ビタミンB1の試験でのポイントと覚え方・ゴロを教えてほしい。
こういった悩みを解決します。
本記事ではビタミンB1欠乏症で重要な
- 糖代謝(乳酸アシドーシス)
- 脚気
- ウェルニッケ脳症
についての覚え方・ゴロを紹介します。
ゴロでサクッと覚えちゃおう!
ビタミンB1欠乏症・チアミン・脚気の覚え方・ゴロ【CBT国試対策】
ゴロ①:敏腕チアと駆け回る
敏腕→びんわん→びーわん→B1
チア→チアミン
と→糖代謝に関与(乳酸アシドーシス)
駆け→脚気(「かっけ」と読む。)
回る→まわる→まうぇる→ウェルニッケ脳症(Wernicke脳症)
糖代謝と乳酸アシドーシスについては後述します。
ゴロ②:敏腕チアと脚の上
敏腕→びんわん→びーわん→B1
チア→チアミン
と→糖代謝に関与
脚の→脚気
上→うえ→ウェルニッケ脳症
以上より、
- ビタミンB1の化学名(別名)はチアミン
- ビタミンB1は糖代謝に関わる(乳酸アシドーシス)
- ビタミンB1欠乏症は脚気とウェルニッケ脳症(Wernicke脳症)
と分かります。
脚気とウェルニッケ脳症(Wernicke脳症)はそれぞれ
- 脚気→末梢神経障害
- Wernicke脳症→中枢神経障害
と対比して覚えましょう。
Wernicke「脳」症だから中枢神経障害って分かるね!
試験でのポイントを順番に解説していきます!
ビタミンB1は糖代謝に関わる
ビタミンB1は糖代謝の「ピルビン酸をアセチルCoAに変換する補酵素」として働きます。
CBTでは「ピルビン酸→アセチルCoAでビタミンB1が必要」ということを必ず覚えましょう。
※ピルビン酸をアセチルCoAに変換する酵素であるPDHの補酵素としてビタミンB1が大切。
PDH:pyruvate dehydrogenase:ピルビン酸デヒドロゲナーゼ
基礎医学との関連を追記しておきます。
ビタミンB1→PDH
ビタミンB2→FAD
ビタミンB3→NAD
ビタミンB5→CoA
国家試験・臨床的に大切になってくるのは
- ビタミンB1欠乏症の原因は糖質の過剰摂取・重労働※・妊娠悪阻
- ビタミンB1欠乏症の糖代謝異常で乳酸アシドーシスになる
- 妊娠悪阻でブドウ糖輸液単独は禁忌
ということです。
※アルコール中毒・消化管切除はビタミンB群すべての欠乏症のリスクとなります。
糖質の過剰摂取・重労働→ビタミンB1欠乏症
糖代謝では
- ①解糖系でグルコースはピルビン酸に変換される
- ②ピルビン酸はピルビン酸デヒドロゲナーゼ(補酵素ビタミンB1)によってアセチルCoAに変換
または、乳酸に変換される - ③アセチルCoAはTCAサイクル(クエン酸回路)で分解され、電子伝達系とともにエネルギーATPを生産する
という流れが大切になります。
糖質の過剰摂取・重労働ではグルコースを分解するため、ビタミンB1が大量に消費され、欠乏症となります。
ビタミンB1欠乏症になると、ピルビン酸が分解できず、代わりに乳酸が生産されます。
したがって、ビタミンB1欠乏症では乳酸アシドーシスが起こりやすいです。
ゴロの糖代謝と関連させて覚えておこう!
高カロリー輸液(静脈栄養)では、糖質の過剰摂取になり、
乳酸アシドーシスになりやすいことが知られています。
妊娠悪阻でブドウ糖輸液単独は禁忌
妊娠悪阻とは?
妊娠悪阻とは「妊娠時の悪心嘔吐による代謝異常」です。
一般的に「つわり」と呼ばれ、妊娠10週前後(10±5週)に好発します。
悪心嘔吐による摂食困難のため水・糖・ビタミンが低下します。
したがって、
- 水不足→脱水による深部静脈血栓DVT
- 糖不足→脂肪分解によるケトン体上昇
- ビタミンB1不足→ 乳酸アシドーシス・Wernicke脳症など
が起こる危険があります。
詳しい覚え方は産婦人科で解説予定!
摂食困難なので輸液を行えば良い!と考えがちですが、
ブドウ糖輸液を単独で行うとビタミンB1欠乏が悪化するため禁忌です。
ビタミンB1投与を並行して行います。
【ビタミンB1欠乏症】脚気の病態と心不全・浮腫の機序【覚え方・ゴロ】
まず「脚気→末梢神経障害」「Wernicke脳症→中枢神経障害」と対比して覚えましたね。
脚気の病態の特徴は
- 末梢神経障害
- 高拍出性心不全
の2つですが、一元的に下記のように考えると分かりやすいです。
脚気の末梢神経障害
→末梢神経障害による末梢血管拡張が起こり後負荷が減少
→高拍出性心不全
末梢血管が拡張して血液の流れる道が広がるから、
心臓が頑張って大量の血液を送り出そうと頑張っちゃうんだね。
詳しくは循環器で解説予定!
末梢神経障害では感覚障害・腱反射低下・筋力低下が起こります。
高拍出性心不全では心臓が頑張った結果、心肥大を呈するため「脚気心」と呼ばれます。
高拍出性心不全では、最終的に心臓は疲れ果て低拍出性心不全となり死亡することがあります。
ウェルニッケ脳症(Wernicke脳症)の3徴の覚え方・ゴロ
ウェルニッケ脳症(Wernicke脳症)の3徴は
- 運動失調
- 眼球運動障害
- 意識障害
です。
Wernicke脳症の慢性期には後遺症としてKorsakoff症候群が生じるため、
この流れをWernicke-Korsakoff症候群と呼びます。
まとめ
以上をまとめると、
- ビタミンB1の化学名(別名)はチアミン
- ビタミンB1は糖代謝の補酵素のため糖質過剰摂取・重労働で欠乏
ビタミンB1欠乏症で
- 乳酸アシドーシス(妊娠悪阻にブドウ糖輸液単独は禁忌)
- 脚気:末梢神経障害と高拍出性心不全
- Wernicke脳症:中枢神経障害(運動失調・眼球運動障害・意識障害)
が試験でのポイントとなります。
糖質の過剰摂取で欠乏しやすいのは
糖質代謝に関わるvitB1・vitB2・vitB3です。
一番頻度が高く有名なのがvitB1欠乏の脚気です。
No,1 ビタミンB1(→PDH)
ビタミンB2(→FAD)
ビタミンB3(→NAD)
終わりに
お疲れさまでした。
参考になれば幸いです。
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