CBTの4連問ってどう対策すればいいの?
どうすれば高得点が取れるの?
コツを教えて~
こういった悩みを解決します。
問題を用意したので、実際に体験しながら確認していきましょう。
- CBTの4連問について知りたい
- CBTの4連問に不安がある
- CBTの4連問が伸び悩んでいる・高得点を取りたい
といった人はぜひ最後まで見てみてください。
最後に「意識するだけで点数が伸びるコツ・テクニック集」を
まとめたよ(^^♪
CBT4連問で失敗しないコツ7選と対策方法まとめ【4連問の教科書:前編】
量が多くなってしまったので、前編と後編の2部に分けました。この記事は前編です。
下記に表は全て読んだ後、気になったところを見直すためにお使いください。
ページの一番上の目次から飛べます。
4連問を本気で満点を取りに行くor楽に高得点を取るための「4連問の教科書」です。
内容は下記の通りです。
CBT4連問で失敗しないコツ7選と対策方法まとめ【4連問の教科書:前編】
- CBT4連問とは?【対策のために4連問を理解しよう】
- CBT4連問の流れを実際に体験してみよう
- CBT4連問の流れを徹底解説【何が問われるか?を理解して対策しよう】
- 【王道の解き方とコツ】設問1/4:「問診スキル」
- 【王道の解き方とコツ】設問2/4:「身体診察」
- 【王道の解き方とコツ】設問3/4:「必要な検査」
- 【王道の解き方とコツ】設問4/4:「病態生理」
CBT4連問で失敗しないコツ7選と対策方法まとめ【4連問の教科書:後編】
- CBT4連問を知る【復習】
- 第1問目「問診スキル」の対策として「症候学」をかじろう
- QBから鑑別疾患を学ぶ
- 具体的にQBでCBT4連問の第1問目(設問1/1)を勉強する方法
- 鑑別!1st impression (MEDIC MEDIA)・総合診療科の参考書は必要か?
- TECOMのCBT基礎病態講座(4連問対策)は必要か?
- 番外編:QBのCBT4連問の解答に納得がいかない場合の対処法
- 第2問目「身体診察」の対策も「症候学」が大切
- 第3問目「必要な検査」・第4問目「病態生理」の対策は「QBvol2」
- 意識するだけでCBT4連問が得意になるコツ・テクニック集【7選】
- ①鑑別を思い浮かべ、「グルーピング」する。
- ②すべての選択肢を吟味して、「その内容を覚えておく」
- ③よく出る問題を「時系列にパターン化」を意識して脳死で解く
- ④「年齢」と主訴を意識して鑑別を考える
- ⑤見落としやすい・忘れやすい選択肢の意味を意識して覚える
- ⑥ひっかけ選択肢の意図を考える
- ⑦血液所見は素早く読めるように練習しておく
- 【みんな知らない4連問のメンタル対処法】with4連問がメンタルに良くない理由
- 4連問がメンタルに良くない理由
- 4連問のメンタルを保つ方法【知られざる対処法】
- 結局、覚えるのは自分の努力【まとめ】
CBT4連問とは?【対策のために4連問を理解しよう】
CBT4連問の概要はこちらをご覧ください。
CBT4連問について整理すると
- 一番最後で集中力の切れるブロック6で出題される
- 1症例に4つの問題(5択)、10症例で合計40問
- 問題(設問)の解答を確定すると後戻りできない
- 一番差が付きやすいブロック
ということになります。
さらに、覚えておいて欲しいのが「かなりメンタルにくる」ということです。
問題の解答を確定し、次の問題に進むと、前回の問題の答えが文章から推測できる場合があります。
つまり、本番中に「あ、間違えたな」と分かってしまいます。ここの対処法も紹介します。
CBT4連問の流れを実際に体験してみよう
1つの症例に、4つの設問があり、設問1/4→設問2/4→設問3/4→設問4/4という流れでしたね。
設問2/4を解いているときは設問1/4はもう変更できません。
本番では下記のように出題されます。体験してみたい人は先に解いてみてください。
百聞は一見にしかず!
【CBT4連問の例題】
問題文タップで次の問題が表示されます。
46歳の女性。4か月前から階段の昇降時や坂道を上がるときに息切れを感じ、次第に強くなってきた。1か月前から動悸が始まり、現在は疲労感も感じている。顔色が青白いと家族に指摘されて来院した。
医療面接として、重要でない質問はどれか。
A. 咳や痰は出ますか。
B. 歯肉から出血しやすくないですか。
C. 下肢がむくむことはありませんか。
D. 生理の量が増えていませんか。
E. 喉が渇きやすいことはありませんか。
CBT4連問の流れを徹底解説【何が問われるか?を理解して対策しよう】
4連問は公式に発表されている流れがあります。
必ずこの順番というわけではありませんが、大体の流れが決まっているので確認していきましょう。
共用試験ガイドブックによると、
- 設問1/4では、「医療面接の場面等での的確な情報収集」つまり「問診スキル」
- 設問2/4では、「身体診察等」
- 設問3/4では、「必要な検査等」
- 設問4/4では、「背景となる病態生理」
が出題されることになっています。
先ほどの例題と一緒に王道な解き方・コツを見ていきましょう。
設問1/4:「問診スキル」
【 設問1/4 】
46歳の女性。4か月前から階段の昇降時や坂道を上がるときに息切れを感じ、次第に強くなってきた。1か月前から動悸が始まり、現在は疲労感も感じている。顔色が青白いと家族に指摘されて来院した。
医療面接として、重要でない質問はどれか。
A. 咳や痰は出ますか。
B. 歯肉から出血しやすくないですか。
C. 下肢がむくむことはありませんか。
D. 生理の量が増えていませんか。
E. 喉が渇きやすいことはありませんか。
解答で解説した通り、「どんな問診もするのが最適か?」といった
「問診スキル」を問われるのがが4連問の第1問目(設問1/4)です。
この段階では鑑別を絞ることができません。(この疾患だ!とはなりにくい。)
どの問診が最適か?を考えるにあたって大切なのが、
「鑑別は何か(何系の疾患か)」を思い浮かべることが大切です。
普段、医学生が勉強する「疾患→症状」というプロセスではなく、
「症状→疾患」という思考プロセスが必要になります。
そして、選択肢を1つ1つ「どんな疾患を思い浮かべているか?」を考えながら
解答のように吟味していきましょう。
問題文のパターンも確認しておきましょう。
問題文のパターン一覧
- 問診で最も重要な質問はどれか。
- 医療面接で重要なのはどれか。
- まず問診ですべきことはどれか。
- もっとも聞くべき内容はどれか。
- 注意★問診の際に重要性が最も低いのはどれか。
- 注意★患者に聞くべきことを4つ選んだ時に残るのはどれか。
- 注意★この患者に質問するものを4つ選んだ時に最後に残るのはどれか。
などなど
厄介なのは最後の3つで「選択肢に優先順位をつけなければならない」という点が難しいです。
ここは「どれだけ鑑別を考えられて、それらの鑑別の症状を思い浮かべられるか」で決まってきます。
現実的な話をするとCBT4連問の1問目はかなり難しいです。
実際に、「CBT4連問の1問目は正答率が低く、間違っても得点に大きな差は出ない」と言われています。
設問2/4:「身体診察」
【 設問2/4 】
46歳の女性。4か月前から労作時の息切れを感じ、次第に強くなってきた。1か月前から動悸が始まり、現在は疲労感も感じている。顔色が青白いと家族に指摘されて来院した。咳や痰はないが、下肢が時々むくむ。歯肉からの出血はない。偏食はなく、喫煙歴もない。6か月前から生理が不規則となり、月経2日目と3日目の月経血量が多くなっている。
身体診察で見られる可能性が高いのはどれか。
A. 皮膚点状出血
B. 頸静脈コマ音
C. 頸部リンパ節腫脹
D. 脾腫
E. 深部感覚異常
解答で解説した通り、「身体診察」を問われるのがが4連問の第2問目(設問2/4)です。
この段階では鑑別が絞られてきます。
多くの人が、疾患名はわからずとも、何が起こっているかが把握できるのが第2問目です。
ここでのポイントは
①症候→疾患のプロセスで鑑別を絞り
②その疾患の時間経過を整理し、
③その鑑別の身体診察を思い出す。
という流れです。
「②疾患の時間経過を整理する」ことによって、本当に自分の鑑別が合っているか確かめることができます。
実臨床で優れた先生方は「問診で正確な時間経過を把握すれば9割診断が分かる」といいます。
ここで設問1/4(第1問目)の答えが分かってしまって、
ショック受ける人が沢山いるよね。
実はそれには対処法があるんだ。あとで教えよう!
問題文のパターンを見ておきましょう。
問題文のパターン一覧
- みられる所見はどれか。
- 症状として考えられるのはどれか。
- この患者にもっともみられる可能性が高いのはどれか
- この患者に認められると予想される所見はどれか。
- 本疾患と関連する身体所見はどれか
- 注意★次の所見のうち、もっとも考えにくいのはどれか。
などなど。
厄介なのが「もっとも考えにくいのはどれか」という問題です。
特徴的な身体所見のみを覚えているだけでは解けません。
例えば、疾患Aを疑って、「病気が見える」で調べたとしても身体所見では特徴的なものしか書いていないのです。
したがって、単に疾患の特徴の勉強だけでなく、病態で考える必要があります。
一つ例を挙げます。(身体診察所見と検査所見は異なりますが、無視して読んでください。)
【本当にあった怖い話】 単に疾患の特徴の勉強だけでなく、病態で考える必要があるよ編
呼吸器感染の疑いの症例で、見られる可能性が高い所見を選べという問題でした。
選択肢に「両側肺門リンパ節腫脹」がありました。
両側肺門リンパ節腫脹はサルコイドーシスの特徴的な所見として、
「病気が見える」や「medu4」、「Q-assist」といった映像授業でもとてつもなく強調されます(笑)
なので、多くの医学生が「両側肺門リンパ節腫脹はサルコイドーシスのキーワードだから、今回は違う。」と考えます。
しかし、答えは両側肺門リンパ節腫脹でした。
細菌やウイルス感染が起こると免疫が活性化しリンパ節が腫脹します。
この症例では肺まで感染が広がり、両側肺門リンパ節が腫脹していた訳です。
つまり、この問題では「君たち、肺門リンパ節腫脹ときたらサルコイドーシスだと思っちゃうよね?」と引っかけられたわけです。
この体験談から分かるように、
疾患の特徴に飛びつくのではなく、病態で考えると間違えにくくなるということです。
設問3/4:「必要な検査」
【 設問3/4 】
46歳の女性。4か月前から労作時の息切れ、1か月前から動悸、現在は疲労感が出現し増悪したため来院。顔色は蒼白で、眼瞼結膜に貧血を認める。収縮期雑音と頸静脈コマ音を聴取する。腹部に異常所見はない。血液所見:赤血球350万、Hb7.0、Ht21%、MCV60fL、白血球5000、血小板28万。血液生化学所見:総コレステロール132mg/dL、AST・ALT正常、末梢血塗抹標本では菲薄化した赤血球が観察された。
診断に必要な検査はどれか。
A. フェリチン
B. ハプトグロビン
C. ビタミンB12
D. 補体価
E. セルロプラスミン
「必要な検査」を問われるのがが4連問の第3問目(設問3/4)です。
設問1/4で鑑別を列挙し、設問2/4で鑑別を絞りましたね。
設問3/4では身体診察の所見が開示され、血液検査といった基礎データも開示されます。
ここでほぼ症例の診断が分かります。
ここで大切なのが、問題文の聞かれ方に対応することです。
問題文のパターン一覧
- まず行うべき検査はどれか
- 優先して行うべき検査はどれか
- 次に行うべき検査はどれか。
- 有効な検査はどれか
- 注意★次に行う検査として必要のないのはどれか。
- 注意★不要な検査はどれか。
- 注意★不適切な検査はどれか。
- 注意★見られる可能性が低い所見はどれか。
- 注意★異常がみられる部位はどこか。
などなど。
まれだが、設問3/4で「診断はどれか?」を聞く問題がある。
以上の問題パターンからポイントをまとめると
①検査の優先順位を決める
②病態から不必要な検査・禁忌を見つけ出す。
③画像検査(CT・X線・MRI・超音波・血液検査)が読める+見られる所見を覚える。
といった能力が必要です。
分かりにくいので、例を見ながらポイントを押さえていきましょう。
【例①】聞き方によって答えとなる検査が変わる
子宮筋腫の診断はMRIがすぐれているので、
「有効な検査はどれか。」や「次に行う検査はどれか。」の答えは「MRI」になります。
しかし、「まず行うべき検査はどれか。」や「優先して行うべき検査はどれか」という場合には、
簡便で迅速で、もし妊娠していても問題がない「超音波」が解答になります。
つまり、聞き方によって答えとなる検査が変わります。
したがって、検査の優先順位(「まず」なのか、「次」なのか、「優先」なのか、「有効なのか」)には
細心の注意を払って解答しましょう。
【例②】病態から不必要な検査・禁忌を見つけ出す。
病態からとか言ったんですけど、ぶっちゃけ暗記ですね。
- 次に行う検査として必要のないのはどれか。
- 不要な検査はどれか。
- 不適切な検査はどれか。
といった質問は病態から考えるも良し、暗記するも良し。
例)脳腫瘍や脳梗塞の検査として「不適切な検査はどれか。」という問題がよくあります。
おそらく読者の方は「あ、髄液検査だな!」と分かった方もいると思います。
そうです。頭蓋内圧が亢進する疾患では髄液検査、つまり脊髄穿刺をすると脳ヘルニアをおこすため禁忌です。
例)妊娠末期で子宮内感染が疑われる患者で「不適切な検査はどれか」という問題の答えは
「内診(膣の状態を指で確認する検査)」でした。
これは指が羊膜を傷つけて破水してしまう可能性があるからです。
意外と忘れがちなので注意しましょう。
【例③】画像検査の読み方・見られる所見を覚える。
見られる可能性が低い所見はどれか。
→これは特徴的な所見を全て覚えていないと難しいです。(解決法は後述)
たとえば、Crohn病(クローン病)では
「狭窄・縦走潰瘍・敷石像(cobblestone appearance) ・瘻孔」といった所見が見られます。
異常がみられる部位はどこか。
→場所が分かればいいので、意識して画像を読んで覚えておきましょう。
また、知識的に好発部位を覚えておくと得します(笑)
長くなりましたが、まとめると、
- 検査に優先順位をつけ、設問文の意図(聞き方)に注意して答える。
- 不必要な検査・禁忌・画像の読み方・見られる所見は暗記できるなら暗記する。
となります。
設問4/4:「病態生理」
【 設問4/4 】
46歳の女性。4か月前から労作時の息切れ、1か月前から動悸、現在は疲労感が出現し増悪したため来院。顔色は蒼白で、眼瞼結膜に貧血を認める。収縮期雑音と頸静脈コマ音を聴取する。血液所見:赤血球350万、Hb7.0、Ht21%、MCV60fL、白血球5000、血小板28万。末梢血塗抹標本では菲薄化した赤血球が観察された。血清フェリチン0.8ng/dL(基準4.0~64.2)、N・K正常、Fe24μg/dL。
この患者で血清鉄が低地となった機序はどれか。
A. 鉄の吸収障害
B. 鉄の還元能力低下
C. 鉄の利用能減少
D. 鉄の体内貯蔵量減少
E. 鉄の血清中輸送能低下
「病態生理」を問われるのが4連問の第4問目(設問4/4)です。
病態生理が中心に出されますが、いろんなパターンあります(下記参照)。
CBT4連問は臨床推論(症状から鑑別を想起する)を模した問題構成ですが、
4連問の第4問目(設問4/4)は臨床推論ではなく、疾患の知識が点数を上げます。
最後の問題だから
「臨床推論と関係が薄く、疾患をどれだけ知ってるか」
なんだね。
4連問の中では一番解きやすく、苦手にしている人は少ないです。
一応、設問文のパターン(頻度が多いもの)を記載しますが、これ以外にも色々あります。
設問文のパターン一覧
- この疾患はどれか
- この疾患を引き起こす原因はどれか。
- この疾患の原因となっているのはどれか。
- 病変部はどこか。
- この患者の病態はどれか
- この患者における病態の原因はどれか。
- この病変の形成に関与する因子はどれか。
- 本症の好発部位はどこか。
- この疾患のリスクとならないのはどれか。
- 上昇する腫瘍マーカーはどれか
- この疾患でみられる自己抗体はどれか
- 治療法としてもっとも適切なのはどれか。
などなど。
ここで注意して欲しいポイントは
CBTでは王道の疾患の治療法は出題される
ということです。
「CBTに治療法は出ないから、すべて捨てよう」といった情報が回った時期がありました。
しかし、残念ながら出題されます。
治療法も覚えておきましょう。(覚え方は後述します。)
以上、この章をまとめると下記のようになります。
CBT4連問の流れを徹底解説
設問1/4:「問診スキル」
症状→疾患のプロセスで多くの鑑別を思い浮かべ、選択肢に優先順位をつける。
設問2/4:「身体診察」
症候→疾患のプロセスで鑑別を絞り、時間経過を整理し、身体診察を思い出す。
単に疾患の特徴の勉強だけでなく、病態で考える
設問3/4:「必要な検査」
検査に優先順位をつけ、設問文の意図(聞き方)に注意して答える。
検査・禁忌・画像の読み方・見られる所見は暗記できるなら暗記する。
設問4/4:「病態生理」
臨床推論ではなく、疾患の知識が点数を上げる。治療法も出題される。
後編に続く。
量が多くなってしまったので、二部(前編と後編)に分けました。
終わりに
お疲れ様でした~(^^♪
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