ネフローゼ症候群の診断基準ってどう覚えればいいの?
こういった悩みを解決します。
本記事では「ネフローゼ症候群の診断基準の覚え方・ゴロ」に加えて、
確認問題をつけました。
「診断できるようになる」のが目標です。
ネフローゼ症候群の診断はワンパターンだから、
恐れることはないよ!
ネフローゼ症候群の診断基準の覚え方・ゴロ
ネフローゼ症候群とは、蛋白(アルブミン)が尿中に排出される疾患をまとめた概念です。
健常人では蛋白(アルブミン)が尿中に排出されません。
覚え方①:アルブミンの「ミ」は、みっつ(3)の「み」
→アルブ3ンと考える
つまり、診断基準には「3」がポイントです!
実際の診断基準と照らし合わせて、追加で覚え方を解説します。
ネフローゼ症候群の診断基準
①蛋白尿≧ 3.5 g/day (=尿所見:蛋白3+or 4+) ←診断に必須
②血清アルブミン≦ 3.0 g/dL ←診断に必須
③浮腫の存在
④LDL コレステロール≧ 140 mg/d
※必須項目をアルブ3ンと結び付けて覚えられたら勝ち!
覚え方②
「アルブ3ン」だけ覚えて、「蛋白3+以上(3+ or 4+)」「血清アルブミン3.0以下」を思い出す。
さらに、3+ と 4+より、3と4平均をとると3.5なので、蛋白尿≧ 3.5 g/dayも連想できる。
③④は必須ではないので、軽く説明するだけにします。
③血清アルブミン低下→血漿浸透圧低下→浮腫
④血清アルブミン低下→代償性に肝機能亢進(Albを作ろうとする)→肝機能亢進によるLDLコレステロールやコリンエステラーゼ、凝固因子、フィブリノーゲンが上昇する。(肝臓で作られる他の物質が増加しちゃう。)
①尿蛋白
尿蛋白g/dayは丸一日、尿をサンプリングしなければならないため、尿定性(試験紙法)で判断することが多いです。
尿定性とは、「尿所見:蛋白 3+、潜血 2+」といったものです。
国家試験でも尿定性で判断することがメインになってきます。
覚えるポイントは
蛋白尿≧ 3.5 g/day と 尿所見:蛋白3+以上 は同義
ということです。
蛋白3+以上には3+または 4+が当てはまります。
つまり、尿定性で 3+ または 4+ で診断基準を満たします。
「アルブ3ン」だけ覚えて、蛋白3+と4+を思い出す。
さらに、3と4平均をとると3.5なので、
蛋白尿≧ 3.5 g/dayも連想できる。
と覚えられればOK
まとめると
- 尿所見で蛋白3+以上
- 血液所見でアルブミン3以下
の2つを満たせば、ネフローゼ症候群の診断となります。
確認問題
ネフローゼ症候群の診断基準を満たす選択肢をすべて選べ。
【 選択肢A 】
尿所見:蛋白 3 +、糖(-)、潜血(±)。
血液所見:赤血球 486 万、Hb 12.8g/dL、Ht 38 %、白血球 6,200、血小板 34 万。
血液生化学所見:総蛋白 4.8g/dL、アルブミン 2.8g/dL、尿素窒素 20mg/dL、クレアチニン 0.7mg/dL、Na 135mEq/L、K4.2mEq/L、Cl 98mEq/L。
【 選択肢B 】
尿所見:蛋白 1 +、潜血 4 +、沈渣に赤血球多数/1 視野。
血液所見:赤血球 370 万、Hb 14.8g/dL、Ht 44 %、白血球 7,200、血小板 24 万。血液生化学所見:アルブミン 4.1g/dL、尿素窒素 24mg/dL、クレアチニン 0.7mg/dL、総コレステロール 210mg/dL。
【 選択肢C 】
尿所見:蛋白 4+、糖(-)、潜血(±)。
血液所見:赤血球 453 万、Hb 10.3g/dL、Ht 41 %、白血球 7,200、血小板 36 万。
血液生化学所見:総蛋白 4.0g/dL、アルブミン 3.5g/dL、尿素窒素 16mg/dL、クレアチニン 0.9mg/dL、Na 140mEq/L、K4.0mEq/L、Cl 96mEq/L。
【 選択肢D 】
尿所見:蛋白 1 +、潜血 3 +、沈渣に赤血球多数/1 視野。
血液所見:赤血球 400 万、Hb 12.6g/dL、Ht 34 %、白血球 6,600、血小板 22 万。血液生化学所見:アルブミン 4.2g/dL、尿素窒素 30mg/dL、クレアチニン 1.2mg/dL、総コレステロール 220mg/dL。
【 選択肢E 】
尿所見:蛋白 3 +、潜血 3 +、沈渣に赤血球多数/1 視野。
血液所見:赤血球 400 万、Hb 12.6g/dL、Ht 34 %、白血球 6,600、血小板 22 万。血液生化学所見:アルブミン 2.7g/dL、尿素窒素 30mg/dL、クレアチニン 1.2mg/dL、総コレステロール 220mg/dL。
大切な2つの項目を探せましたか?
答えは AとE
【 選択肢A 】 蛋白 3+ アルブミン 2.8g/dL
【 選択肢B 】 蛋白 1+ アルブミン 4.1g/dL どっちもOK
【 選択肢C 】 蛋白 4+ アルブミン 3.5g/dL 急性期でまだAlbが低下していない=notネフローゼ
【 選択肢D 】 蛋白 1+ アルブミン 4.2g/dL どっちもOK
【 選択肢E 】 蛋白 3+ アルブミン 2.7g/dL
終わりに
お疲れ様でした。
お疲れさまでした。
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