糖尿病の合併症って沢山あって覚えられない。
何か良い覚え方ないの?
こういった悩みを解決します。
本記事では糖尿病の細小血管障害(三大合併症)と大血管障害の覚え方・ゴロを紹介して、
それぞれの機序を解説します。
ゴロでサクッと覚えちゃおう!
【三大合併症】糖尿病の細小血管障害と大血管障害の機序と覚え方・ゴロ
ゴロ:「しめじ」と「えのき」
し→神経
め→眼
じ→腎臓
え→壊死
の→脳血管障害
き→虚血性心疾患
細小血管障害
細小血管障害(三大合併症)は「しめじ」と呼ばれ、神経・眼・腎臓に障害が出ます。
- 神経→末梢神経障害・自律神経障害
- 眼→糖尿病性網膜症
- 腎臓→糖尿病性腎症
細小血管障害とは高血糖の持続によって細胞障害が起こる糖尿病に特異的な障害です。
大血管障害は糖尿病に特異的ではない。
三大合併症には含まれませんが、
- 眼と関連付けて白内障と緑内障
- 腎臓と関連付けて腎硬化症
を覚えておきましょう。
【脳神経12対の中で、なぜ糖尿病で動眼神経麻痺が優位に見られるのか?】
糖尿病による神経障害に「動眼神経障害(動眼神経麻痺)」があります。
動眼神経麻痺がおこると、外転神経が優位になるため眼球が外転位になります。
では、なぜ外転神経や滑車神経ではなく動眼神経麻痺が見られやすいのでしょうか?
覚え方:解剖学的に虚血の影響を受けやすいから。
外眼筋の中で、
- 上直筋・下直筋・下斜筋・内側直筋の4つは動眼神経支配
- 上斜筋は滑車神経支配
- 外側直筋は外転神経支配
です。
動眼神経は支配領域が広く、分岐をするために太くなっており、
他の脳神経より内部から虚血になりやすいと考えられます。
脳ヘルニア(テント切痕ヘルニア)・脳動脈瘤で
障害が出やすい脳神経も動眼神経だったね。(詳しくは脳神経で!)
理由は解剖学的に動眼神経は
・ヘルニアで挟まれやすい位置を走行している
・最多の動脈瘤である内頚動脈-後交通動脈分岐部の真横を走行している
からだよ。
糖尿病・脳ヘルニア・脳動脈瘤も共に
「動眼神経障害が出やすい」と覚えよう。
【瞳孔回避】糖尿病は外眼筋麻痺から、脳ヘルニア・脳動脈瘤では散瞳が現れやすい理由
108A35関連の知識をまとめておきます。
動眼神経には運動神経と副交感神経が含まれており、
- 運動神経が障害されると「外眼筋麻痺(上直筋・下直筋・下斜筋・内側直筋障害)」
- 副交感神経が障害されると「散瞳・瞳孔不同」
が生じます。
動眼神経の断面図を見てみると、
中心部には運動神経が、表層には副交感神経が走行しています。
糖尿病では血管障害により虚血が起こりますが、
中心部は特に虚血の影響を受けやすい(周りからの側副血行路が発達しにくい)ため、
「運動神経障害による外眼筋麻痺」が「散瞳・瞳孔不同」に先行して生じます。
これを「瞳孔回避」と言います。
「糖尿病では外眼筋麻痺→散瞳・瞳孔不同」ってことね!
逆に、脳ヘルニアや動脈瘤では動眼神経を外部(表層)から圧迫するので、
「散瞳・瞳孔不同」が「運動神経障害による外眼筋麻痺」に先行して生じます。
「脳ヘルニア・動脈瘤では散瞳・瞳孔不同→外眼筋麻痺」ってことね!
大血管障害
大血管障害は「えのき」と呼ばれ、壊死・脳血管障害・虚血性心疾患が生じます。
大血管障害とは、高血糖に加えて高血圧や脂質異常症といった危険因子によって、動脈硬化が進展し生じる障害です。
壊死と閉塞性動脈硬化症を関連付けて覚えましょう。
↓おまけ「なぜ糖尿病患者は感染症にかかりやすいのか?」
なぜ糖尿病で易感染性?機序を解説
糖尿病では
- 好中球機能低下(細菌増殖を抑制できない)
- 血管障害(白血球が遊走して感染巣にたどり着けない)
- 神経障害(感染による痛みといった異変に気付かない)
によって感染症にかかりやすくなります。
糖尿病患者でかかりやすくなる感染症は別記事で解説予定!
終わりに
お疲れさまでした。
参考になれば幸いです。
分からない事・疑問点・質問がありましたら、お問い合わせ or SNS(下記)にどうぞ。
誤字脱字・新しい情報・覚え方の提案も、共有させて頂けると幸いです。
「ゴロゴロ医学」では覚え方・ゴロ・まとめを紹介しています。
覚えることを最小限に抑え、コスパ良い勉強をサポートします。
不定期の更新になりますので、
【 公式Twitter 】 または 【 公式Instagram 】 のフォローをお願いします 。
公式Twitterはこちら↓↓↓
公式Instagramはこちら↓↓↓