低カリウム血症だったら、アルカローシスになるんだよね?
下痢とRTAはなんでアシドーシスなの?
こういった悩みを解決します。
本記事では病態生理から低カリウム血症と嘔吐・下痢・尿細管性アシドーシスRTAの関係を説明します。
「低カリウム血症ではアルカローシスが起こるが、
低カリウム血症が起こる下痢とRTAでは例外的にアシドーシスになる」
これを完全に解説します。
理解できたら、格段に覚えることが減るよ!
低カリウム血症からアルカローシスになる理由はこちらで説明しています。
↑こちらをチェックしてから進みましょう。
なぜ嘔吐でアルカローシス、下痢でアシドーシスになるのか?
カリウム | 酸塩基平衡 | |
---|---|---|
嘔吐 | 低カリウム血症 | アルカローシス |
下痢 | 低カリウム血症 | アシドーシス |
胃酸には水素イオンH+(酸)、腸液には胃酸を中和するためにHCO3-(塩基)が多く含まれています。
したがって、
- 嘔吐では胃酸が体外に出ていくため、水素イオン減少によるアルカローシス
- 下痢では腸液が体外に出ていくため、HCO3-減少によるアシドーシス
が起こります。
ではカリウムはどうでしょうか?
嘔吐・下痢では胃酸や腸液に含まれるカリウムが体外に出てしまいます。
したがって、低カリウム血症になります。
いやいや、待ってよ。
下痢では低カリウム血症なのにアシドーシスなの?
確かに、こちらの記事では「低カリウム血症でアルカローシスになる」に記述しましたが、
血中のカリウムと水素イオンの代償だけでは、塩基の本体であるHCO3-の消失に、かないません。
したがって、低カリウム血症の代償によるアルカローシス<HCO3-消失によるアシドーシスとなり、
下痢では低カリウム血症ですがアシドーシスになります。
なぜ尿細管性アシドーシスRTAでは低カリウム血症なのか?
尿細管性アシドーシスRTAでは順番が大切です。
尿細管性アシドーシスでは尿細管に水素イオンH+が溜まり電気的に陽性+に傾きます。
それだと、電気的中性を保てないので、代わりにカリウムK+を排出することで電気的中性を保とうとします。
したがって、アシドーシスと低カリウム血症が同時に存在する状態ができるのです。
- 間違い× 低カリウム血症 → アシドーシス
- 正しい○ アシドーシス → 低カリウム血症
普通の細胞・血管では尿細管と違って、
酸を排出する機構がないから、
尿細管性アシドーシスでのみ見られる特徴的な所見だね!
まとめ
「低カリウム血症ではアルカローシスが起こるが、
低カリウム血症が起こる下痢とRTAでは例外的にアシドーシスになる」
これを病態生理と共に解説しました。
参考になれば幸いです。
終わりに
お疲れ様でした。
参考になれば幸いです。
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