑制剤使用歴」や「抗JC抗体陽性」といったリスクを背景に、「JCウイルス」が再活性化することで起こる。
- MRIでは「皮質下白質多発性病変」がメインに見られ、ガドリニウムによる「造影効果が乏しい」のが特徴。
- 脳脊髄液検査のPCR検査でJCV-DNAの増加を見る。
cf. 中枢神経脱髄性疾患の比較
- MS:脊髄や視神経病変は「あり」
- NMO:脊髄や視神経病変は「あり」
- PML:脊髄や視神経病変は「なし」
血液:MGUSとマクログロブリン血症と多発性骨髄腫の発生元の違いは?
Bリンパ球の分化過程:Bリンパ球→リンパ形質細胞→形質細胞
- Bリンパ球の腫瘍化=MGUS
- リンパ形質細胞の腫瘍化=マクログロブリン血症
- 形質細胞の腫瘍化=多発性骨髄腫
感染症:キノロンの副作用&注意点は?
- 腎機能障害に加えて、奇形・QT延長・低血糖!・痙攣(NSAIDs併用)・結核の診断が遅れる可能性あり
- つまり、「QT延長をきたす薬剤・経口血糖降下薬・NSAIDs」との併用に注意
- アミノグリコシド系ほどではないが、MGの悪化のリスクあり
恥ずかしながら、低血糖の副作用を知りませんでした・・・
腎:腎生検禁忌なのは?
腎機能障害だけで腎生検が禁忌になるわけではなく、末期腎不全の腎萎縮が高度な場合に禁忌となる。
腎:IgA腎症の治療は?
IgA腎症は蛋白制限などの生活指導に加えて、RA系阻害薬(ACEi)&副腎皮質ステロイドが基本
その他、免疫抑制剤・抗血小板薬・n-3系脂肪酸・ステロイドパルス併用口蓋扁桃摘出術がある。
昔はステロイドパルス&口蓋扁桃摘出術が標準だったらしい・・・
感染症:トキソプラズマとは?
トキソプラズマはネコを終宿主とする「原虫」
【5年メック模試で学んだこと】問題解説まとめ【産婦人科&小児科】
産科:胎児心拍数心電図の基線細変動とは?
胎児心拍数心電図の基線の上下の変動を基線細変動と呼ぶ。
基線細変動の上限と下限の基準値は6~25bpmであり、上下1メモリ5bpmなので、
基線細変動の基準値は目視で1メモリ以上5メモリ未満と考えることができる。
1メモリより震えていればOKね!
産科:McRoberts体位・恥骨結合上縁圧迫法・Bracht法・Veit-Smellie法とは?
【McRoberts体位・恥骨結合上縁圧迫法】
・肩甲難産に適応
妊婦の両足を分娩台のステップからはずして大腿の前面を腹部に強く押し付ける。
これと同時に恥骨上部を助手が圧迫し、恥骨の裏に陥入した肩を開放する方法。
覚え方:肩甲難産→巨大児→Big→Big Mac→McRoberts体位・恥骨結合上縁圧迫法
【Bracht法(ブラハト法)・Veit-Smellie法(ファイトスメリー法)】
・骨盤位に適応
・牽引などの人為的操作を行わない自然分娩介助法
Bracht法(ブラハト法)
児の下半身が自然に娩出されるまで待ち、その後児体を把持挙上し、恥骨弓を支点にしてゆっくり弧を描くように母体腹側に向って回旋させる
Veit-Smellie法(ファイトスメリー法)
恥骨弓を支点にしてゆっくり弧を描くよう引っ張る
覚え方:骨盤→骨Ban(Van)→Bracht法(Veit-Smellie法)
産科:胎児発育不全で超音波ドプラ法による胎児血流計測する血管2か所
胎児発育不全(fetal growth restriction : FGR)では「臍帯動脈」や「中大脳動脈」が用いられている。
臍帯動脈の血管抵抗RI上昇→胎児血流減少&途絶→血流再分配が起こっている→ヤバい
中大脳動脈の血管抵抗RI低下→脳血流増加→血流再分配が起こっている→ヤバい
産科・小児科:妊婦の生理的体重増加と新生児の生理的体重減少は?
妊婦「10」kg増える&新生児生後3~4日で「10」%体重減少
婦人科:乳房の触診は月経後に行う?
乳腺組織は主にプロゲステロンで増殖するため、月経前~月経中は乳房の触診に適さない。
したがって、乳房の触診は月経後に行うのが良い。
婦人科:悪性が否定できない卵巣腫瘍の手術の流れは?
まずは患側付属器切除&術中迅速診断を行う。
- 良性なら終了
- 悪性なら健側付属器切除+単純子宮摘出+大網切除を追加する
婦人科:ヒューナーテストとは?
ヒューナーテストでは性交後10時間以内に頸管粘液を採取して、頸管粘液中の精子を数える。
400倍視野で
15匹以上:妊娠する可能性が高い
4匹以下:妊娠する可能性が低い
0匹:無精子症や抗精子抗体が疑われる
と判断される。
【5年メック模試で学んだこと】問題解説まとめ【中毒】
中毒:シアン化水素中毒は何臭?皮膚の色は?
シアン化水素はアーモンド臭であり、シアン化水素中毒では皮膚が紅潮する。
覚え方:シアン→アン→アーモンド、シアン→アンアン→皮膚紅潮
【5年メック模試の概要と感想】試験範囲・結果・平均点・偏差値・成績公開
5年メック模試の試験範囲はマイナーと公衆衛生以外でした。全国平均は73.5%でした。
医師国家試験は下位1割が不合格になる試験であり、偏差値では37前後がボーダーラインになります。
偏差値を体温で考えると、平熱(36度台)は下位1割であり不合格になる可能性が高く、微熱(37度前後)でボーダーです。
メック模試では偏差値を下記のように表現しています。
安全圏:42.0以上
注意圏:38.0以上
努力圏:38.0未満
ギリギリ合格を目指す場合でも発熱目指しましょう。
ゴロゴロ医学がお役に立てたら嬉しいです。一緒に頑張りましょう!
「元偏差値30の凡人」が、「覚え方・ゴロ・まとめ」を使って、
効率の良い暗記方法を「ゴロゴロ医学」で紹介できればと思っています。
ぜひ「ゴロゴロ医学」を活用してください!
終わりに
お疲れ様でした。参考になれば幸いです。
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