血漿浸透圧の計算式が覚えられない。
何か良い覚え方教えてほしい。
こういった悩みを解決します。
本記事では血漿浸透圧の求め方3種類と覚え方・ゴロを紹介します。
NaとBUNと血糖値を用いるのが王道だけど、
試験的にはKカリウムも覚えておこう!
【血漿浸透圧の求め方】計算式と基準値の覚え方・ゴロ【CBT国試対策】
血漿浸透圧Posm(mOsm/L)=Na(mEq/L)×2+BUN(mg/dL)÷2.8+BS(mg/dL)÷18
※Posm=plasma osmolality
※BS=blood sugar:血糖値
※基準値=280~290mOsm/L
ゴロ:何?文Ⅱはブスがいっぱい!?
何→なに→Na×2
文→ぶん→BUN
Ⅱは→にわ→2.8
ブスが→BS
いっぱい→18
東大文Ⅱの人、すみません。
以上より、
- 血漿浸透圧=Na×2+BUN/2.8+BS/18
と分かります。
Na×2について
上記の公式より、血漿浸透圧は概ね血清ナトリウム濃度によって決まっていると言えます。
したがって、血漿浸透圧の基準値は血清ナトリウム濃度(基準値140±5mEq/L)を公式に従い2倍したものです。
血清ナトリウム濃度の覚え方:ナトリウム医師
ナトリウム→血清ナトリウム濃度
医師→14→140
血漿浸透圧はほぼナトリウムで決まっているわけだから、
医師にとってナトリウムは一番大切な指標。
というイメージ。
血漿浸透圧の基準値の覚え方:Na濃度の基準値×2
Na濃度の基準値×2 → 140×2=280
以上より、
- 血清ナトリウム濃度の基準値は140±5
- 血漿浸透圧の基準値は280
と分かります。
ナトリウム濃度と血漿浸透圧をSIADHと結びつける
±5まで覚えて、血清ナトリウム濃度の基準値を135~145mEq/Lと考えると、
SIADHの診断基準である「血清ナトリウム濃度は135mEq/Lを下回る」と関連付けられます。
また、SIADHの診断基準には「血漿浸透圧は280mOsm/kgを下回る」もあるので、
血漿浸透圧の基準値280と関連付けられると、まとめて頭に残りやすいです。
BUN/2.8+BS/18について
「2.8」or「28」?「1.8」or「18」?
初学者あるあるで、「分母の小数点の位置が分からなくなる」という相談を受けることがあります。
解決策は「BUN・BSの基準値から考える」をおすすめします。
BUN尿素窒素の基準値の覚え方・ゴロ:ブンブンハニワ
ぶんぶん→BUN
はにわ→8~20
BS:血糖値の基準値の覚え方・ゴロ:セブンイレブン
セブン→7→70
イレブン→11→110
詳しくはコチラ↓を確認してください!
以上より
- BUN尿素窒素の基準値は8~20mg/dL
- BS血糖値の基準値は70~110mg/dL
と分かります。
ここで、血漿浸透圧=Na×2+BUN/2.8+BS/18と照らし合わせてみましょう。
「BUN÷2.8」なのか「BUN÷28」なのか?
例えば、BUNを28で割った場合、例)20÷28=0.71とかなり小さくなり、
わざわざ血漿浸透圧にBUNを考慮する理由がわからなくなるので、
「BUN÷28」が最適と考えられます。
「BS÷1.8」なのか「BS÷18」なのか?
また、血糖値を1.8で割った場合、例)90÷1.8=112.5とかなり大きくなり、
Naの2倍(280)に加えると血漿浸透圧が400近くまで上がってしまうため不適と分かります。
したがって、「BS÷18」が最適と考えられます。
【ナトリウムとカリウム】血漿浸透圧の近似式【CBT国試対策】
実は血漿浸透圧=Na×2+BUN/2.8+BS/18は近似式であり、元の式は
- 血漿浸透圧=(Na+K)×2+BUN/2.8+BS/18
というように、血清ナトリウム濃度と血清カリウム濃度を足して2倍にした数字を用います。
試験では「血漿浸透圧を決める因子はどれか」
→選択肢にNa・BUN・BSがない
→カリウムを選ぶという問題がありました。
近似式の関係をまとめると、
- 血漿浸透圧=(Na+K)×2+BUN/2.8+BS/18
↓近似 - 血漿浸透圧=Na×2+BUN/2.8+BS/18
↓近似 - 血漿浸透圧=Na×2
という関係になります。
普段考えるときはNa×2が簡単で扱いやすいけど、
糖尿病性昏睡(糖尿病性ケトアシドーシスや高浸透圧高血糖症候群)
など、血漿浸透圧関連の問題では
Na・K・BUN・BSを押さえておくと完璧。
確認問題:医師国家試験【114B3】に挑戦
尿素窒素28mg/dL、血糖90mg/dL、Na 125mEq/L。
計算による血漿浸透圧(mOsm/kgH2O)の推定値はどれか。
a 245
b 255
c 265
d 275
e 285
答えは c
血漿浸透圧=125×2+28÷2.8+90÷18=265
終わりに
お疲れさまでした。
参考になれば幸いです。
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