内分泌疾患は多くて整理できない。
副腎皮質機能低下症にはどんな分類があるの?
こういった悩みを解決します。
本記事では副腎皮質機能低下症を4つに分類し、それぞれのCBT・国家試験で押さえるべきポイントを紹介します。
頭の中を整理していこう!
【アジソン病?結核?】副腎皮質機能低下症の原因と分類【CBT国試対策】
【副腎皮質機能低下症の分類】
副腎皮質機能低下症は
- 副腎が原因の疾患を原発性
- 視床下部・下垂体が原因の疾患を続発性
- 医療行為によるものを医原性
に分類します。
原発性はさらに先天性と後天性に分けられます。
国家試験的に押さえておくべき疾患・病態の対応は
- ①先天性原発性副腎皮質機能低下症→先天性副腎皮質過形成
- ②後天性原発性副腎皮質機能低下症→Addison病
- ③続発性副腎皮質機能低下症→リンパ球性下垂体炎・Sheehan症候群・下垂体腺腫・サルコイドーシス
- ④医原性副腎皮質機能低下症→副腎皮質ホルモンの長期投与
の4つです。
先天性原発性副腎皮質機能低下症
先天性原発性副腎皮質機能低下症では先天性副腎皮質過形成を覚えましょう。
先天性副腎皮質過形成については小児科で解説予定。
後天性原発性副腎皮質機能低下症
後天性原発性副腎皮質機能低下症ではAddison病(アジソン病)を覚えましょう。
Addison病の原因として、
- 自己免疫疾患(Schmidt症候群)(自己免疫疾患によるAddison病は「特発性Addison病」と呼ばれる。)
- 感染症(腎結核・Waterhouse-Friderichsen症候群)
- 癌の副腎転移(肺癌・肝臓癌・悪性リンパ腫など)
が挙げられます。
Schmidt症候群については下記をチェック!
腎結核では副腎の石灰化が特徴的です。
この石灰化した腎臓を「漆喰腎」と呼びます。
Waterhouse-Friderichsen症候群については下記をチェック!
続発性副腎皮質機能低下症
続発性副腎皮質機能低下症としてリンパ球性下垂体炎・Sheehan症候群・下垂体腺腫・サルコイドーシスを覚えましょう。
国家試験では上記4疾患の鑑別が出題されたので、鑑別ポイントをまとめて覚えておきましょう。
医原性副腎皮質機能低下症
医原性副腎皮質機能低下症として副腎皮質ホルモンの長期投与を覚えましょう。
副腎皮質ホルモンの長期投与で問題となるのは、副腎クリーゼです。
確認問題:医師国家試験【113D35】に挑戦!
68歳の女性。体重減少と全身倦怠感を主訴に来院した。4年前から、農作業のあとに顔や手足などの日焼けが周囲の人より目立つことに気付いていた。昨年から食欲が低下し、体重減少と全身倦怠感を自覚し、改善しないため受診した。50歳以降、健診にて胸膜肥厚と肺野の石灰化病変を指摘されている。身長164cm、体重49kg。体温35.7℃。脈拍64/分、整。血圧98/54mmHg。顔面と四肢、関節伸側、口腔内に色素沈着を認める。血液所見:赤血球350万、Hb 10.8g/dL、Ht 32%、白血球4,200。血液生化学所見:尿素窒素17mg/dL、クレアチニン0.7mg/dL、血糖70mg/dL、Na 127mEq/L、K 5.3mEq/L、Cl 94mEq/L。結核菌特異的全血インターフェロンγ遊離測定法〈IGRA〉陽性。
この患者で予想される所見はどれか。
a 好酸球減少
b 副腎の石灰化
c 血中ACTH低値
d 血漿レニン活性低下
e 尿中遊離コルチゾール高値
答えは b
胸膜肥厚・肺野の石灰化病変・IGRA陽性から結核の既往が読み取れる。
食欲低下・体重減少・全身倦怠感・低血圧・血糖70mg/dL・Na 127mEq/L・K 5.3mEq/Lから副腎皮質不全が読み取れる。
色素沈着や日焼けが周囲の人より目立つのはACTH高値によるものであろう。
以上より、副腎結核による後天性原発性副腎皮質機能低下症(Addison病(アジソン病))の疑い。
副腎結核では副腎の石灰化「漆喰腎」が見られる。
終わりに
お疲れ様でした。
参考になれば幸いです。
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