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高血圧の基準値・降圧目標・治療薬・禁忌の覚え方・ゴロ【CBT国試対策】

高血圧の基準値・降圧目標・治療薬・禁忌の覚え方・ゴロ【CBT国試対策】
悩む人

高血圧症の基準値って覚えにくい。
降圧目標や治療薬・禁忌について教えてほしい。

こういった悩みを解決します。

本記事では2019年度版高血圧治療ガイドラインやCBT・国家試験をもとに、

高血圧の基準値・降圧目標・治療薬・禁忌の覚え方・ゴロを解説します。

ハレル

2019年度で診断基準や降圧目標が変化したので要チェック!
覚え方よりtipsが多いかも!

目次:クリックで飛べます。

高血圧の基準値の覚え方【正常血圧・正常高値血圧・高値血圧・Ⅰ-Ⅱ-Ⅲ度高血圧】

高血圧の基準値・降圧目標・治療薬・禁忌の覚え方・ゴロ【CBT国試対策】

ガイドラインの基準値は上記の画像のようになります。

悩む人

これだけだと分かりにくい。

ハレル

そうだね。「かつ」or「または」は
イラストで考えると分かりやすいから順を追って見てみよう。

正常血圧・高値血圧・Ⅰ-Ⅱ-Ⅲ度高血圧の基準値の覚え方

覚え方①:イラストで可視化
     +『正常血圧120/80』を覚えて「収縮期血圧+20」・「拡張期血圧+10」と考える。

ハレル

収縮期血圧と拡張期血圧を〇〇/〇〇と表記し、
単位mmHgは省略します。

高血圧の基準値・降圧目標・治療薬・禁忌の覚え方・ゴロ【CBT国試対策】

まず、①血圧120/80までを正常血圧と覚えます。

ハレル

これは覚えている人が多いと思うので覚え方はないです。
120と80足すと200でキリが良いイメージ。

次に、収縮期血圧には20を 、拡張期血圧には10をそれぞれ足していくと、

  • 収縮期血圧:120→140→160→180
  • 拡張期血圧:80→90→100→110

となります。

最後に、③それぞれ、正常血圧から高値血圧→Ⅰ度高血圧→Ⅱ度高血圧→Ⅲ度高血圧と考えましょう。

悩む人

つまり、高血圧は
収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上と分かるね!

正常高値血圧・(孤立性)収縮期高血圧の基準値の覚え方

高血圧の基準値・降圧目標・治療薬・禁忌の覚え方・ゴロ【CBT国試対策】

正常血圧・高値血圧・Ⅰ-Ⅱ-Ⅲ度高血圧を覚えたら、次は正常高値血圧収縮期高血圧を覚えます。

  • 正常高値血圧:収縮期血圧が120~129mmHgかつ拡張期血圧が80mmHg未満
  • 収縮期高血圧:収縮期血圧が140mmHg以上かつ拡張期血圧が90mmHg未満

覚え方のイメージ:収縮期高血圧はイラストで正方形のエリア

ポイント①
前章で解説した収縮期血圧120~129mmHgは高値血圧ではなく正常高値血圧に変更

ポイント②
高血圧(収縮期血圧140mmHg以上または拡張期血圧90mmHg以上)のうち、
拡張期血圧が90mmHg未満を(孤立性)収縮期高血圧と呼ぶ。

ポイント③
正常高値血圧と高値血圧は降圧目標として大切!

ハレル

降圧目標については後述します!

【高血圧】降圧目標の覚え方【75歳以上・両側頸動脈狭窄・蛋白尿陰性】

高血圧の基準値・降圧目標・治療薬・禁忌の覚え方・ゴロ【CBT国試対策】

【降圧目標

  • ①基本は正常高値血圧(130/80mmHg未満)まで降圧
  • 75歳以上(後期高齢者)・特定の基礎疾患では高値血圧(140/90mmHg未満)まで降圧
     ※特定の疾患:両側頸動脈狭窄・脳主幹動脈閉塞・慢性腎臓病CKDの蛋白尿陰性

なぜ、75歳以上・特定の基礎疾患では降圧目標が緩く設定されているのか?

75歳以上(後期高齢者)

75歳以上では血管壁の伸縮性といった心血管系脆弱性が目立ち、

過降圧のリスクや腎血流低下による腎障害のリスクが高いため、

降圧目標が緩く設定されています。

一部の脳血管障害

また、両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞では脳虚血のリスクが高いため、降圧目標が緩く設定されています。

慢性腎臓病CKD

慢性腎臓病CKDでは

  • 蛋白尿陰性→140/90mmHg未満まで降圧
  • 蛋白尿陽性→130/80mmHg未満まで降圧

となっています。

慢性腎臓病では降圧によって腎血流が低下し急激に腎機能が低下してしまう危険があるため、

蛋白尿陰性であれば降圧目標を緩く設定します。

しかし、蛋白尿陽性では蛋白尿による糸球体障害を防ぐために通常通り厳しい降圧目標に設定します。

※障害の程度:蛋白尿による糸球体障害>腎血流低下による腎機能低下のため、

 尿蛋白陽性では厳しく130/80mmHg未満まで降圧する。

高血圧の治療薬(降圧薬)・禁忌の覚え方・ゴロ【CBT国試対策】

高血圧の治療のポイント

  • 主要降圧薬には4種類『RAA系を抑制するACE阻害薬・ARB』『β阻害薬』『Caチャネル拮抗薬』『利尿薬』がある。
  • 主要降圧薬4種にはそれぞれ禁忌がある。
  • 高血圧の第一選択薬はβ阻害薬以外の3種類
  • 単剤から2剤→3剤→4剤と併用するが、ACE阻害薬とARBの併用は非推奨

【降圧薬】高血圧の治療薬と禁忌の覚え方・ゴロ

高血圧の基準値・降圧目標・治療薬・禁忌の覚え方・ゴロ【CBT国試対策】

ゴロ:降圧薬のABCD

A→ACE阻害薬・ARB

B→β阻害薬

C→Caチャネル拮抗薬

D→Diuretic(利尿薬)

以上より、主要降圧薬4種類は

  • ACE阻害薬・ARB
  • β阻害薬
  • Caチャネル拮抗薬
  • 利尿薬

と分かります。

利尿薬は特にサイアザイド系利尿薬を用います。

ハレル

ループ利尿薬とサイアザイド系利尿薬の違いについては
コチラで紹介します↓↓↓

ハレル

禁忌をABCDの順にみていこう!

ACE阻害薬・ARBの禁忌

ACE阻害薬やARBといったRAA系抑制薬は妊婦に禁忌です。

理由は羊水過少・胎児発育不全・胎児死亡・新生児腎不全といった副作用が確認されているからです。

また、ACE阻害薬は血管神経性浮腫(血管浮腫・Quincke浮腫)の副作用があるため、

血管神経性浮腫の患者には禁忌です。

さらに、特定の陰性に荷電した透析膜の使用では、

キニン系が活性化されブラジキニンの生産が増加し、

その状態でACE阻害薬によってブラジキニンの分解が抑制されると、

血管拡張が起こりショック症状を起こすとされています。

したがって、特定の膜を用いるアフェレーシス・血液透析では禁忌となります。

β遮断薬の禁忌

β2作用は気管支拡張作用があるため、

喘息患者にβ遮断薬を投与すると気管支閉塞による喘息の悪化・喘息発作が起こります。

したがって、β遮断薬は喘息に禁忌となります。

また、β1作用には心拍数増加作用があるため、

徐脈患者にβ遮断薬を投与すると高度徐脈によるショックが起こるので、

β遮断薬は徐脈に禁忌となります。

さらに、β遮断薬は未治療(α遮断薬投与無し)の褐色細胞腫には禁忌となります。

Ca拮抗薬の禁忌

Ca拮抗薬はCaチャネルblockによる心刺激生成抑制作用・心伝導系抑制作用があるので、

洞不全症候群(持続性の洞性徐脈(50拍/分未満)、洞停止、洞房ブロック)や、

2度以上の房室ブロックといった、徐脈に禁忌となります。

サイアザイド系利尿薬の禁忌

上記より、サイアザイド系利尿薬の副作用に低ナトリウム血症・低カリウム血症があるので、

体液中のナトリウム・カリウムが減少している病態では禁忌となります。

悩む人

サイアザイド系利尿薬の副作用から
尿酸が原因になる痛風や
耐糖能異常に慎重投与となるのも分かるね!

【降圧薬】高血圧の第一選択薬と治療方針

高血圧の基準値・降圧目標・治療薬・禁忌の覚え方・ゴロ【CBT国試対策】

高血圧の治療のポイントとして

  • 高血圧の第一選択薬はβ阻害薬以外の3種類
  • 単剤から2剤→3剤→4剤と併用するが、ACE阻害薬とARBの併用は非推奨

を述べました。

β遮断薬は高齢者の臓器障害・脳心血管病抑制効果が他薬に劣るエビデンスがあるため、

主要降圧薬に含まれますが、第一選択薬ではない点に注意が必要です。

ACE阻害薬とARB併用例では透析導入・クレアチニンの倍増・死亡増加が見られるという報告があり、

ACE阻害薬とARBの併用は非推奨です。

ハレル

同じRAA系の抑制薬だから、
併用すると副作用が大きくなっちゃうイメージ。

確認問題:医師国家試験に挑戦!

医師国家試験【115A51】

76歳の女性。血圧上昇を主訴に来院した。血圧自己測定を行っていたが、最近、血圧が徐々に上昇してきており、生活習慣に気を付けても改善しないため受診した。意識は清明。身長163cm、体重51kg。体温35.9℃。脈拍86/分、整。血圧162/98mmHg。呼吸数20/分。SpO2 95%(room air)。尿所見:蛋白1+、糖(−)、潜血(−)、血液所見:赤血球343万、Hb 11.0g/dL、Ht 33%、白血球3,700、血小板17万。血液生化学所見:尿素窒素20mg/dL、クレアチニン1.0mg/dL。
内科外来における研修医と指導医の会話を示す。
指導医:「高齢の高血圧症の患者さんなので、若年や中年の患者さんと比べて注意すべき点もあると思います。塩分制限についてはどうですか」
研修医:「①高齢者にも減塩は有効ですが低栄養には注意が必要です
指導医:「静脈還流量が低下した時の血圧維持が弱い可能性もありますね」
研修医:「②起立性低血圧をきたしやすい理由の一つです
指導医:「生活上の注意点はありますか」
研修医:「③食後の低血圧に注意します
指導医:「降圧薬の選択はどうですか」
研修医:「④サイアザイド系の利尿薬は第一選択にできません
指導医:「アンジオテンシン変換酵素〈ACE〉阻害薬とアンジオテンシンII受容体拮抗薬の併用はどうですか」
研修医:「⑤推奨されません
①~⑤のうち誤っているのはどれか。

答えは ④

主要降圧薬のうち、第一選択にできないのはβ遮断薬である。

医師国家試験【111A41】

50歳の男性。健康診断で高血糖を指摘されて来院した。7年前の健康診断から指摘されていたが、仕事が忙しく医療機関は受診していなかった。仕事はデスクワークが主体である。身長175cm、体重75kg。脈拍72/分、整。血圧162/92mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。下腿に浮腫を認めない。尿所見:蛋白2+、糖1+、潜血(−)。血液所見:赤血球550万、Hb 14.0g/dL、Ht 43%、白血球6,800、血小板30万。血液生化学所見:総蛋白7.8g/dL、アルブミン4.0g/dL、尿素窒素18mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL、尿酸7.0mg/dL、血糖220mg/dL、HbA1c 7.8%(基準4.6〜6.2)、トリグリセリド190mg/dL、HDLコレステロール40mg/dL、LDLコレステロール160mg/dL。
治療方針として適切なのはどれか。
a 血糖コントロールが達成されてから降圧療法を開始する。
b 130/80mmHg未満への降圧を目指す。
c 1,500kcal/日の食事指導をする。
d インスリン治療を開始する。
e 食塩制限は10g/日とする。

答えは b

【降圧目標

  • ①基本は正常高値血圧(130/80mmHg未満)まで降圧
  • 75歳以上(後期高齢者)・特定の基礎疾患では高値血圧(140/90mmHg未満)まで降圧
     ※特定の疾患:両側頸動脈狭窄・脳主幹動脈閉塞・慢性腎臓病CKDの蛋白尿陰性

医師国家試験【108G55】

78歳の男性。3週前からの頭重感を主訴に来院した。生活は自立している。最近5年は健康診断を受けていない。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴はない。飲酒は日本酒1合/日を55年間。身長165cm、体重60kg。脈拍72/分、整。血圧184/112mmHg、左右差なし。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部と背部とに血管雑音を聴取しない。下腿に浮腫を認めない。尿所見と血液生化学所見とに異常を認めない。心電図で左室肥大所見を認める。胸部エックス線写真で心胸郭比は62%である。
正しいのはどれか。
a 降圧薬は低用量から開始する。
b 降圧薬は短時間作用型を選択する。
c 3か月間は減塩などの食事制限のみを行う。
d サイアザイド系利尿薬は第一選択とはしない。
e 降圧目標は診察室血圧で120/80mmHg未満とする。

答えは a

b:長時間作用型で持続的な降圧が望ましい。

c:Ⅲ度高血圧で症候性であるので早期に薬物介入が望ましい。

e:75歳以上は高値血圧(140/90mmHg未満)まで降圧する。

終わりに

お疲れ様でした。

参考になれば幸いです。

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