小球性低色素性貧血の原因疾患(鑑別)の覚え方・ゴロを教えてほしい。
こういった悩みを解決します。
ゴロでサクッと覚えちゃおう!
小球性低色素性貧血は英語で「microcytic hypochromic anemia」
【鑑別】小球性低色素性貧血の原因疾患の覚え方・ゴロ【CBT国試対策】
ゴロ:初手が無鉄砲なサラリーマン
初手が→小球性低色素性貧血
無→無トランスフェリン血症
鉄砲な→鉄欠乏性貧血・鉄芽球性貧血
サラリー→サラセミア
マン→慢性疾患に伴う貧血
以上より、小球性低色素性貧血をきたす原因疾患(鑑別)は
- 無トランスフェリン血症
- 鉄欠乏性貧血
- 鉄芽球性貧血
- サラセミア
- 慢性疾患に伴う貧血
と分かります。
無トランスフェリン血症とは?
無トランスフェリン血症とは、
先天的(AR遺伝)や後天的(ネフローゼ症候群による低蛋白血症)によって、
鉄輸送蛋白のトランスフェリンが低下欠乏する疾患です。
小球性低色素性貧血の原因疾患の鑑別方法【CBT国試対策】
小球性低色素性貧血の原因疾患は鉄代謝を考えながら、
- 血清フェリチン
- 血清鉄
- TIBC
の3つで鑑別します。
※TIBC:total iron binding capacity「総鉄結合能」:体内の全てのトランスフェリンに結合し得る鉄の量を示す。
※フェリチン(貯蔵鉄)の一部が血清フェリチンとして血清に流出するため、
血清フェリチンを測定することでフェリチン(貯蔵鉄)の増減を予測できる。
→フェリチン(貯蔵鉄)と血清フェリチンは相関性が高い!!!
鉄代謝の復習
①鉄はフェリチン(貯蔵鉄)として肝臓などに蓄えられる。
②フェリチン(貯蔵鉄)が血清鉄としてトランスフェリンと結合し血清に漏れ出し、骨髄へ移動する。
③骨髄中の赤芽球のミトコンドリア内で鉄はヘムに変換される。
④ヘムはグロビンと組み合わさる。
➄ヘモグロビン完成。
イラスト内の表を見ながら考えてみよう!
鉄欠乏性貧血
鉄欠乏性貧血では「鉄欠乏」の名の通り、貯蔵鉄であるフェリチンが少ないので①の異常です。
フェリチンが少ないため、血清フェリチン↓・血清鉄↓となり、
血清鉄低値のフィードバックでトランスフェリンが大量に合成されるため、TIBC↑となります。
血清鉄を運ぶトランスフェリンを増やせば
血清鉄が増えると考えて、
鉄欠乏時にTIBCが↑となるんだね。
鉄芽球性貧血
鉄芽球貧血はヘムの合成ができないので③の異常です。
ヘムが合成できない以外は正常なので、③より上流の①フェリチンと②血清鉄はそれぞれ↑、
血清鉄は高値なので、ネガティブフィードバックでトランスフェリンの合成は抑制されTIBC↓となります。
サラセミア
サラセミアはグロビンが合成できないので④の異常です。
グロビンが合成できない以外は正常なので、④より上流の①フェリチンと②血清鉄はそれぞれ↑、
血清鉄は高値なので、ネガティブフィードバックでトランスフェリンの合成は抑制されTIBC↓となります。
鉄芽球性貧血とサラセミアは
フェリチン↑・血清鉄↑・TIBC↓で共通ですね!
慢性疾患に伴う貧血
慢性疾患に伴う貧血は炎症によって肝臓から合成されるヘプシジンが肝臓からの鉄放出(+腸管からの鉄吸収)を抑制し、
フェリチンを血清鉄に変換できないため①~②の異常です。
フェリチンを血清鉄に変換できないため、上流の①フェリチンは↑、下流の②血清鉄は↓、
血清鉄が低値のため、フィードバックでトランスフェリンが合成されると思われますが、
炎症によってトランスフェリン合成は抑制されており、TIBC↓となります。
慢性疾患の炎症によってCRPといった蛋白を肝臓が作っていて、
同じ蛋白であるトランスフェリンを作る余裕がないから
TIBC↓なんですね。
無トランスフェリン血症
無トランスフェリン血症は、先天的または後天的にトランスフェリンを合成できないので②の異常です。
トランスフェリンが合成できないのでTIBCは↓、トランスフェリンと結合するはずの血清鉄も↓、
上流の②のフェリチンは使われないので↑となります。
確認問題:医師国家試験【113D14】と解説
医師国家試験【113D14】
小球性低色素性貧血を呈する疾患はどれか。2つ選べ。
a サラセミア
b 溶血性貧血
c 鉄欠乏性貧血
d 葉酸欠乏性貧血
e 骨髄異形成症候群
答えは ac
b:正球性貧血をきたす
d:大球性貧血をきたす
e:MDS骨髄異形成症候群は正色素性貧血なので、低色素性貧血の題意に合わない。
たしかに、小球性貧血をきたすことがあるが、小球性正色素性貧血である。
終わりに
お疲れさまでした。参考になれば幸いです。
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