高カルシウム血症でQT短縮なのかQT延長なのか覚えられない。
こういった悩みを解決します。
試験に活かせるように機序・理由を整理して覚えていきましょう。
【心電図波形】なぜ高カルシウム血症でQT短縮?機序・理由の覚え方
結論:細胞内外のCa濃度勾配の差が大きくなり、カルシウムが細胞内へ移行する時間が短くなるから。
心筋の収縮のメカニズム
- ナトリウムが細胞内に流入し、心筋が脱分極する時期を第0相(脱分極相)
- 一次的にカリウムが細胞外に排出され、頂点からすばやく再分極する時期を第1相(スパイク)
- カルシウムが細胞内に流入し、脱分極が緩やかに経過する時期を第2相(プラトー相)
- カリウムが細胞外に排出され、すばやく再分極に向かう時期を第3相(再分極相)
- 再分極が終了し、次の脱分極までの時期を第4相(静止電位)
QT間隔とは?
心室の収縮(脱分極)から弛緩(再分極)するまでの時間のこと。
高カルシウム血症では、
細胞外Ca濃度(血中Ca)>>>細胞内Ca濃度という濃度勾配の差が通常よりも大きいです。
すなわち、チャネルが開くと、短時間で多くのカルシウムイオンが細胞内に流入できます。
細胞内に流入できるカルシウムイオンには限度があるので、
通常より早く第2相(プラトー相)が終わります。
QT間隔の大部分は第2相(プラトー相)が占めているため、
第2相(プラトー相)が早く終わると、QTが短縮します。
【心電図波形】なぜ低カルシウム血症でQT延長?機序・理由の覚え方
逆に、低カルシウム血症では、
細胞外Ca濃度(血中Ca)>細胞内Ca濃度という濃度勾配の差が通常よりも小さく、
チャネルが開いてもカルシウムイオンが細胞内に流入するのに時間がかかります。
したがって、通常より第2相(プラトー相)が終わるのに時間がかかり、QTが延長します。
終わりに
お疲れ様でした。
参考になれば幸いです。
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