血液検査の基準値が覚えられない。
血糖値や脂質(トリグリセリド(中性脂肪)やコレステロール)の
基準値の覚え方を教えてほしい。
こういった悩みを解決します。
本記事では健常者の血液検査の基準値である
- 血糖値(空腹時血糖):70~110mg/dL
- TGトリグリセリド(中性脂肪):50~150mg/dL
- HDLコレステロール:40mg/dL以上
- LDLコレステロール:65~140mg/dL
- 総コレステロール:120~220mg/dL
の覚え方・ゴロと、血糖値や脂質にかかわってくる疾患をまとめます。
ゴロでサクッと覚えちゃおう!
基準値を覚えると疾患の診断基準が覚えやすいし、
血液検査所見を読むのが早くなるし、自信がつくよ!
【血液検査の基準値】血糖値(空腹時血糖)の覚え方・ゴロ
ゴロ:セブンイレブン
セブン→70
イレブン→110
血糖値→ご飯→コンビニ→セブンイレブンって連想して
ゴロを思いだせる!
以上より、
- 健常者の血糖値(空腹時血糖)の基準値は70~110mg/dL
と分かります。
血糖値が70mg/dL以下の場合を低血糖と定義し、
- 70mg/dL以下になると交感神経症状である発汗・振戦・動悸・蒼白、
- 50mg/dL程度になると中枢神経症状である頭痛・めまい・眠気・あくび・疲労感
- さらに血糖値が低下すると中枢神経症状が悪化し、異常行動・けいれん・意識障害・昏睡が見られる
と言われています。
問題文に「発汗」+「振戦」とあったら低血糖を疑い、
まず血糖測定を行う!
急激に中枢神経症状が出現するレベルまで低血糖が悪化する病態(インスリノーマなど)では、
Whippleの3徴を呈します。
Whippleの3徴
- ①空腹時の低血糖発作(交感神経症状や中枢神経症状が出現する)
- ②症状出現時の血糖値≦50mg/dL
- ③ブドウ糖接種で症状が回復
Whippleの3徴に含まれるものはどれか?
インスリノーマの症状はどれか?
などなど、頻出なので覚えておこう!
また、血糖値が110mg/dL以上の場合は糖代謝異常の境界型と呼ばれ、
境界型→糖尿病型→糖尿病へと進行する可能性があります。
診断基準と関連させて覚えましょう。
【血液検査の基準値】TGトリグリセリド(中性脂肪)の覚え方・ゴロ
最近、太ってきちゃった。
脂肪が増えちゃったの?(無神経)
お腹回りの脂肪は困る(-_-;)一番困る(-_-;)
ゴロ:脂肪は困る。一番困る。
脂肪は→中性脂肪:TGトリグリセリド
困る→こ(=ご=5)まる(=〇=0)→50
一番→1
困る→50
以上より、
- 健常者のTGトリグリセリド(中性脂肪)の基準値は50~150mg/dL
と分かります。
【血液検査の基準値】HDLコレステロール・LDLコレステロールの覚え方・ゴロ
標高の高い島で一生暮らすのってQOL低そう。
水道とか電気とかなさそうだよね。
ゴロ:(標高の)高い島で(QOLの)低い一生(を過ごすイメージ)
高い→高比重リポ蛋白コレステロール→HDLコレステロール
島で→し(=4)ま(=まる=〇=0)→40
低い→低比重リポ蛋白コレステロール→LDLコレステロール
一生→いっ(=1)しょう(=40)→140
以上より、
- 健常者のHDLコレステロールの基準値は40mg/dL以上
- 健常者のLDLコレステロールの基準値は65~140mg/dL
と分かります。
HDLコレストロールは別名「善玉コレステロール」なので、40mg/dLより多い方が良く、
LDLコレステロールは別名「悪玉コレステロール」なので、140mg/dLより少ない方が良いと考えられます。
※メタボリックシンドロームや脂質異常症(高脂血症)の診断基準的に
LDLコレステロールの下限65は覚える優先順位は低い。
【つぶやき】
健常者の血液検査の『140』
血中ナトリウム濃度:140mEq/L
正常型75gOGTT2時間値 < 140mg/dL
LDLコレステロール<140mg/dL
あと、過多月経:月経量≧140mLもあわせて覚えられると最高!
【HDLとLDL+CM・VLDL・IDLの概要】
- HDL:High Density Lipoprotein(高比重リポ蛋白)
- LDL:Low Density Lipoprotein(低比重リポ蛋白)
何が「高」・「低」を決めているの?
コレステロールやTGトリグリセリド(中性脂肪)は水(血液)に溶けにくい非極性脂質のため、
アポ蛋白と結合し、血中に溶け込めるリポ蛋白に変化します。
- 非極性分子(コレステロール・TG)+アポ蛋白=リポ蛋白
リポ蛋白の代表例には5種類「CM(カイロミクロン)・VLDL・IDL・LDL・HDL」があります。
- CM:chylomicron(カイロミクロン)
- VLDL:very low density lipoprotein(超低密度リポ蛋白)
- IDL:intermediate density lipoprotein(中間密度リポ蛋白)
- LDL:low density lipoprotein(低比重リポ蛋白)
- HDL:high density lipoprotein(高比重リポ蛋白)
【高or低は蛋白の割合で決まる】
HDL高比重リポ蛋白の「高比重」とは、「蛋白の割合が高い」ということで、
LDL低比重リポ蛋白の「低比重」とは、「蛋白の割合が低い」ということです。
比重は蛋白>コレステロール・TGなので、アポ蛋白の割合が増えるほど高比重となります。
- 低比重(蛋白の割合が低い):CM<VLDL<IDL<LDL<HDL:高比重(蛋白の割合が高い)
グラフで選ばせる問題がでます。
上記の順番で割合が増加しているもの=アポ蛋白が解答。
注意点
低比重=蛋白の割合が低い=TGトリグリセリドの割合が高いは成り立つので下記の関係になります。
低比重(蛋白割合が低い・TG割合が高い):CM<VLDL<IDL<LDL<HDL:高比重(蛋白割合が高い・TG割合が低い)
しかし、低比重=コレステロール・リン脂質の割合が高いは間違いです。
実際に、低比重のCMより高比重のHDLの方がコレステロールとリン脂質の割合が高いです。
CM→VLDL→IDL→LDL→HDLという順番が成り立つのは、
比重・蛋白の割合・TGの割合だけなので、注意しましょう。
HDLは蛋白の割合が高い→余ったコレステロールと結合・回収できる→動脈硬化を抑制するため、
HDLを善玉と呼び、HDLに含まれるコレステロールを善玉コレステロールと呼びます。
【CBTで高得点を取りたい方向け!差がつくポイント】
リポ蛋白とアポ蛋白には組み合わせがあります。
まず覚えるべきなのは、外因性経路と内因性経路のリポ蛋白とアポ蛋白の組み合わせです。
- 外因性経路のリポ蛋白であるCMの代表的なアポ蛋白は「ApoB48」
- 内因性経路のリポ蛋白であるVLDL・IDL・LDLの代表的なアポ蛋白は「ApoB100」
ApoB48とApoB100以外のアポ蛋白:A-Ⅰ・A-Ⅱ・A-Ⅳ・C-Ⅰ・C-Ⅱ・C-Ⅲ・Eは
外因性と内因性・外因性と逆輸送系(HDL)・内因性と逆輸送系で共通であるので、
覚える優先順位は低いです。
実際に正答としてみたことあるのはApoB48とApoB100の2つです。
他のアポ蛋白は選択肢としては出てきました。
アポ蛋白にはリポ蛋白の構成以外にも、受容体と結合する役割があります。
例えば、CMのApoB48は肝臓のレムナント受容体と結合し肝臓に取り込まれ代謝され、
LDLのApoB100は末梢細胞や肝臓のLDL受容体と結合し代謝されます。
対比して
- CMのApoB48は肝臓のレムナント受容体
- LDLのApoB100は末梢細胞のLDL受容体
と覚えておくと良いです。
臨床的には、
ApoB48欠損→LDL受容体と結合できず細胞内に取り込まれない→高LDLコレステロール血症という流れになります。
【血液検査の基準値】総コレステロールの覚え方・ゴロ
最近、近所の猫がいつまでもにゃーにゃー泣いてるんだよね。
ゴロ:いつまでにゃーにゃー(泣いてるの?)、そうだコレ(猫)捨てよう。
いつまで→い(=1)つ(=two=2)まで(=まる=〇=0)→120
にゃーにゃー→22→220
そうだ→総
コレ捨てよう→コレステロール
猫は最後まで大切に扱いましょう。
以上より、
- 健常者の総コレステロールの基準値は120~220mg/dL
と分かります。
まとめ記事と『暗記カード・確認問題』を用意しました!
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基準値と疾患:試験でのポイントと覚え方・ゴロまとめ
関連記事をまとめました。
終わりに
お疲れさまでした。
参考になれば幸いです。
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