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【副甲状腺機能低下症まとめ】特発性・続発性・偽性の鑑別と機序【CBT国試対策】

【機序・鑑別・分類まとめ】原発性副甲状腺機能低下症・特発性副甲状腺機能低下症・続発性副甲状腺機能低下症・偽性副甲状腺機能低下症とEllsworth-Howard試験(PTH負荷試験)【CBT国試対策】
悩む人

副甲状腺機能低下症って種類が多くて覚えにくい。
鑑別の仕方を教えて欲しい。

こういった悩みを解決します。

本記事では

  • 特発性副甲状腺機能低下症(原発性副甲状腺機能低下症)
  • 続発性副甲状腺機能低下症
  • 偽性副甲状腺機能低下症

のそれぞれの病態と鑑別方法を解説します。

PTH負荷試験(Ellsworth-Howard試験)での鑑別・機序を分かりやすくイラスト・表でまとめました。

目次:クリックで飛べます。

【副甲状腺機能低下症まとめ】特発性・続発性・偽性の鑑別と機序【CBT国試対策】

【機序・鑑別・分類まとめ】原発性副甲状腺機能低下症・特発性副甲状腺機能低下症・続発性副甲状腺機能低下症・偽性副甲状腺機能低下症とEllsworth-Howard試験(PTH負荷試験)【CBT国試対策】

特発性副甲状腺機能低下症(原発性副甲状腺機能低下症)【CBT国試対策】

特発性副甲状腺機能低下症=原発性副甲状腺機能低下症です。

自己免疫や先天異常によってPTHを生産できなくなった病態です。

関連させて覚えておくべきことは、

原発性免疫不全の『DiGeorge症候群』で原発性副甲状腺機能低下症が起こることです。

ハレル

覚え方・ゴロも含め、詳しくは小児科の免疫不全で扱います。
医師国家試験【94B-91】で
「DiGeorge症候群で副甲状腺機能低下がみられる」と出題された。

続発性副甲状腺機能低下症【CBT国試対策】

外科手術・放射線治療により副甲状腺が障害されPTHを生産できなくなった病態です。

外科的手術では甲状腺全摘術を押さえましょう。

甲状腺の裏側に副甲状腺があるため、甲状腺全摘術に伴って副甲状腺も除去されてしまい、

続発性副甲状腺機能低下症になります。

ハレル

医師国家試験【105D-58】で
「甲状腺全摘後のテタニーが出現した患者」が出題された。

偽性副甲状腺機能低下症【CBT国試対策】

偽性副甲状腺機能亢進症は遺伝的要因によって、

PTH生産があるにも関わらず(PTH高値)、PTH作用が発揮できない病態です。

【機序・鑑別・分類まとめ】原発性副甲状腺機能低下症・特発性副甲状腺機能低下症・続発性副甲状腺機能低下症・偽性副甲状腺機能低下症とEllsworth-Howard試験(PTH負荷試験)【CBT国試対策】

障害部位によって

  • 偽性Ⅰ型副甲状腺機能低下症
  • 偽性Ⅱ型副甲状腺機能低下症

の2つに分類されます。

ハレル

medu4にはⅠ型・Ⅱ型は書いてないけど、
Q-assistには書いてある。
覚えるためにはPTHの作用機序を確認しよう。

【PTHの作用機序】

①副甲状腺から分泌されたPTHが尿細管の受容体に結合する。

②PTHと結合した受容体は細胞内のシグナルであるcAMP(サイクリックAMP)濃度を上昇させる。
 (増加したcAMPの一部は尿中へ排泄される。)

③cAMPによって尿中にリンPを排泄する(尿中リンP上昇)

ハレル

上記の画像と一緒に確認しよう。

副甲状腺機能低下症では、

  • ①→②の過程が障害された病態を偽性Ⅰ型副甲状腺機能低下症
  • ②→③の過程が障害された病態を偽性Ⅱ型副甲状腺機能低下症

と定義されます。

遺伝的要因が原因なので、一部にAlbright遺伝性骨異栄養症:AHO(Albrigth奇形) を合併します。

偽性Ⅰ型副甲状腺機能低下症は

  • Albright遺伝性骨異栄養症:AHO(Albrigth奇形)あり→Ⅰa
  • Albright遺伝性骨異栄養症:AHO(Albrigth奇形)なし→Ⅰb

と分類されます。

ハレル

Ⅰc型や偽性偽性副甲状腺機能低下症は試験に出ないので無視。
鑑別方法を見ていこう。

副甲状腺機能低下症の鑑別とEllsworth-Howard試験【CBT国試対策】

【機序・鑑別・分類まとめ】原発性副甲状腺機能低下症・特発性副甲状腺機能低下症・続発性副甲状腺機能低下症・偽性副甲状腺機能低下症とEllsworth-Howard試験(PTH負荷試験)【CBT国試対策】
副甲状腺機能低下症の鑑別まとめとEllsworth-Howard試験【CBT国試対策】

副甲状腺機能低下症の鑑別方法にEllsworth-Howard試験(PTH負荷試験)があります。

試験では選択肢に「Ellsworth-Howard試験」と書いてあったら、

「PTH負荷試験だ!」と気がつけるようにしておきましょう。

原発性(特発性)副甲状腺機能低下症と続発性副甲状腺機能低下症では、

PTH生産が無いだけで、受容体→cAMP増加→リン排泄のルートは保たれています。

したがって、Ellsworth-Howard試験(PTH負荷試験)では尿中cAMP・尿中Pともに増加します。

偽性Ⅰ型副甲状腺機能低下症では、受容体→cAMP増加の過程が障害されているので、

Ellsworth-Howard試験(PTH負荷試験)では尿中cAMP・尿中Pともに不変です。

偽性Ⅱ型副甲状腺機能低下症では、

受容体→cAMP増加の過程は保たれ、cAMP増加→リン排泄の過程が障害されているので、

Ellsworth-Howard試験(PTH負荷試験)では尿中cAMPは増加・尿中Pは不変です。

ハレル

medu4には「原発性(特発性)+続発性」or「偽性」を鑑別するために、
尿中Pリンの増加反応を見るとしか書いてありません。

悩む人

Q-assistにはcAMPの反応をみて
「偽性のⅠ型か?Ⅱ型か?」、
さらにⅠa型か?Ⅰb型か?まで書いてあった。

ハレル

最低限、尿中Pリンの増加反応は覚えて、
cAMPを覚えるかはお任せします。

医師国家試験【98I36】に挑戦!

29歳の男性。手足のしびれ感と労作時の疲労感とを主訴に来院した。20歳ころ健康診断で血清Caの低値とPの高値とを指摘されたが、自覚症状なく放置していた。最近になって、手足のしびれ感、労作時の疲労感および頭痛が現れた。身長170cm、体重80kg。脈拍80/分、整。血圧130/80mmHg。Trousseau徴候陽性。血清生化学所見:Na 142mEq/l、K 4.0mEq/l、Ca 5.8mg/dl、P 6.0mg/dl。その他の一般検査所見に異常を認めない。
確定診断のために有用な検査はどれか。
a Donath-Landsteiner試験
b Ellsworth-Howard試験
c L-Dopa負荷試験
d フロセミド負荷試験
e セクレチン試験

答えは b

終わりに

お疲れ様でした。

参考になれば幸いです。

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