
CBT国家試験的に重要なCD細胞表面マーカーについて教えてほしい。



この記事でCD細胞表面マーカーの重要なポイントをまとめます。
様々なポイントがあるので
関連記事(覚え方&ゴロ)も全てここにまとめます!
確認問題も作りました!
かなり長いですが全て重要なので頑張りましょう。
- step1. 正常細胞と細胞表面マーカー(CD)の組み合わせを覚える
- step2. 疾患と細胞表面マーカー(CD)の組み合わせを覚える
- step3. 治療(モノクローナル抗体)と細胞表面マーカー(CD)の組み合わせを覚える
上記の内容に加えて、
- 細胞表面マーカー(CD)の使い分けと解釈
- CD4/CD8比が上昇・低下する疾患一覧
- 確認問題
- 医師国家試験【114D22】【113D54】【113C47】の解説
で記憶に定着するようにサポートします。
【CD分類一覧】細胞表面マーカーと正常細胞の覚え方・ゴロ【CBT国試対策】
試験で重要な正常細胞のCD細胞表面マーカー
- T細胞全般:CD2陽性・CD3陽性・CD5陽性・CD7陽性
- ヘルパーT細胞:CD4陽性
- 細胞障害性T細胞(CTL)(キラーT細胞):CD8陽性
- 制御性T細胞(Treg):CD4陽性・CD25陽性
- NK細胞:CD16陽性・CD56陽性
- B細胞:CD10陽性・CD19陽性・CD20陽性・CD21陽性・CD22陽性・CD23陽性
- 造血幹細胞:CD34陽性
- ランゲルハンス細胞(Langerhans細胞):CD1a陽性



「ランゲルハンス細胞(Langerhans細胞):CD1a陽性」
って、Langerhans細胞をよく見ると1aに見えてきませんか!?



た、確かに!
自家末梢血造血幹細胞移植ではCD34が重要です。
自家末梢血造血幹細胞移植では下記①~③ステップがあります。
①G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子)という薬剤を投与して造血幹細胞を末梢血中に動員する
②静脈血を採取しCD34陽性細胞(造血幹細胞)を選別して収集
③強力な抗癌剤(大量化学療法)を行い、骨髄を完全に破壊したのちに、収集した造血幹細胞を移植する
【CD分類一覧】細胞表面マーカーと疾患の覚え方・ゴロ【CBT国試対策】
試験で重要な疾患のCD細胞表面マーカー
- PNH発作性夜間ヘモグロビン尿症:CD55陰性CD59陰性PNH型血球
- B細胞性非ホジキンリンパ種:CD20陽性B細胞腫瘍
- ホジキンリンパ腫(Hodgkin細胞・Reed-Sternberg細胞):CD30陽性
- CLL慢性リンパ性白血病:CD5陽性・CD19陽性・CD20陽性・CD23陽性
- AML急性骨髄性白血病FAB分類
M0などの骨髄系腫瘍:CD13陽性・CD33陽性
M7などの巨核球系腫瘍:CD41陽性・CD61陽性
⇔ALL:CD13・CD33・CD41・CD61が陰性 - 多発性骨髄腫:CD38陽性
- Sezary症候群(Sezary細胞):CD4陽性
- ATL(flower cell):CD3陽性・CD4陽性・CD25陽性
- GIST:CD34陽性
- Langerhans細胞組織球症:CD1a陽性
- その他は下記で説明します
CD4陽性T細胞に感染するウイルス2種類【CBT国試対策】
CD4陽性T細胞に感染するウイルス2種
CD4陽性T細胞(ヘルパーT細胞)に感染するウイルスは
- HIV:human immunodeficiency virus ヒト免疫不全ウイルス
- HTLV-1:human T-cell leukemia virus type 1 ヒトT細胞白血病ウイルス1型
の2種が有名です。
HIVとHTLV-1の共通点は逆転写酵素を持つレトロウイルスということです。
特に、HTLV-1感染による成人T細胞白血病ではCD4陽性CD25陽性のflower cellが有名です。
【メモ】
HIV感染はAIDSのリスク、HTLV-1はATLのリスクになります。
AIDS:acquired immunodeficiency syndrome 後天性免疫不全症候群
ATL:Adult T-cell leukemia 成人T細胞白血病・リンパ腫
悪性リンパ腫の鑑別に有用な細胞表面マーカーCD分類【CBT国試対策】
ここで、上記で説明できなかった細胞表面マーカーCDの臨床的意義について説明します。
下記表の略字と追記
DLBCL(びまん性大細胞Bリンパ腫):悪性リンパ腫の中で日本で最多
濾胞性リンパ腫:悪性リンパ腫の中で日本で2番目に多い
Burkittリンパ腫:悪性リンパ腫の中で予後最悪
CLL/SLL:慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ
ALL:急性リンパ性白血病
B細胞全般 CD19 | 成熟B細胞 CD20 | 胚中心由来 未熟B細胞 CD10 | T細胞 CD5 | Bリンパ芽球 CD23 | |
---|---|---|---|---|---|
DLBCL | 〇 | 〇 | |||
濾胞性リンパ腫 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
Burkittリンパ腫 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
マントル細胞リンパ腫 | 〇 | 〇 | 〇 | ||
CLL/SLL | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 | |
ALL | 〇 | ✖ | △ |
B細胞全般に発現しているのがCD19であり、未熟であればCD10陽性、成熟するとCD10は陰性になりCD20陽性となります。
以上から、ALLはB細胞性腫瘍ですが、分化障害があるため成熟できずCD20は陰性になります。
また、予後不良の悪性リンパ腫であるBurkittリンパ腫は未熟性を保ったまま増殖するためCD10が陽性になります。
CLLでは、B細胞系マーカーであるCD19/CD20/CD23が陽性に加えて、T細胞系マーカーであるCD5が陽性になる特徴があります。
(その他、濾胞性リンパ腫も胚中心由来なのでCD10陽性になる。)
cf. その他免疫染色
BCL2 | BCL6 胚中心由来 | その他 | |
---|---|---|---|
DLBCL | △ | △ | ±CD79a |
濾胞性リンパ腫 | 〇 | 〇 | ±CD79a BCL2過剰発現 |
Burkittリンパ腫 | ✖ | 〇 | C-MYC過剰発現 Ki-67>90% |
マントル細胞リンパ腫 | 〇 | ✖ | Cyclin D過剰発現 |
CLL/SLL | 〇 | ✖ |
〇:陽性、△:症例による、✖:陰性。
その他、覚えておくべきポイントは
- 悪性リンパ腫でCD30陽性であればホジキンリンパ腫であり、モノクローナル抗体で治療可能(下記詳細)
- 非ホジキンリンパ腫の中でCD20またはCD79陽性であればモノクローナル抗体で治療可能(下記詳細)
- C-MYC陽性はBurkittリンパ腫、+Cyclin Dはマントル細胞リンパ腫の特徴
の3点です。
急性白血病FAB分類の鑑別に有用な細胞表面マーカーCD分類【CBT国試対策】
造血幹細胞から分化する細胞として、骨髄系幹細胞とリンパ系幹細胞の2つがあります。
骨髄系幹細胞はさらに
- 顆粒球(好中球・好酸球・好塩基球)と単球
- 赤血球
- 血小板(巨核球から生じる)
へ分化し、
リンパ系幹細胞は
- リンパ球(T細胞・NK細胞・B細胞)
へ分化します。



顆粒球もリンパ球も同じ白血球なのに発生の仕方が少し違うんだね。



リンパ球(T細胞・NK細胞・B細胞)のCD細胞表面マーカーは
頻出だから覚えておこう。
ついでに、試験であまり見ない顆粒球・単球・赤血球・血小板の
CD細胞表面マーカーもまとめておきます。
その他のCD細胞表面マーカー
- 顆粒球単球系(骨髄系):CD13陽性・CD14陽性・CD15陽性・CD16陽性・CD33陽性
- 顆粒球:CD13陽性・CD33陽性
- 単球/マクロファージ:CD14陽性・CD68陽性
- 赤血球:ヘモグロビンA・グリコホリンA
- 巨核球:CD41陽性・CD42陽性・CD61陽性
特に、急性白血病のFAB分類の鑑別に
- 骨髄系マーカー:CD13陽性・CD33陽性(→FAB分類M0)
- 赤血球系マーカー:ヘモグロビンA・グリコホリンA(→FAB分類M6)
- 巨核球系マーカー:CD41陽性・CD61陽性→(FAB分類M7)
が用いられます。
急性白血病には骨髄性とリンパ性の2種類があります。
骨髄性にはM0からM7まであり基本的にMPO染色(ミエロペルオキシダーゼ染色)で染まります。
しかし、例外があり、その代表例がM0とM7です。
cf. 【急性白血病FAB分類】MPO染色陽性?陰性?鑑別の覚え方・ゴロ【原理と意義】
MPO染色で染まらないとなると、骨髄性かリンパ性かの鑑別が難しくなります。
その時に活躍するのがCD細胞表面マーカーです。
M0は骨髄系の腫瘍なのでCD13・(CD14・CD15・CD16)・CD33が陽性になり、
M7は骨髄系の中でも巨核球系の腫瘍なのでCD41やCD42やCD61が陽性になり、
逆にリンパ性白血病では上記のCD細胞表面マーカーは陰性(発現量が少ない)となります。
特にCD13・CD33・CD41・CD61が利用されます。
cf. 【MPO染色陰性】骨髄系M0巨核球系M7の細胞表面マーカーの覚え方・ゴロ
CD4/CD8比が上昇・低下する疾患一覧【覚え方・ゴロでCBT国試対策】
試験で重要なCD4/CD8比が上昇・低下する疾患
- CD4/CD8比上昇:サルコイドーシス・ATL・鳥関連過敏性肺炎・農夫肺・加湿器肺・キノコ栽培者肺
- CD4/CD8比低下:AIDS・夏型過敏性肺炎・塗装工肺
サルコイドーシス&ATL&AIDS



サルコイドーシスとATLは結構共通点が多いです!
・高カルシウム血症
・CD4/CD8比が上昇
・可溶性IL-2が高値
ちなみに、可溶性IL-2が高値と言えば、特に
ATL・サルコイドーシス・悪性リンパ腫!
過敏性肺炎について
過敏性肺炎は急性と慢性があり、
- 急性期は細胞障害性T細胞が上昇するためCD4/CD8比が低下
- 慢性期はヘルパーT細胞が上昇するためCD4/CD8比が上昇
と考えると見通しが良いです。
下記共通して抗原回避が重要です。
■急性:CD4/CD8比が低下&重症例にはステロイドが有効
- 夏型過敏性肺炎(全体の7割):トリコスポロン→Trichosporon asahii特異抗体陽性
- 塗装工肺:イソシアネート(ウレタン)
■慢性:CD4/CD8比が上昇、抗線維化薬が有効
- 鳥関連過敏性肺炎(慢性の6割):鳥糞&羽毛→鳥抗原特異的IgG抗体陽性(鳩&インコ)
- 農夫肺:放線菌
- 加湿器肺:細菌&真菌
- キノコ栽培者肺:キノコ&細菌&真菌



国試出題委員に過敏性肺炎の大家の先生がいらっしゃる
鳥抗原特異的IgG抗体陽性が保険適応になった
ということで最近のホットトピックです。
細胞表面マーカーCDと疾患と治療薬(モノクローナル抗体薬)の組み合わせ
- CD19→ブリナツモマブ(ALL:二重特異性抗体):ALL再発例
- CD22→イノツズマブ オゾガマイシン:ALL再発例
- CD20→リツキシマブ(B細胞系腫瘍など)
- CD30→ブレンツキシマブ ベドチン(ホジキンリンパ腫)
- CD38→ダラツムマブ(形質細胞腫瘍MM)
- CD79→ポラツズマブ ベドチン(B細胞系腫瘍)
- CCR4(CD194)→モガムリズマブ(ATL・菌状息肉症などT細胞腫瘍)
※CCR4:抗CCケモカイン受容体4ヒト化モノクローナル抗体



1stになり得る治療を太文字にしました。
5つは覚えましょう。
CD30/38/79/CCR4もそろそろ国試に出ると思ってます。
CD20陽性:リツキシマブ適応
リツキシマブはCD20陽性の腫瘍以外にも適応が拡大し、様々な疾患が試験で出題されます。
覚えやすいように別記事で解説予定です。
CD30陽性:ホジキンリンパ腫にブレンツキシマブ ベドチン(BV-AVD療法)


ホジキンリンパ腫に対してはABVD療法が有名ですが、近年は変わりつつあります。
上記のABVD療法にBV-AVD療法が加わりました。
(B:ブレオマイシンが削除され、BV:ブレンツキシマブ ベドチンが追加されたレジメン)
化学療法はABVD療法(DXR,BLM,VBL,DTIC)が標準である。最近,進行期CHLに対しCD30を標的とする抗体薬剤複合体であるブレンツキシマブ ベドチン(BV)併用AVD療法(DXR,VBL,DTIC)が治療選択肢に加わった。
引用:造血器腫瘍診療ガイドライン2023年版
CD79陽性:非ホジキンリンパ腫にポラツズマブ ベドチン(pola-R-CHP療法)


非ホジキンリンパ腫に対してR-CHOP療法が有名ですが、近年は変わりつつあります。
上記のR-CHOP療法にpola-R-CHP療法が加わりました。
(V:ビンクリスチンが削除され、pola:ポラツズマブ ベドチンが追加されたレジメン)
Bulky massの有無を問わず,18~80歳でIPIスコアが2以上の患者に対しては,ポラツズマブ ベドチン(Pola)併用 R-CHP療法6コース(+R単独療法2コース)も標準治療の一つとして推奨される。
引用:造血器腫瘍診療ガイドライン2023年版
Among patients with previously untreated intermediate-risk or high-risk DLBCL, the risk of disease progression, relapse, or death was lower among those who received pola-R-CHP than among those who received R-CHOP.
引用:Polatuzumab Vedotin in Previously Untreated Diffuse Large B-Cell Lymphoma
CD38陽性:形質細胞腫瘍MMにダラツムマブ
詳細は下記を参照してください。
確認問題:細胞表面マーカーCDの使い分け
難易度★
Q:正しいものを全て選べ。
①CD3はT細胞全般で発現する
②ヘルパーT細胞はCD8陽性が特徴である
③制御性T細胞はCD25陽性が特徴である
④NK細胞はCD56陽性が特徴である
➄CD20は未熟B細胞で発現する
⑥CD19はB細胞全般で発現する
⑦造血幹細胞はCD34陽性が特徴である
⑧ランゲルハンス細胞はCD10陽性が特徴である
A:①③④⑥⑦
②CD4陽性である
➄CD20は成熟B細胞で発現し、未熟B細胞では陰性である。
⑧CD1a陽性が特徴である。
難易度★★
Q:正しいものを全て選べ。
①発作性夜間ヘモグロビン尿症:CD16陰性CD56陰性
②びまん性大細胞Bリンパ腫:CD20陽性
③Hodgkin細胞:CD38陽性
④慢性リンパ性白血病:CD5陽性・CD23陽性
➄骨髄系腫瘍:CD13陽性・CD33陽性
⑥巨核球系腫瘍:CD41陽性・CD61陽性
⑦flower cell:CD25陽性
⑧GIST:CD30陽性
⑨Langerhans細胞組織球症:CD1a陽性
A:②④➄⑥⑦⑨
①CD16・CD56はNK細胞で発現する細胞表面マーカーであり、発作性夜間ヘモグロビン尿症とは関係ない。
発作性夜間ヘモグロビン尿症ではCD55陰性CD59陰性PNH型血球が特徴である。
②びまん性大細胞Bリンパ腫は非ホジキンリンパ腫であり、CD20が陽性の場合があり、その場合はリツキシマブが適応になる(R-CHOP療法)
③ホジキンリンパ腫(Hodgkin細胞・Reed-Sternberg細胞)ではCD30が陽性の場合があり、その場合はブレンツキシマブ ベドチンが適応になる(BV-AVD療法)。
CD38陽性は多発性骨髄腫の特徴であり、ダラツムマブが適応になる
④CLLはB細胞マーカーに加えて、T細胞マーカーのCD5とBリンパ芽球のCD23が陽性になるのが特徴である。
⑦flower cellはATL(ATLL:成人T細胞白血病/リンパ腫)の特徴であり、CD3陽性・CD4陽性・CD25陽性が有名。
⑧GISTでは造血幹細胞と同様にCD34陽性が特徴である。
難易度★★★
Q:正しいものを全て選べ。
①HIVはCD4陽性T細胞に感染する
②濾胞リンパ腫とBurkittリンパ腫はCD10陽性となる
③ALLではCD20が陽性となる
④非ホジキンリンパ腫ではCD79陽性となる場合がある
➄BCL6過剰発現は濾胞性リンパ腫の特徴である。
⑥Burkittリンパ腫ではBCL2陰性BCL6陽性が特徴である
⑦C-MYC過剰発現はびまん性大細胞Bリンパ腫を示唆する
⑧Cyclin D過剰発現はマルトリンパ腫を示唆する
A:①②④⑥
③:ALLでは分化異常のため細胞が未熟で成熟できず、成熟B細胞に発現するCD20は陰性である。
➄BCL2過剰発現は濾胞性リンパ腫の特徴である。
⑥濾胞性リンパ腫もBurkittリンパ腫も共に胚中心由来の腫瘍であり、CD10とBCL6陽性が特徴である。
⑦C-MYC過剰発現はBurkittリンパ腫の特徴である。
⑧
マントルリンパ腫:〇
マルトリンパ腫:✖(ピロリ菌感染が関わる)
難易度★
Q:典型例として正しいものを全て選べ。
①CD4/CD8比上昇:サルコイドーシス
②CD4/CD8比低下:農夫肺
③CD4/CD8比上昇:AIDS
④CD4/CD8比低下:夏型過敏性肺炎
➄CD4/CD8比上昇:鳥関連過敏性肺炎
⑥CD4/CD8比低下:塗装工肺
⑦CD4/CD8比上昇:成人T細胞白血病リンパ腫
⑧CD4/CD8比低下:加湿器肺
A:①④➄⑥⑦
過敏性肺炎の中で、夏型過敏性肺炎と塗装工肺はCD4/CD8比が低下するが、その他の過敏性肺炎はCD4/CD8比が上昇すると考えて良い。
そのうえで、
サルコイドーシス&ATLはCD4/CD8比上昇
AIDSはCD4/CD8比低下
と考える。
難易度★★
Q:正しいものを全て選べ。
①CD19陽性ALLの第一選択としてブリナツモマブが適応になる
②CD20陽性B細胞腫瘍にリツキシマブが適応になる
③CD30陽性ホジキンリンパ腫にポラツズマブ ベドチンが適応になる
④CD79陽性非ホジキンリンパ腫にブレンツキシマブ ベドチンが適応になる
➄CCR4抗体であるモガリズマブは菌状息肉症に適応になる
A:②➄
①2024年時点ではALL再発に対して適応がある
②リツキシマブ適応疾患については別記事でまとめます。
③④は逆
確認問題:医師国家試験【114D22】解説


医師国家試験【114D22】改題
30歳の男性。貧血の精査のため来院した。昨年の健康診断では異常を指摘されなかったが、2週前から労作時息切れが出現したため自宅近くの診療所を受診したところ、貧血を指摘され精査のため紹介されて受診した。脈拍88/分、整。血圧122/78mmHg。眼瞼結膜は貧血様で眼球結膜に黄染を認めない。血液所見:赤血球302万、Hb 8.3g/dL、Ht 28%、白血球2,400(桿状核好中球3%、分葉核好中球28%、好酸球2%、単球5%、リンパ球62%)、血小板5万。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本を別に示す。異常細胞のペルオキシダーゼ染色は陰性で、表面マーカー解析ではCD10とCD19が陽性で、CD20とCD33は陰性であった。染色体検査でPhiladelphia染色体が検出された。
考えられる疾患はどれか?
a 急性骨髄性白血病(AML)
b 急性リンパ性白血病(ALL)
c 慢性骨髄性白血病(CML)
d 慢性リンパ性白血病(CLL)
答えは b
ペルオキシダーゼ染色は陰性かつCD33陰性より骨髄系は否定的。
CD20は陰性であり成熟B細胞性腫瘍は否定的。
CD10とCD19が陽性のため分化障害を伴うB細胞系腫瘍が疑われる。
骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本では顆粒を持たないリンパ系細胞が増殖している。
(厳密にはペルオキシダーゼ染色陰性のため骨髄系ではなくリンパ系と判断する。)
急性発症で血小板も低下しており、急性リンパ性白血病の可能性が高い。
本症例はPhiladelphia染色体が陽性なのでイマチニブが適応となる。
確認問題:医師国家試験【113D54】解説


医師国家試験【113D54】
57歳の男性。発熱と倦怠感を主訴に来院した。1か月前に右頸部腫瘤に気付いた。2週間前から38℃台の発熱と倦怠感をきたし、軽快しないため受診した。右頸部に径1.5cmのリンパ節を3個触知する。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。既往歴と家族歴に特記すべきことはない。意識は清明。身長170cm、体重68kg。体温37.4℃。脈拍100/分、整。血圧132/90mmHg。呼吸数24/分。SpO2 98%(room air)。血液所見:赤血球210万、Hb 7.4g/dL、Ht 23%、白血球16,000(異常細胞60%)、血小板5万。骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本を別に示す。骨髄細胞の染色体分析では正常男性核型であった。異常細胞のペルオキシダーゼ反応は陰性。表面マーカー解析ではCD19陽性、CD20陰性、CD33陰性、TdT(terminal deoxynucleotidyl transferase)陽性であった。
診断はどれか。
a 急性骨髄性白血病
b 急性リンパ性白血病
c 慢性骨髄性白血病
d 慢性リンパ性白血病
e 成人T細胞白血病
答えは b
CD20は陰性で分化障害を伴い、CD19が陽性でB細胞系腫瘍であり、CD33が陰性のため骨髄系は否定的なので、
未熟(分化障害を伴う)B細胞系腫瘍が疑われる。
骨髄血塗抹May-Giemsa染色標本では顆粒を持たないリンパ系細胞が増殖している。
(厳密にはペルオキシダーゼ染色陰性のため骨髄系ではなくリンパ系と判断する。)
MPO染色陰性かつTdT染色陽性であるためリンパ性白血病であり、
急性発症で血小板減少を伴うため急性リンパ性白血病の可能性が高い。
確認問題:医師国家試験【113C47】解説


医師国家試験【113C47】改題
24歳の女性。発熱と頸部腫瘤を主訴に来院した。2か月前から左頸部腫瘤を自覚していた。2週間前に発熱と寝汗が出現し、改善しないため受診した。6か月で7kgの体重減少があった。体温37.8℃。脈拍96/分、整。左頸部、左鎖骨上窩および両側鼠径部に弾性硬、圧痛のない径2~3cmのリンパ節を4個触知する。左頸部リンパ節の生検組織のH-E染色標本を別に示す。免疫染色ではCD30陽性の細胞を認める。
a 急性骨髄性白血病
b 急性リンパ性白血病
c 慢性骨髄性白血病
d 慢性リンパ性白血病
e ホジキンリンパ腫
答え e
ホジキンリンパ腫の異常細胞(Hodgkin細胞やReed-Sternberg細胞)はCD30が強陽性(強く発現している)になる特徴がある。
悪性リンパ腫のB症状「発熱・寝汗・体重減少」、
病理組織標本ではReed-Sternberg細胞よりホジキンリンパ腫の可能性が高い。


終わりに
お疲れさまでした。参考になれば幸いです。



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