透析導入の基準って覚えにくいよ~泣
基準を思い出すのに時間がかかっちゃう。
なにかいい方法ないの?
こういった悩みを解決します。
本記事では「透析導入基準の覚え方・ゴロ」を2つ紹介します。
問題への反応、血液所見の解釈が格段に速くなります。
さらに、確認問題も付けたので一緒にマスターしましょう。
試験で活かせる覚え方2つを紹介するよ!
どっちも覚えて反射神経を鍛えよう(^▽^)/
※血液検査所見の基準値を覚えてると、理解がスムーズです。
血液透析導入基準の覚え方・ゴロ①
ゴロ:6.7.8で透析室に行こう
6:血中カリウム > 6 mEq/L
7:血中クレアチニン > 7 mg/dL
8:血中尿素窒素(BUN) > 80 mg/dL
透析室に:血液透析導入基準
行こう:血中 HCO3-(重炭酸イオン) < 15 mEq/L
- 血中カリウム > 6 mEq/L
- 血中クレアチニン > 7 mg/dL
- 血中尿素窒素(BUN)> 80 mg/dL
- 血中 HCO3- (重炭酸イオン)< 15 mEq/L
このうち、1つ以上認めた場合に血液透析導入可能になります。
※これらに加えて、尿毒症症状の出現、高度の乏尿、無尿、体重増加がありますが、頭の片隅でOKです。
ポイントは2つあります。
- >or<に気を付ける。
- 数が小さい順(6,7,8,15の順)に、
文字数が少ない順(K,Cr,BUN,HCO3-の順)が対応する。
>or< は「腎不全で何が上昇して、何が低下するか?」を覚えて、導きましょう!
参照 ↓ ↓ ↓
いやいや、待ってよ。
6,7,8なのか、7,8,9なのか
覚えられる気がしないよ(# ゚Д゚)(怒)
分かりますよ、その気持ち。
そこで、二つ目の覚え方を紹介します。
血液透析導入基準の血液生化学所見の覚え方・ゴロ②
上記の基準を感覚的に覚える方法を伝授します!
医師国家試験問題の血液所見を見るときは、こちらがとても速いです。
医師国家試験問題では
- 1, 血液生化学所見(尿素窒素→クレアチニン→K)
- 2, 動脈血ガス分析(HCO3-)
の順で並べられているので、この順で説明します。
血液透析導入基準の尿素窒素(BUN)の覚え方・ゴロ
血液透析導入基準のクレアチニン(Cr)の覚え方・ゴロ
血液透析導入基準のカリウム(K)の覚え方・ゴロ
以上をまとめますと、下記のようになります。
尿素窒素:頭でBUNに変換する → BUNのBUが「80」に見えるから80以上で透析実施!
クレアチニン:クレアチニンのクが「7」に見えるから 7以上で透析実施!
K:①カリウムKを回転させると、六に見える!6以上で透析実施!
K:②頭でKをカリウムに変換する → カリウムのカが「六」に見えるから6以上で透析実施!
※国家試験ではBUNは「尿素窒素」、カリウムは「K」と書かれるので、頭で変換して考えます。
血液透析導入基準のHCO3-(重炭酸イオン)の覚え方・ゴロ
HCO3-:Hの1とCO(こ=ご)から15を思い出す
15以下で透析実施!
実際、HCO3-だけは
透析室に行こう=15の方で覚えてる(笑)から、
これはあんまり使ってない。
気に入った人は使ってみて!
確認問題【医師国家試験】
紹介した二つの覚え方をマスターすると、一瞬で透析が必要か判断できるようになります。
では、医師国家試験を真似て、実際に透析基準を満たすかを判断してみましょう。
- 透析すべきか?
- 他に異常があるか?(透析実施基準以外の異常値はないか?)
を考えましょう。
問1
血清生化学所見:総蛋白 6.6g/dL、アルブミン 3.5g/dL、尿素窒素 18mg/dL、クレアチニン 0.8mg/dL、 総コレステロール 150mg/dL、トリグリセライド 100mg/dL、AST 21IU/L、ALT 18IU/L、γ-GTP 30IU/L (8~50)、Na 147mEq/L、K 4.6mEq/L、Cl 101mEq/L、Ca 9.0mg/dL、P 3.0mg/dL、Mg 1.8mg/dL(基 準 1.6~2.6)。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.43、PaO2 98Torr、PaCO2 40Torr、HCO3- 24mEq/L。
すみません、正常でした(笑)
問2
血清生化学所見:総蛋白 6.9g/dL、アルブミン 3.7g/dL、尿素窒素 62mg/dL、クレアチニン 6.5mg/dL、 総コレステロール 236mg/dL、トリグリセライド 160mg/dL、AST 21IU/L、ALT 18IU/L、γ-GTP 30IU/L (8~50)、Na 147mEq/L、K 7.2mEq/L、Cl 101mEq/L、Ca 9.0mg/dL、P 2.6mg/dL、Mg 1.2mg/dL(基 準 1.6~2.6)。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.30、PaO2 96Torr、PaCO2 32Torr、HCO3- 18mEq/L。
血清生化学所見:総蛋白 6.9g/dL、アルブミン 3.7g/dL、尿素窒素 62mg/dL、クレアチニン 6.5mg/dL、 総コレステロール 236mg/dL、トリグリセライド 160mg/dL、AST 21IU/L、ALT 18IU/L、γ-GTP 30IU/L (8~50)、Na 147mEq/L、K 7.2mEq/L、Cl 101mEq/L、Ca 9.0mg/dL、P 2.6mg/dL、Mg 1.2mg/dL(基 準 1.6~2.6)。動脈血ガス分析(自発呼吸、room air):pH 7.30、PaO2 96Torr、PaCO2 32Torr、HCO3- 18mEq/L。
異常値を赤文字で示しました。
血中カリウム> 6 mEq/Lより透析導入基準を満たします。
血液所見を順に読んでいくと、
- 腎障害(尿素窒素、クレアチニン、Kの上昇、pH<7.35より)
- 脂質異常症
- 代謝性アシドーシス(代償あり)
の患者だと分かります。
※脂質異常症や、代謝性アシドーシスは別記事で説明します。
終わりに
お疲れ様でした。
参考になれば幸いです。
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