なぜ低アルブミン血症で補正カルシウム？理由-計算式の意味-基準値【覚え方・ゴロ】

こういった悩みを解決します。

本記事では補正カルシウムの意味・補正する理由をイラストを使って解説し、

基準値の覚え方・ゴロを紹介します。

なぜ低アルブミン血症で補正カルシウム？
理由・計算式の意味・基準値【覚え方・ゴロ】

①正常の解説

アルブミンは血中で陰イオン（負の電荷を帯びた状態）として存在するので、

多くの陽イオン（正の電荷を帯びた物質）と結合することで安定化しています。

血中のCa2+の40%はアルブミンAlbと結合した生理活性を持たない状態で存在し、

（便宜上「結合Ca2+」とします。）

残りの60%はアルブミンAlbと結合せず、生理活性を持つFreeCa2+として存在します。

臨床的に大切なのは、生理活性を持つFreeCa2+です。

しかしながら、FreeCa2+のみを測るのには採血条件が難しいため、

通常の検査では、結合Ca2+とFreeCa2+の合計の総Ca濃度を測定しています。

②低アルブミン血症の解説

血中アルブミンAlbが4未満（Alb<4g/dL）の時、

アルブミンの喪失に伴い、結合Ca2+も喪失してしまいます。

したがって、検査上の総Ca濃度は低くなってしまいます。

しかしながら、実際に生理活性を持つFreeCa2+は保たれており問題ないので、

検査の値は見かけ上の低Ca血症と言えます。

③カルシウムを補正する

見かけ上の低Ca血症を正しく評価するためにカルシウムを補正します。

補正式はいくつかありますが、簡便で有名なのがPayneの式です。

アルブミンとカルシウムの基準値の覚え方・ゴロ

したがって、アルブミンの基準値は

• 4.0~5.0g/dL

と分かります。

さらに、「アルブミンが4.0未満の時、カルシウムの補正が必要」という知識を、

「下限の4」と関連付けて覚えましょう。

したがって、カルシウムの基準値は

• 8.5~10.0mg/dL

と分かります。

補正カルシウムも同じく8.5~10.0mg/dLの基準値で判断します。

確認問題：医師国家試験【102G52】

終わりに

お疲れ様でした。

参考になれば幸いです。