なぜヘモグロビン尿とヘモジデリン尿は
血管外溶血ではなく血管内溶血?
機序を教えてほしい。
こういった悩みを解決します。
本記事ではヘモグロビン尿・ヘモジデリン尿について、血管内溶血と血管溶血を比較して解説します。
【血管内溶血と血管外溶血と閉塞性黄疸の比較】
- ヘモグロビン尿・ヘモジデリン尿
→血中ヘモグロビン上昇の所見
→血管内溶血で確定 - 尿中ウロビリン上昇・便中ステルコビリン上昇
→腸管に排泄されたビリルビン上昇の所見
→血管内溶血・血管外溶血ともに起こり得る - ※閉塞性黄疸では尿中ウロビリン低下・糞便中ステルコビリン低下
ウロビリノーゲン・ウロビリン・ステルコビリンについては
コチラで解説します↓↓↓
【機序】なぜヘモグロビン尿とヘモジデリン尿は血管外溶血ではなく血管内溶血?
血管外溶血
血管外溶血では、脾臓で赤血球が破壊され、
生じたヘモグロビンはそのまま脾臓で間接ビリルビンまで代謝されるためヘモグロビンが尿中出ることはありません。
脾臓で破壊された赤血球から生じた鉄はトランスフェリンによって肝臓へ運ばれるため、ろ過されません。
また、脾臓での代謝が追い付かない場合でも、代謝されずに残ったヘモグロビンはハプトグロビンと結合し、
門脈を通り肝臓で代謝されるため、ヘモグロビンが尿中出ることはありません。
血管外溶血では脾臓と肝臓がフィルターになって
ヘモグロビンが尿中に出ないんだね!
血管内溶血
血管内溶血では、血管内で赤血球が破壊され、
生じたヘモグロビンは血管内→腎動脈→尿へと移行するためヘモグロビン尿・ヘモジデリン尿が見られます。
ろ過されたヘモグロビンは、
一部は尿細管上皮に再吸収され、代謝を受けてヘモジデリンという鉄Feを含む色素に変化し、
上皮とともに尿中に排泄されヘモジデリン尿になります。
残りの尿細管上皮に再吸収されなかったヘモグロビンはそのまま排出されヘモグロビン尿になります。
血管内溶血では脾臓と肝臓を介さずに
ヘモグロビンが尿中へ出ちゃうんだね!
以上より、ヘモグロビン尿・ヘモジデリン尿は血管外溶血(脾臓での溶血)ではなく血管内溶血の特徴となります。
血管内溶血と血管外溶血の違いや共通点を総まとめしました!
コチラを参照してください↓↓↓
終わりに
お疲れさまでした。
参考になれば幸いです。
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