血管内溶血と血管外溶血の機序と共通点や違いについて教えてほしい。
こういった悩みを解決します。
本記事はまとめ記事になります。
血管内溶血と血管外溶血の機序と共通点と違い【鑑別の特徴-覚え方-ゴロまとめ】
特徴 | 血管内溶血 | 血管外溶血 |
---|---|---|
溶血場所・機序 | 血管内 | 脾臓 |
貧血 黄疸 ビリルビン胆石 | 〇 | 〇 |
骨髄赤芽球過形成 網赤血球増加※ | 〇 | 〇 |
【電解質】 K上昇・P上昇・Mg上昇 | 〇 | 〇 |
【逸脱酵素】 LDH上昇・AST上昇 | 〇 (LDH正常上限1.5倍以上) | 〇 (LDH正常上限1.5倍未満) |
ハプトグロビン低下 間接ビリルビン上昇 | 〇 | 〇 |
【鉄動態】 PIDT1/2短縮 %RCU低下 | 〇 | 〇 |
尿中ウロビリン上昇 糞便中ステルコビリン上昇 | 〇 | 〇 |
ヘモグロビン尿 ヘモジデリン尿 | 〇 | ✖ |
脾腫 | 軽度 | 高度 |
鑑別疾患 | 発作性夜間ヘモグロビン尿症PNH 発作性寒冷ヘモグロビン尿症PCH G6PD欠損症 赤血球破砕症候群 ABO不適合輸血 | 遺伝性球状赤血球症HS 温式AIHA(自己免疫性溶血性貧血) サラセミア PK欠損症 鎌状赤血球症 |
※:骨髄赤芽球正常~過形成+網赤血球低下の場合は無効造血です。サラセミアは血管外溶血と無効造血に該当します。
※血管内溶血は全身で起こり細胞内から漏れ出したLDHは正常上限の1.5倍以上に上昇する場合が多いです。
違いってあんまりないんだね(焦)
故に、ヘモグロビン尿とヘモジデリン尿はとても重要な所見です。
骨髄赤芽球過形成・網赤血球増加は溶血を示唆する所見
網赤血球増加に加えて、骨髄赤芽球過形成も同様に溶血を示唆します。
無効造血でも赤芽球過形成が生じます。
無効造血と溶血の共通点・相違点については
コチラを参照してください↓↓↓↓
溶血で上昇する電解質【Mg・P・K】
溶血では細胞内成分が漏出するため、
- マグネシウムMg
- リンP
- カリウムK
といった細胞内に多い電解質は上昇しやすいです。(特にカリウムが上昇しやすい。)
覚え方:慢性腎不全で上昇する電解質と同じ
血液検査所見はCBTでは基準値がありますが、
確認するのに時間がかかります。
医師国家試験では基準値はありません。
血液検査の基準値は必ず覚えましょう。
【鉄動態】溶血でPIDT1/2短縮・%RCU低下
PIDT1/2短縮・%RCU低下は溶血(血管内溶血・血管外溶血)または無効造血を示唆する所見です。
溶血性貧血の尿中ウロビリン・糞便中ステルコビリン
尿中ウロビリン上昇・便中ステルコビリン上昇は溶血(血管内溶血・血管外溶血)または無効造血を示唆する所見です。
尿中ウロビリン低下・糞便中ステルコビリン低下は閉塞性黄疸を示唆する所見です。
血管内溶血に特異的なヘモグロビン尿・ヘモジデリン尿
ヘモグロビン尿・ヘモジデリン尿は血管内溶血を示唆する所見です。
脾腫は血管外溶血でみられやすい
血管外溶血では脾臓での赤血球の処理が亢進するため、脾腫となります。
血管内溶血では血管内で破壊された赤血球の残骸を脾臓が処理するため、
血管内溶血よりは軽度ですが、脾腫が見られます。
血管内溶血・血管外溶血・無効造血の鑑別疾患の覚え方・ゴロ
血管内溶血・血管外溶血・無効造血の3種類は区別して覚えましょう!
終わりに
お疲れさまでした。
参考になれば幸いです。
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