巨赤芽球性貧血の原因-症状-特徴-鑑別の
覚え方・ゴロを分かりやすく教えてほしい。
こういった悩みを解決します。
本記事では巨赤芽球性貧血の試験で重要なポイントの覚え方・ゴロをまとめて紹介します。
最後に確認問題・演習問題で確実にマスターしましょう。
本記事は試験的に重要な知識の総まとめになります!
ゴロでサクッと覚えちゃおう!
巨赤芽球性貧血とは?原因-症状-特徴-鑑別の覚え方・ゴロまとめ【CBT国試対策】
まずは、知らないor意識して覚えていなポイントを探しましょう。
下記のポイントまとめを一読してみてください。
【巨赤芽球性貧血の特徴】
①巨赤芽球性貧血とはDNA合成に必要なビタミンB9欠乏(葉酸欠乏)やビタミンB12欠乏によって生じる大球性貧血です。
②ビタミンB9欠乏とビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血は、
貧血の症状に加えて消化器症状(Hunter舌炎)と精神症状が共通点ですが、
末梢神経障害や脊髄障害(亜急性連合性脊髄変性症)はビタミンB12欠乏に特徴的です。
③白髪や舌炎は巨赤芽球性貧血と鉄欠乏性貧血に共通する所見です。
④巨赤芽球性貧血では無効造血と汎血球減少が生じます。
➄過分葉好中球とHowell-Jolly小体は巨赤芽球性貧血と骨髄異形成症候群MDSに共通する所見です。
⑥巨赤芽球性貧血+抗内因子抗体or抗壁細胞抗体+胃粘膜萎縮(自己免疫性萎縮性胃炎)=ビタミンB12欠乏による悪性貧血
⑦メチルマロン酸はビタミンB9欠乏では正常で、ビタミンB12欠乏では上昇します。
⑧巨赤芽球性貧血の治療は葉酸の経口投与またはビタミンB12の筋注です。
これを完璧に覚えます!
一緒に頑張りましょう!!
よろしくお願いします!!!
巨赤芽球性貧血の原因と症状(合併症)の覚え方・ゴロ【CBT国試対策】
まずは、ビタミンB9欠乏とビタミンB12欠乏で巨赤芽球性貧血が起こる+症状(合併症)を覚えましょう。
イラストを見ながら覚えよう!
ゴロ:ビックマック
ビック→B9
ビック→巨大→巨赤芽球性貧血
マック→マク→髄膜瘤(神経管閉鎖不全による二分脊椎や無脳症)
マック→マクドナルドのロゴといえば「M」
ゴロ:住人バラバラ凶悪ハンター
住人→じゅうに(ん)→ビタミンB12
バラバラ→コバラミン
凶→きょ(う)→巨赤芽球性貧血
悪→悪性貧血
悪→あきゅ→亜急性連合性脊髄変性症
ハンター→Hunter舌炎
以上より、
- 巨赤芽球性貧血の原因はビタミンB9(葉酸)欠乏、またはビタミンB12欠乏
と分かります。
症状(合併症)は貧血の非特異的な症状
- 脳→めまい・頭痛・失神発作
- 骨格筋→易疲労感・倦怠感
- 心臓→動悸・頻脈
- 肺→息切れ
- 髪→白髪
に加えて、
共通所見として、
- 消化器症状(Hunter舌炎・食欲不振や悪心嘔吐による体重減少)
- 精神症状(抑うつ・認知症)
ビタミンB12欠乏に特徴的な所見として、
- 末梢神経障害・脊髄障害(亜急性連合性脊髄変性症)
があります。
ビタミンB9欠乏よりビタミンB12欠乏の方が頻出なので、
ビタミンB12のゴロにHunter舌炎を入れてしまいましたが、
Hunter舌炎は共通の症状です。
ビタミンB9欠乏(葉酸欠乏)では
末梢神経障害と脊髄障害が見られないことが重要です。
【ゴロの補足】
※髄膜瘤(神経管閉鎖不全による二分脊椎や無脳症)は妊婦の葉酸欠乏によって胎児に見られる疾患です。
今回は関係ないのでスルーします。
※亜急性連合性脊髄変性症の覚え方・ゴロは別記事で解説予定です。
cf.ビタミンB12欠乏症・コバラミンの覚え方・ゴロ【CBT国試対策】
※悪性貧血については後述します。
※ビタミンB9欠乏か?ビタミンB12欠乏か?の鑑別は最後にまとめます。
なぜ?巨赤芽球性貧血でも鉄欠乏性貧血でも白髪になる理由
意外と忘れがちな貧血の特徴に「白髪」があります。
白髪になりやすい理由として栄養不足による皮膚粘膜障害・メラノサイトの機能低下などが挙げられます。
「年齢不相応な白髪」は巨赤芽球性貧血の特徴ですが、白髪は鉄欠乏性貧血でも起こり得ます。
貧血の特徴である皮膚蒼白と白髪をセットで覚えておくと良いかもしれません。
模試で白髪を呈した鉄欠乏性貧血の問題がありました。
白髪=巨赤芽球性貧血と勘違いしないように注意!
また、舌炎も巨赤芽球性貧血と鉄欠乏性貧血に共通して起こり得ます。
【大球性貧血】巨赤芽球性貧血で、なぜMCVが大きくなる?
赤血球は
- 造血幹細胞→赤芽球→鉄芽球→網赤血球→赤血球
という流れで作られます。
造血幹細胞は赤血球・白血球(好中球・リンパ球)・血小板の生みの親です。
復習ついでに赤血球の生産経路を確認しておこう!
赤血球の生産経路は
- step①脊髄内の造血幹細胞が赤芽球を生産する。
- step②赤芽球の核と細胞質が成長する。
- step③成長した赤芽球に鉄(ヘム)が組み込まれ鉄芽球になる。
- step④脱核(核の消失)し、網赤血球として末梢血液に放出される。
- step⑤網赤血球は1~2日で赤血球に成長する。
の5stepです。
stet②の時に、ビタミンB9またはビタミンB12が欠乏していると、
どうなるでしょうか?
核ではDNA合成(核酸合成)を行わないといけませんが、
ビタミンB9・ビタミンB12がないため、通常より時間がかかります。
細胞質の成長はビタミン欠乏と関係なく進んでいくので、
通常より長い時間が細胞質の形成についやされ、巨大化します。
このように細胞質が巨大化した結果生まれたのが巨赤芽球です。
なぜ巨赤芽球性貧血で無効造血と汎血球減少?理由・覚え方・ゴロ
前章で解説した通り、巨赤芽球性貧血では骨髄で巨赤芽球が増加します。
増加した巨赤芽球はアポトーシスするため、生まれるはずだった網赤血球は末梢へ放出されません(=無効造血)。
「無効造血と溶血の違い」や「無効造血をきたす疾患」は
まとめて覚えちゃおう!
コチラを参照してください↓↓↓
鉄動態(フィロカイネティクス)では無効造血パターンであるPIDT1/2短縮かつ%RCU低下が認められます。
また、DNA合成は赤血球以外の白血球や血小板でも行われているため、
ビタミンB9欠乏やビタミンB12欠乏によるDNA合成障害では赤血球以外にも影響が生じ、
赤血球と白血球と血小板がすべて減少する汎血球減少が生じます。
汎血球減少をきたす疾患の覚え方・ゴロはコチラ↓↓↓
なぜ巨赤芽球性貧血で過分葉好中球とHowell-Jolly小体?機序・覚え方・ゴロ
過分葉好中球とは?
過分葉好中球とは核が6個以上に分葉した好中球のことです。(5個以上に分葉した好中球とも。)
巨赤芽球性貧血ではDNA合成障害に伴い分裂障害が生じると言われています。
細胞分裂時にDNA合成が間に合わず細胞分裂が行われない。
↓
細胞分裂をしないままDNA合成が進みDNA量が通常より多くなる。
↓
通常より多いDNAは過分葉した核として観察される。
Howell-Jolly小体(ハウエルジョリー小体)とは?
Howell-Jolly小体(ハウエルジョリー小体)は赤血球内の核の遺残です。
通常は鉄芽球が脱核して網赤血球→成熟して赤血球となりますが、
赤血球が過剰に生産される場合や脾摘後・脾機能低下時には、
マクロファージによる貪食が追い付かず赤血球内に核が残り、
Howell-Jolly小体(ハウエルジョリー小体)が生じるとされています。
過分葉好中球とHowell-Jolly小体(ハウエルジョリー小体)が特徴的な疾患
過分葉好中球とHowell-Jolly小体(ハウエルジョリー小体)が特徴的な疾患は
- 巨赤芽球性貧血
- 骨髄異形成症候群MDS
の2つです。
覚えたもん勝ちなので、機序は気にせずゴロで覚えちゃいましょう。
コチラを参照してください↓↓↓
【巨赤芽球性貧血】ビタミンB12欠乏の原因
「胃切除後(胃全摘後)・抗内因子抗体・抗壁細胞抗体」の覚え方・ゴロ
ビタミンB12は胃壁細胞が分泌する内因子と結合して吸収されるため、
- 胃切除後(胃全摘後)→内因子が分泌できない
- 抗内因子抗体→内因子が機能しない
- 抗壁細胞抗体→内因子を分泌できない
という理由でビタミンB12が欠乏し、巨赤芽球性貧血の原因になります。
覚え方・ゴロはコチラを参照してください↓↓↓
巨赤芽球性貧血と悪性貧血の違い
ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血の中で、
抗内因子抗体や抗壁細胞抗体といった自己免疫による胃粘膜の萎縮(自己免疫性萎縮性胃炎)が原因になるものを、
悪性貧血と呼びます。
巨赤芽球性貧血の原因が、
自己免疫(抗内因子抗体・抗壁細胞抗体)+胃粘膜萎縮
=自己免疫性萎縮性胃炎だったら、悪性貧血と呼ぶんだね。
【貧血の治療まとめ】
巨赤芽球性貧血の治療の覚え方・ゴロ「ビタミンB12は筋注」
貧血の治療をまとめると、
- 鉄欠乏性貧血→鉄剤を経口投与
- 鉄芽球性貧血→ビタミンB6製剤(ピリドキシン塩酸塩)を経口投与
- 葉酸欠乏による巨赤芽球性貧血→葉酸の経口投与
- ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血→ビタミンB12の筋注
となります。
基本的には経口投与です。
しかし、ビタミンB12欠乏の場合は、ビタミンB12の吸収障害(内因子欠損など)があるため、筋肉注射で投与します。
鉄芽球性貧血の治療「ビタミンB6製剤(ピリドキシン塩酸塩)」の覚え方・ゴロ
ビタミンB6頻出事項として、
- 化学名(別名)はピリドキシン
- ビタミンB6欠乏症は末梢神経障害
- 鉄芽球性貧血や点頭てんかん(West症候群)の治療薬として用いる
は覚えておきましょう。
「ビタミンB6=ピリドキシン」って覚えられない。
「ビタミンB6=ピリドキシン」や欠乏症・治療の覚え方・ゴロは
コチラを参照してください↓↓↓
ちなみに、CBT基礎医学では
①アミノレブリン酸の材料は
→「サクシニルCoA」と「グリシン」
②アミノレブリン酸を合成するときに必要なのは
→「アミノレブリン酸合成酵素」と「vitB6」
という問題が出ていました。
サクシニルCoA+グリシン
↓
↓←アミノレブリン酸合成酵素+vitB6
↓
プロトポルフィリン
↓
↓←鉄
↓
ヘム
巨赤芽球性貧血の治療「ビタミンB12は筋注」の覚え方・ゴロ
覚え方:「筋」は12画
筋→筋注
12画→ビタミンB12
以上より、
- 鉄芽球性貧血の治療はビタミンB6製剤(ピリドキシン塩酸塩)
- ビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血の治療はビタミンB12の筋注
と分かります。
【巨赤芽球性貧血と鑑別方法まとめ】
ビタミンB9欠乏(葉酸欠乏)とビタミンB12欠乏の違い【覚え方・ゴロ】
ビタミンB9欠乏(葉酸欠乏)とビタミンB12欠乏では、
ホモシステインとメチルマロン酸の測定が有用とされています。(血中または尿中で測定。)
共通点はホモシステイン上昇で、
相違点は
- ビタミンB9欠乏ではメチルマロン酸正常
- ビタミンB12欠乏ではメチルマロン酸上昇
となります。
覚え方:B9とB12の数字を比べて、大きいB12の方がメチルマロン酸が上昇!
以上より、ビタミンB9欠乏(葉酸欠乏)とビタミンB12欠乏の違いをまとめると下記のようになります。
※〇=生じる、✖=生じない
巨赤芽球性貧血 | ビタミンB9欠乏 | ビタミンB12 |
---|---|---|
別名 | 葉酸・ビタミンM | コバラミン |
消化器症状 | 〇 | 〇 |
精神症状 | 〇 | 〇 |
末梢神経障害・脊髄障害 | ✖ | 〇 |
悪性貧血 (抗内因子抗体・抗壁細胞抗体) | ✖ | 〇 |
ホモシステイン | 上昇 | 上昇 |
メチルマロン酸 | 正常 | 上昇 |
治療 | 葉酸経口投与 | ビタミンB12筋注 |
最後にもう一度まとめを見て、頭に入っているかを確認しましょう。
①巨赤芽球性貧血とはDNA合成に必要なビタミンB9欠乏(葉酸欠乏)やビタミンB12欠乏によって生じる大球性貧血です。
②ビタミンB9欠乏とビタミンB12欠乏による巨赤芽球性貧血は、
貧血の症状に加えて消化器症状(Hunter舌炎)と精神症状が共通点ですが、
末梢神経障害や脊髄障害(亜急性連合性脊髄変性症)はビタミンB12欠乏に特徴的です。
③白髪や舌炎は巨赤芽球性貧血と鉄欠乏性貧血に共通する所見です。
④巨赤芽球性貧血では無効造血と汎血球減少が生じます。
➄過分葉好中球とHowell-Jolly小体は巨赤芽球性貧血と骨髄異形成症候群MDSに共通する所見です。
⑥巨赤芽球性貧血+抗内因子抗体or抗壁細胞抗体+胃粘膜萎縮(自己免疫性萎縮性胃炎)=ビタミンB12欠乏による悪性貧血
⑦メチルマロン酸はビタミンB9欠乏では正常で、ビタミンB12欠乏では上昇します。
⑧巨赤芽球性貧血の治療は葉酸の経口投与またはビタミンB12の筋注です。
【確認演習問題】巨赤芽球性貧血のポイントまとめ
画像の「空欄」に当てはまるワードを考えましょう!
解答はコチラ
終わりに
お疲れさまでした。
参考になれば幸いです。
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