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自己免疫性溶血性貧血AIHAの特徴と温式冷式の抗体-血管内or外溶血の覚え方・ゴロ

自己免疫性溶血性貧血AIHAの特徴と温式冷式の抗体-血管内or外溶血の覚え方・ゴロ
悩む人

AIHA自己免疫性溶血性貧血3種
温式AIHA
冷式AIHA(寒冷凝集素症CADと発作性寒冷ヘモグロビン尿症PCH)
について覚え方・ゴロを教えてほしい。

こういった悩みを解決します。

本記事では自己免疫性溶血性貧血AIHAの試験でのポイントをまとめ、

覚え方・ゴロを紹介します。

ハレル

ゴロでサクッと覚えちゃおう!

【英語まとめ】

  • 自己免疫性溶血性貧血:AIHA:autoimmune hemolytic anemia
  • 寒冷凝集素症:CAD:cold agglutinin disease
  • 発作性寒冷ヘモグロビン尿症:PCH:paroxysmal cold hemoglobinuria
目次:クリックで飛べます。

自己免疫性溶血性貧血AIHAとは?分類と特徴まとめ【CBT国試対策】

自己免疫性溶血性貧血AIHAとは、

Ⅱ型アレルギーによって赤血球に対する自己抗体が生産され、

自己抗体が赤血球と結合することで溶血を起こす疾患です。

正球性正色素性貧血に分類されます。

自己免疫性溶血性貧血AIHAは赤血球と自己抗体が結合しやすい温度(至適温度)によって、

温式AIHA(37度付近で至適温度)と冷式AIHA(4度付近で至適温度)に分けられます。

一般的にAIHAというと、温式AIHAを指します。

冷式AIHAには

  • 寒冷凝集素価が上昇する寒冷凝集素症CAD
  • DL抗体が陽性となる発作性寒冷ヘモグロビン尿症PCH

の2種類が存在します。

温式AIHA・寒冷凝集素症CAD・発作性寒冷ヘモグロビン尿症PCHの特徴をまとめると下記の表のようになります。

温式AIHA寒冷凝集素症
CAD
発作性寒冷ヘモグロビン尿症
PCH
抗体の至適温度37付近4付近4℃付近
自己抗体の種類IgG型IgM型IgG型
Donath-Landsteiner抗体
溶血様式血管溶血主に血管外溶血
+血管内溶血
血管溶血
特徴Evans症候群
=温式AIHA+ITP
寒冷凝集素価上昇Donath-Landsteiner抗体陽性
5歳以下の児の感染後に多い
原因・特発性
・続発性
 全身性エリテマトーデス
 慢性リンパ性白血病
・特発性
・続発性
 マイコプラズマ
 EBウイルス
 サイトメガロウイルス
・特発性
・続発性
 ウイルス
 梅毒
治療①副腎皮質ステロイド
②脾摘・免疫抑制剤
保温
寒冷暴露を避ける

基礎疾患の治療
保温
寒冷暴露を避ける

基礎疾患の治療

自己免疫性溶血性貧血AIHAの自己抗体と
血管内溶血or血管外溶血の覚え方・ゴロ【CBT国試対策】

自己免疫性溶血性貧血AIHAの自己抗体はIgG?IgM?【覚え方・ゴロ】

覚え方①:発作性寒冷ヘモグロビン尿症PCHの自己抗体を別途に覚える。

覚え方②:残りの温式AIHAと寒冷凝集素症を比較して覚える。

温式→あちぃ→あじぃ→IgG

寒冷→さみぃ→IgM

以上より、

  • 温式AIHAはIgG型の自己抗体
  • 寒冷凝集素症はIgM型の自己抗体
  • 発作性寒冷ヘモグロビン尿症はIgG型の自己抗体

と分かります。

自己免疫性溶血性貧血AIHAは血管内溶血or血管外溶血?【覚え方・ゴロ】

覚え方①:あたたかい日は外にお出かけ!寒い日は室内で引きこもるイメージ。

あたたかい日(温式AIHA)は外に(血管溶血)

寒い日(発作性寒冷ヘモグロビン尿症)は室内で(血管溶血)

覚え方②:発作性寒冷ヘモグロビン尿症PCHの血管内溶血は別途に覚える。

以上より、

  • 温式AIHAは血管溶血
  • 発作性寒冷ヘモグロビン尿症は血管溶血

と分かります。

寒冷凝集素症は血管外溶血がメインですが、血管内溶血も起こるので温式AIHAとPCHの中間的な存在です。

【温式AIHAで血管外溶血になる理由】

温式AIHAのIgG型自己抗体は37℃付近で赤血球と結合しオプソニン化(貪食されやすくなる)され、

脾臓(肝臓)のマクロファージによって認識され破壊されます(血管外溶血)。

【発作性寒冷ヘモグロビン尿症PCHで血管内溶血になる理由】

PCHのIgG型自己抗体(Donath-Landsteiner抗体)は4℃付近(寒冷暴露)で赤血球と結合し、

37℃付近に戻ると結合が外れ、その際に補体が活性化し破壊されます(血管内溶血)。

【寒冷凝集素症CADで血管外溶血と血管内溶血になる理由】

CADのIgM型自己抗体は4℃付近(寒冷暴露)で赤血球に補体とともに結合し、

37℃付近に戻ると結合が外れ、その際に補体が活性化し破壊されます(血管内溶血)。

ただし、CADの補体活性化は弱く、

補体と結合した赤血球は脾臓(肝臓)のマクロファージによって認識され、破壊されます(血管外溶血)。

自己免疫性溶血性貧血(温式AIHA)の治療の覚え方・ゴロ

覚え方:「自己免疫性」と名の付く疾患は基本的に「副腎皮質ステロイド」

自己免疫性溶血性貧血(温式AIHA)では自己抗体とマクロファージの貪食によって赤血球が破壊されるので、

ステロイドによって

  • 自己抗体の生産抑制
  • マクロファージの貪食抑制

によって治療します(8割はステロイドで寛解する)。

副腎皮質ステロイドが抵抗性だった場合、脾摘や免疫抑制剤を用います。

ハレル

ちなみに、脾摘の適応疾患として
【血管外溶血をきたす疾患の一部】
・遺伝性球状赤血球症★頻出★

・温式AIHA(自己免疫性溶血性貧血)
・サラセミア
【その他】
・ITP(特発性血小板減少性紫斑病)
 AIHA+ITP=Evans症候群
・門脈圧亢進症
などがあります。

冷式AIHAの治療は

  • 保温・寒冷暴露を避ける基礎疾患の治療

です。

Evans症候群の覚え方・ゴロ【CBT国試対策】

Evans症候群=温式AIHA(自己免疫性溶血性貧血)+ITP(免疫性血小板減少性紫斑病)

寒冷凝集素症CADの原因と寒冷凝集素価が上昇する疾患の覚え方・ゴロ

寒冷凝集素価が上昇している場合の鑑別疾患として、

  • 寒冷凝集素症(CAD:冷式AIHA)
  • びまん性汎細気管支炎DPB
  • マイコプラズマ肺炎
  • マクログロブリン血症
  • EBウイルス(伝染性単核症)
  • サイトメガロウイルス感染症
  • 悪性リンパ腫

があります。

自己免疫性溶血性貧血AIHAの検査所見と症状
赤芽球?ウロビリノーゲン?ヘモグロビン尿?赤沈亢進?

自己免疫性溶血性貧血AIHAはその名の通り溶血が起こる疾患なので、

  • 網赤血球増加・骨髄赤芽球過形成
  • 尿中ウロビリン上昇・糞便中ステルコビリン上昇
  • 黄疸・胆石症

といった非特異的な症状が現れます。

ただし、ヘモグロビン尿症とヘモジデリン尿に関しては、

温式AIHAでは陰性⇔発作性寒冷ヘモグロビン尿症では陽性です。

血管内溶血と血管外溶血を区別して覚えましょう。

また、自己免疫性溶血性貧血AIHAでは自己抗体(免疫グロブリン)が増加するため、赤沈は亢進します。

確認問題;医師国家試験【114D36】解説

47歳の男性。両手指のチアノーゼを主訴に来院した。3年前から冬に外出すると両手の指先や耳介が白くなり、しびれを感じるようになった。これらは帰宅して温まると消失した。この冬、寒冷地に転勤になり、室外で引っ越し作業中に両手指のしびれの出現とともに指先の色が青黒く変色したため受診した。脈拍80/分、整。血圧132/80mmHg。眼瞼結膜は貧血様であり、眼球結膜に黄染を認める。胸骨右縁第2肋間を最強点とする収縮期駆出性雑音を聴取する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。尿所見:蛋白(−)、糖(−)、潜血3+。血液所見:赤血球252万、Hb 9.0g/dL、Ht 26%、白血球4,200(桿状核好中球2%、分葉核好中球70%、好酸球2%、単球5%、リンパ球21%)、血小板32万。血液生化学所見:総蛋白6.8g/dL、アルブミン3.2g/dL、総ビリルビン3.2mg/dL、直接ビリルビン0.8mg/dL、AST 38U/L、ALT 30U/L、LD 980U/L(基準120〜245)、ALP 230U/L(基準115〜359)、尿素窒素20mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL、血糖90mg/dL、Na 142mEq/L、K 4.0mEq/L、Cl 104mEq/L。
この患者で予想される検査所見はどれか。
a 網赤血球低値
b 寒冷凝集素高値
c IgG型自己抗体陽性
d 血清ハプトグロビン高値
e GPIアンカー蛋白欠損赤血球陽性

答え b

寒冷刺激で発症+貧血+間接ビリルビン上昇+LD上昇より、冷式AIHA(CADまたはPCH)を疑う。

発作性寒冷ヘモグロビン尿症PCHは5歳以下の男児に好発するため、今回は寒冷凝集素症CADの可能性が高い。

a 溶血性貧血なので網赤血球は高値

b 正しい。

c IgG型自己抗体陽性になるのは温式AIHAとPCH
 cf. 発作性寒冷ヘモグロビン尿症とは?DL抗体-血管内溶血-特徴の覚え方・ゴロ

d 血清ハプトグロビンは溶血によって消費され低下する。

e GPIアンカー蛋白欠損赤血球陽性となるのはPNH発作性夜間ヘモグロビン尿症

終わりに

お疲れさまでした。参考になれば幸いです。

ハレル

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