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【クッシング症候群とアルドステロン症】対側副腎機能の抑制機序【CBT国試対策】

【クッシング症候群とアルドステロン症】対側副腎機能の抑制機序【CBT国試対策】
悩む人

クッシング症候群とアルドステロン症での
副腎機能やACTH日内変動について教えて欲しい。

こういった悩みを解決します。

本記事では医師国家試験で出題されたクッシング症候群とアルドステロン症の違いについてまとめました。

覚えられるように機序から解説していきます。

ハレル

理論的に考えてサクッと覚えちゃおう!

事前知識としてコチラ↓を確認してから進みましょう。

CRHやACTHが分からない場合はコチラ↓で復習してから進みましょう。

目次:クリックで飛べます。

【クッシング症候群とアルドステロン症】対側副腎機能の抑制機序【CBT国試対策】

【Cushing症候群 VS 原発性アルドステロン症 比較まとめ】

Cushing症候群(副腎癌・副腎腺腫)では

  • ①ACTHの分泌が抑制され、日内変動は消失し、
  • ②対側(健側)副腎機能が抑制されるため、
  • ③患側副腎摘出後は副腎クリーゼを回避するためにステロイドを補充する。

原発性アルドステロン症では

  • ①ACTHの分泌は抑制されず、日内変動は保たれ
  • ②対側(健側)副腎機能は抑制されず
  • ③患側副腎摘出後はステロイドの補充は不要

覚え方とポイント:

  • CRHとACTHの分泌は
    コルチゾール(糖質コルチコイド)のネガティブフィードバックによって制御されるが、
    アルドステロン(鉱質コルチコイド)やアンドロゲン系には制御されない。

  →ACTHはコルチゾールのネガティブフィードバックにのみ制御される!

  • 副腎機能はACTHの持続的な分泌によって保たれる。

CRHとACTHの分泌制御(ネガティブフィードバック機構)

Cushing症候群(副腎癌・副腎腺腫)では、患側から分泌されたコルチゾールによって

  • 視床下部からCRHの分泌を抑制
  • 下垂体前葉からACTHの分泌を抑制

というネガティブフィードバックが働きます。

コルチゾールのネガティブフィードバックによってACTHは低値に抑制されるため、

ACTHの日内変動は消失します。

ACTHは副腎皮質の細胞増殖・代謝を促進することで、

  • 球状層からアルドステロン(鉱質コルチコイド)
  • 束状層からコルチゾール(糖質コルチコイド)
  • 網状層からアンドロゲン

の分泌を増加させ、副腎機能を保つ働きがあります。

したがって、Cushing症候群(副腎癌・副腎腺腫)では、

患側から分泌されたコルチゾールによって血中ACTHは低値に抑制されるため、

健側(対側)の副腎機能は抑制されてしまいます。

悩む人

健側の副腎機能が抑制されている
健側の副腎皮質ホルモンの分泌機能が低下している
ってことだから、患側副腎摘出後の副腎クリーゼに気を付けよう。

ハレル

続いて、原発性アルドステロン症について考えてみよう!

原発性アルドステロン症では、

患側から分泌されたアルドステロンによって血圧が上昇し、腎血流が増加するので、

健側(対側)からのレニン分泌が抑制されアルドステロン分泌は抑制されます。

しかし、コルチゾールの分泌は正常時と変わらないため、

下垂体前葉からACTHは通常時と変わらず分泌されます。

つまり、ACTHの日内変動は保たれ、健側(対側)の副腎機能は抑制されません。

確かに、健側(対側)のアルドステロン分泌は抑制されていますが、

  • 『ACTHの分泌が保たれている限り、副腎皮質の細胞増殖・代謝は保たれるため、副腎機能が抑制されることはない』

ということです。

悩む人

健側の副腎機能が保たれている
健側の副腎皮質ホルモンの分泌機能は保たれている
ってことだから、患側副腎摘出後の副腎クリーゼの心配は少ないね!

※アルドステロン分泌のみに注目して「対側副腎機能は抑制される」と書いてある成書もありますが、
 国家試験(104A60(下記に記載))では「対側副腎機能は抑制されない」と出題があるので
 この記事で解説した機序通りに覚えてしまいましょう。

以上の機序・覚え方・ポイントをまとめると下記のようになります。(再掲)

覚え方とポイント:

  • CRHとACTHの分泌は
    コルチゾール(糖質コルチコイド)のネガティブフィードバックによって制御されるが、
    アルドステロン(鉱質コルチコイド)やアンドロゲン系には制御されない。

  →ACTHはコルチゾールのネガティブフィードバックにのみ制御される!

  • 副腎機能はACTHの持続的な分泌によって保たれる。

これら↑を頭に入れると、Cushing症候群 VS 原発性アルドステロン症 を理解しやすいと思います。

【Cushing症候群 VS 原発性アルドステロン症 比較まとめ】

Cushing症候群(副腎癌・副腎腺腫)では

  • ①ACTHの分泌が抑制され、日内変動は消失し、
  • ②対側(健側)副腎機能が抑制されるため、
  • ③患側副腎摘出後は副腎クリーゼを回避するためにステロイドを補充する。

原発性アルドステロン症では

  • ①ACTHの分泌は抑制されず、日内変動は保たれ
  • ②対側(健側)副腎機能は抑制されず
  • ③患側副腎摘出後はステロイドの補充は不要

subclinical Cushing症候群と原発性アルドステロン症の偶然発見【副腎偶発腫】

対比されて出題される疾患として、subclinical Cushing症候群と原発性アルドステロン症があります。

  • subclinical Cushing症候群は画像検査で偶然発見される偶発腫による疾患
  • 原発性アルドステロン症の偶然発見は稀

について深堀していきます。

subclinical Cushing症候群と原発性アルドステロン症の対比

【subclinical Cushing症候群

Cushing徴候は欠くが、画像検査(超音波断層法・CT・MRI)によって偶然発見され、

クッシング症候群に類似している病態をsubclinical Cushing症候群と命名しました。

画像検査(超音波断層法・CT・MRI)によって偶然発見された副腎腫瘍は、

副腎偶発腫adrenal incidentalomaと呼ばれ、診断基準の1つになっています。

原発性アルドステロン症】

cubclinical Cushing症候群とは対照的に、

原発性アルドステロン症の副腎腫瘍は画像検査で偶然発見されることは稀です。

理由は原発性アルドステロン症の副腎腺腫・過形成は

ミクロアデノーマ(1cm以下の大きさ)で小さいことが多いからです。

したがって、腹部超音波では写らず、最低でも腹部CT(5mm以上であれば検出可能)が基本になります。

ですが、腹部CTでも写らないことがあるので、「選択的副腎静脈サンプリング」を行います。

つまり、「画像検査で局在診断(部位診断)が難しい(=画像に写らない)ため、

選択的副腎静脈サンプリングで直接ホルモンを測定して左右どっちに病変があるか確認する。」ということから、

逆説的に画像に写りにくいと覚えることができます。

確認問題【医師国家試験に挑戦】

【104A60】
原発性アルドステロン症で正しいのはどれか。1つ選べ。
a 男性に多い。
b α遮断薬が有効である。
c 高カリウム血症を呈する。
d ACTHの日内変動は保たれる。
e 対側副腎の機能は抑制される。
f 超音波検査で偶然発見される。
g 術後に副腎皮質ステロイドを補充する。

答え d

a 甲状腺疾患・Cushing病(男女比1:4)・原発性アルドステロン症(男女比1:1.5)は女性に多い。

b α遮断薬は褐色細胞腫のfist choice

c 低カリウム血症を呈する。

d 正解。クッシング症候群ではACTHの日内変動が消失する。

e.g ACTHの日内変動が保たれるため対側副腎機能は抑制されない。ステロイド補充は不要。

f 原発性アルドステロン症の腺腫・過形成は小さいため超音波では発見できない。

終わりに

お疲れ様でした。

参考になれば幸いです。

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