SIADHの治療って沢山あって覚えられない。
何か良い覚え方ないの~?
こういった悩みを解決します。
本記事ではSIADHの治療の覚え方・ゴロを紹介します。
さらに、治療の合併症として有名な橋中心髄鞘崩壊症の機序と症状を解説します。
ゴロでサクッと覚えちゃおう!
SIADHの正式名称は「ADH不適合分泌症候群」
SIADHは英語で「syndrome of inappropriate secretion of antidiuretic hormone」
SIADHの治療の覚え方・ゴロ【CBT・医師国家試験対策】
SIADHの治療
- 原疾患への対応に加え、まずは飲水制限(=水分制限)
- 追加で食塩経口投与を行うこともある。
- Na120mEq/L以下で速やかな治療が必要な場合
:フロセミド+高張食塩水(3%食塩水)投与 - 異所性ADH産生腫瘍で治療が不十分な場合
:ADH受容体拮抗薬(モザバプタン塩酸塩・バソプレシンV2受容体拮抗薬) - 現在では使われなくなった薬物治療
:デメクロサイクリン(ADH拮抗作用があるテトラサイクリン系抗菌薬)
覚え方:SIADH
S→syokuenn→食塩経口投与・高張食塩水(3%食塩水)withフロセミド
I→insuiseigenn→飲水制限(=水分制限)
A→ADH→ADH受容体拮抗薬
D→demeclocycline→デメクロサイクリン
H→hurosemido→フロセミド+高張食塩水(3%食塩水)投与
したがって、SIADHの治療は
- 食塩経口投与
- 飲水制限(水分制限)
- ADH受容体拮抗薬
- デメクロサイクリン
- フロセミド+高張食塩水(3%食塩水)投与
と分かります。
治療では、SIADHの低ナトリウム血症が補正されますが、
その時注意しなければならないのが『橋中心髄鞘崩壊症』です。
詳しく見てみよう!
橋中心髄鞘崩壊症とは?機序と症状を解説
【橋中心髄鞘崩壊症とは】
低ナトリウム血症を急速に補正した場合に、
橋中心部の髄鞘が浸透圧の影響で脱髄(崩壊)してしまう医原性の病態。
【橋中心髄鞘崩壊症を詳しく説明!】
SIADHといった慢性の低ナトリウム血症では、
細胞内と細胞外の浸透圧は共に低張になっています。
ここで細胞外にナトリウムを投与して血漿浸透圧を補正すると、
細胞内浸透圧は低張で細胞外浸透圧は高張という差が生まれます。
この時、浸透圧差に従って細胞内から細胞外へ急激に水が流出して、
細胞内脱水が起こり、脱髄してしまいます。
(この病態を浸透圧性脱髄症候群といいます。)
細胞内脱水は、浸透圧の変化に敏感な橋で特に起こりやすいため、橋中心脱髄症候群と言います。
臨床所見は
- ①低ナトリウム血症の補正に伴い一時的に意識障害は改善する。
- ②しかし、補正後しばらく(数日)すると橋中心部の脱髄が始まり、再び意識障害が起こる。
といった2段階で変化します。
症状は意識障害、四肢麻痺、仮性球麻痺による構語障害・嚥下障害があります。
画像所見として、MRIではTI強調画像で橋中心部の低信号・T2強調画像やFLAIRで橋中心部の高信号となります。
橋中心髄鞘崩壊症:CPM:central pontine myelinolysis
浸透圧性脱髄症候群:ODS:osmotic demyelination syndrome
終わりに
お疲れ様でした。
参考になれば幸いです。
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