粘液水腫性昏睡と橋本脳症の違いについて教えて欲しい。
抗体や治療の良い覚え方はないの~?
こういった悩みを解決します。
本記事では
- 粘液水腫性昏睡の機序と治療
- 粘液水腫性昏睡と橋本脳症の鑑別ポイント
- 橋本脳症の抗体と治療
について解説します。
ゴロでサクッと覚えちゃおう!
本記事のポイントまとめ
- 粘液水腫性昏睡を甲状腺クリーゼと真逆の病態と考える。
- 粘液水腫性昏睡と橋本脳症は全くの別疾患で、橋本脳症は新たな特有の自己抗体による疾患。
粘液水腫性昏睡は英語で「myxedema coma」または「hypothyroid coma」
橋本脳症は英語で「Hashimoto encephalopathy」
粘液水腫性昏睡と橋本脳症の鑑別・抗体・治療の覚え方・ゴロ【医師国家試験対策】
粘液水腫性昏睡の機序と考え方
粘液水腫性昏睡とは?
粘液水腫性昏睡は甲状腺機能低下症(最多は橋本病(慢性甲状腺炎))を背景に、
薬剤・感染といったストレスが加わると起こる昏睡。
女性に好発し、冬に多い。
考え方として、粘液水腫性昏睡は甲状腺クリーゼ(甲状腺ホルモン過剰)と真逆の病態と考えましょう。
→粘液水腫性昏睡は重症型の甲状腺ホルモン不足状態
甲状腺機能低下時の症状はコチラを参照してください。
背景の橋本病(慢性甲状腺炎)といった甲状腺疾患は女性に多いので、
粘液水腫性昏睡も同様に女性に多いです。
甲状腺ホルモンは代謝亢進・体温上昇の作用があります。
冬では低体温になりやすいので、夏に比べると甲状腺ホルモンの需要が増えます。
つまり、冬は需要>供給となって、甲状腺ホルモンが相対的に不足しやすいので、
粘液水腫性昏睡は冬に見られやすいです。
甲状腺ホルモンの不足が病態なので、
治療は不足している分の甲状腺ホルモンの少量投与です。
ちなみに、粘液水腫性昏睡の死因No,1は
CO2ナルコーシス(呼吸器で解説予定。)
橋本脳症の抗体・治療の覚え方・ゴロ【医師国家試験対策】
橋本脳症は橋本病に合併する脳症ですが、
甲状腺機能が重度に低下しているかは関係なく、新たな特有の自己抗体(NAE抗体)による脳症です。
- 粘液水腫性昏睡=甲状腺機能が重度に低下
- 橋本病脳症=甲状腺機能は関係なく、自己免疫による脳症
こういった自己抗体による脳症を自己免疫性脳炎・脳症と言います。
自己免疫性脳症・脳炎は他に
NMDA型グルタミン酸受容体抗体の関与する脳炎があるよ。
橋本脳症の抗体と治療の覚え方
ゴロ:脳が萎えるっす
脳→橋本脳症
萎えるっ→なえ→NAE抗体
す→ステロイド
したがって、橋本脳症は
- NAE抗体による脳症
- 治療は副腎皮質ステロイド
と分かります。
※NAE抗体:αエノラーゼN末端抗体:NH2-terminal of alpha-enolase
終わりに
お疲れ様でした。
参考になれば幸いです。
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