補体が低下する疾患って、いろんな科目に出てくるから
分からなくなっちゃった( ノД`)シクシク…
何かいい覚え方ないの~???
こういった悩みを解決します。
本記事では「補体低下の理由と原因疾患の覚え方・ゴロ」を分かりやすく解説します。
補体が低下する疾患は限られているから、
鑑別疾患が絞られることが多いんだよね!
つまり、臨床的意義が大きい(^^♪
この記事で覚えちゃおう!
- (先天性)補体欠損症
- 高度肝機能障害(肝硬変、慢性肝炎、劇症肝炎)
- 蛋白漏出性胃腸症
- 膜性増殖性糸球体腎炎MPGN
- ループス腎炎(SLE)
- 溶連菌感染後急性糸球体腎炎PSAGN
- クリオグロブリン血症
- 寒冷凝集素価が高値になる疾患
- C型肝炎(高度肝機能障害に分類しても良い)
- 播種性血管内凝固症候群DIC
- コレステロール塞栓症
- Quincke浮腫(遺伝性血管性浮腫)
- 悪性関節リウマチMRA
- Felty症候群
多い(>_<)
でも、安心して!覚えられるから!
略字が気になると
調べるのに時間かかるよね~
一覧にしてみたよ(^^♪
- 膜性増殖性糸球体腎炎MPGN:membranoproliferative glomerulonephritis
- SLE:systemic lupus erythematosus
- 溶連菌感染後急性糸球体腎炎 PSAGN = post streptococcal acute glomerulonephritis
- 膜性腎症MN:membranous nephropathy
- 播種性血管内凝固症候群DIC:disseminated intravascular coagulation
- 悪性関節リウマチMRA:malignant rheumatoid arthritis
【一覧】補体が低下する鑑別疾患の覚え方・ゴロ【CBT国試対策】
ゴロ:ホタテが増殖、プールで養殖、彼氏の箸でコレ食いてぇ~
ホタテが → ほたいていか → 補体低下
増殖 → 膜性増殖性糸球体腎炎MPGN
プールで → ループ → ループス腎炎 = SLE
ようしょ→溶連菌感染後急性糸球体腎炎PSAGN(急性糸球体腎炎AGN)
く → クリオグロブリン血症
彼 → かれ → かんれ → 寒冷凝集素価が高値になる疾患
氏の → C型肝炎
箸で → はしゅ → 播種性血管内凝固症候群DIC
コレ → コレステロール塞栓症
食いてぇ~ → クインケ浮腫 → Quincke浮腫(遺伝性血管性浮腫 )
※これ以外はこの後説明します!
以上より、補体価が低下する疾患は
- 膜性増殖性糸球体腎炎MPGN
- ループス腎炎(SLE)
- 溶連菌感染後急性糸球体腎炎PSAGN(急性糸球体腎炎AGN)
- クリオグロブリン血症
- 寒冷凝集素価が高値になる疾患
- C型肝炎
- 播種性血管内凝固症候群DIC
- コレステロール塞栓症
- クインケ浮腫(Quincke浮腫・遺伝性血管性浮腫)
と分かります。(これ以外の疾患は下記に覚え方を記載。)
特に、血清補体価が低下する腎疾患として有名なのが下記の3つです。
補体が低下する腎疾患【医師国家試験頻出】
- 膜性増殖性糸球体腎炎MPGN
- ループス腎炎
- 溶連菌感染後急性糸球体腎炎PSAGN(急性糸球体腎炎AGN)
腎臓を勉強中の方は、
今のうちに補体が低下する疾患をまとめて覚えちゃおう!
画像を見てください!
目で見てイメージでゴロを覚えましょう!
なぜ、血清補体価が低下するのか?
補体は主に肝臓で作られる免疫系蛋白です。
普通の炎症時には上昇しますが、炎症が強すぎると消耗性に低下してしまいます。
補体価が低下する原因は3つに分けると覚えやすいです。
- 補体の生産が低下
- 補体が体外に漏出
- 補体の消費が増加
このグループ分けで原因疾患を見ていきましょう。
補体が低下する原因疾患のまとめ
「考えたら補体が低下するのが分かる疾患」はわざわざ覚える必要はないです!
考え方を紹介します。
補体の産生が低下
そもそも作れない!
- (先天性)補体欠損症
- 高度肝機能障害
補体欠損症は名前からみて、補体が低下しそうですね。
肝臓の仕事として、タンパク質(アルブミンや補体)の合成があります。
高度肝機能障害では補体が作れないので、補体が低下します。
例)肝硬変、慢性肝炎(C肝が最多)、劇症肝炎(B肝が最多)
ちなみに、
「慢性化しやすい肝炎ウイルスNo,1=C型肝炎ウイルス」は
試験に頻出だから覚えよう!
【覚え方】
慢性は英語で「Chronic」=C型肝炎が慢性化しやすい!
詳しくは別記事で解説するよ!
補体が体外に漏出
作れるけど漏れちゃった!
- 蛋白漏出性胃腸症
蛋白漏出性胃腸症は名前からみて、低蛋白血症になりそうですね。
補体は蛋白なので、蛋白低下にて材料がなくなり、補体は低下します。
補体の消費が増加
問題はココです!
補体の生産<補体の消費 になる疾患は考えても分からないので、ゴロで覚えましょう!
- 膜性増殖性糸球体腎炎MPGN
- ループス腎炎= SLE
- 溶連菌感染後急性糸球体腎炎PSAGN(急性糸球体腎炎AGN)
- クリオグロブリン血症
- 寒冷凝集素価が高値になる疾患
- C型肝炎(高度肝機能障害に分類しても良い)
- 播種性血管内凝固症候群DIC
- コレステロール塞栓症
- Quincke浮腫(遺伝性血管性浮腫)
- 悪性関節リウマチMRA
- Felty症候群 ※説明を見てね(^^♪
Quincke浮腫(遺伝性血管浮腫)は覚えにくいから、
この分類に入れたよ。
特に気にしなくていいよ~(^^♪
コレステロール塞栓症って国試にでるの?
出題されます。
medu4では放射線科で扱います。
補体の低下がキーワードになっているくらい大切です!
この機会にまとめて覚えちゃいましょう!
【ちょっぴり説明 その① 】
寒冷凝集素とは、赤血球に対する自己抗体で、
低温(寒冷)刺激で赤血球・補体とともに凝集(=補体が低下)します。
(寒冷凝集素の記事は血液で解説↓↓↓)
【ちょっぴり説明 その② 】
C型肝炎は高度肝機能障害に分類してもいいですが、
C型肝炎が
- 膜性増殖性糸球体腎炎
- ループス腎炎(SLE)
- クリオグロブリン血症
と相互に合併しやすいことを考え、
補体の消費の増加に分類すると考えても良いと思います。
(「相互に合併しやすい疾患」のまとめの記事はこのページの下にまとめました。)
【ちょっぴり説明 その③ 】
最後の悪性関節リウマチ・Felty症候群はゴロに入ってません。
というのも、関節リウマチとの違いを押さえていれば分かるからです。
※悪性関節リウマチもFelty症候群も共に、関節リウマチが長期化した時に起こる疾患。
疾患 | 血清補体価(血中補体価) | 関節液・胸水中補体価 |
---|---|---|
関節リウマチRA | 上昇(普通の炎症) | 低下(炎症強すぎて) |
悪性関節リウマチMRA | 低下(全身で炎症強い!) | 低下(炎症強すぎて) |
Felty症候群 | 低下(全身で炎症強い!) | 低下(炎症強すぎて) |
詳しくは別記事で解説予定(免疫)。
重要だから覚えておこう!
【ちょっぴり説明 その④ 】
補体が低下する疾患として、「補体欠損症」(考えたら分かるって記載した疾患)がありましたね。
実は、補体欠損症の中に、Quincke浮腫(遺伝性血管性浮腫)があります。
試験的には、Quincke浮腫(遺伝性血管性浮腫)が大切なので、まずコレを覚えましょう。
補体が低下する疾患まとめ【CBT国試対策】
ゴロで覚える
- 膜性増殖性糸球体腎炎MPGN
- ループス腎炎(SLE)
- 溶連菌感染後急性糸球体腎炎PSAGN(急性糸球体腎炎AGN)
- クリオグロブリン血症
- 寒冷凝集素価が高値になる疾患
- C型肝炎
- 播種性血管内凝固症候群DIC
- コレステロール塞栓症
- クインケ浮腫(Quincke浮腫・遺伝性血管性浮腫)
関節リウマチと対比して覚える
- 悪性関節リウマチMRA
- Felty症候群
考えたらわかる
- 補体欠損症
- 高度肝機能障害(慢性肝炎・劇症肝炎・肝硬変)
- 蛋白漏出性胃腸症
追記:115D38のIgG4関連疾患の問題では補体が低下しています。
IgG4関連疾患では血清IgG4高値が特徴ですが、補体低下やIgE上昇を認めることがあるそうです。
原因や機序は不明です。
そこまで覚えたい人はゴロの「彼氏」の「氏」から「C」型肝炎とIgG「4」を連想すればよいかと思います。
確認問題
医師国家試験【101F-44】
血清補体価が低下するのはどれか。
a IgA 腎症
b 膜性腎症
c 紫斑病性腎炎
d 巣状糸球体硬化症
e 膜性増殖性糸球体腎炎
ゴロ:ホタテが増殖、プールで養殖、彼氏の箸でコレ食いてぇ~
答えは e !!!
医師国家試験【107G-24】
血清補体価が低下しないのはどれか。
a 悪性関節リウマチ
b 急性糸球体腎炎
c クリオグロブリン血症
d 全身性エリテマトーデス
e リウマチ性多発筋痛症
ゴロ:ホタテが増殖、プールで養殖、彼氏の箸でコレ食いてぇ~
aは関節リウマチとの比較で覚える!
b、c、dはゴロで覚える!
答えは e !!!
最後に
お疲れ様でした。
「画像があると覚えやすい」というお声を頂いたので、
画像を作ってみました。
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