MEN多発性内分泌腫瘍症の
遺伝形式-原因遺伝子-合併症が覚えられない。
覚え方-ゴロを教えて欲しい。
こういった悩みを解決します。
本記事では試験に役立つ覚え方・ゴロを紹介します。
ゴロでサクッと覚えちゃおう!
MEN多発性内分泌腫瘍症は英語で「multiple endocrine tumor」
MEN多発性内分泌腫瘍症の遺伝形式の覚え方・ゴロ【CBT国試対策】
MEN多発性内分泌腫瘍症はAD常染色体優性の遺伝形式をとります。
覚え方:MEN(男性)は女優とセットのイメージ。
女優→じょゆう→常(じょ)染色体優(ゆう)性
つまり、MEN多発性内分泌腫瘍は、AD常染色体優性遺伝と分かります。
MEN男性→女優→常優って連想するんだね。
MEN多発性内分泌腫瘍症の原因遺伝子の覚え方-ゴロ【CBT国試対策】
MEN1型はがん抑制遺伝子であるMEN遺伝子の不活性化によって起こります。
MEN2型はがん遺伝子であるRET遺伝子の発現によって起こります。
がん遺伝子・がん抑制遺伝子は数が多いのでまとめて覚えましょう。
※国試にはMEN遺伝子・RET遺伝子は出題されていないが、CBTには頻出。
MEN多発性内分泌腫瘍症の合併症の覚え方・ゴロ【CBT国試対策】
ゴロ:スイスイ復興!ずいずい復興!ずいずい神メンズ♡
スイ→下垂体腺腫
スイ→膵内分泌腫瘍
復興!→副甲状腺機能亢進症
ずい→甲状腺髄様癌
ずい→副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫)
復興!→副甲状腺機能亢進症
ずい→甲状腺髄様癌
ずい→副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫)
神→神経腫
メンズ♡→MENの複数形→MENには1型と2型がある。
※復興(ふっこう)は「副甲」と亢進の「亢」のダブルミーニング。
以上より、
MEN1型:Wermer症候群は
- 下垂体腫瘍
- 膵内分泌腫瘍
- 副甲状腺機能亢進症
MEN2A型:Sipple症候群は
- 甲状腺髄様癌
- 副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫)
- 副甲状腺機能亢進症
MEN2B型は
- 甲状腺髄様癌
- 副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫)
- 神経腫
を合併すると分かります。
神経腫は「多発神経腫」「粘膜神経腫」「多発粘膜神経腫」と呼ばれたりします。
神経腫は口唇・舌・頬粘膜に出来る光沢のある小さな腫瘤です。(下記画像)
ゴロには「スイスイ」が1つ、「ずいずい」が2つあるので、
「スイスイ」はMEN1型、「ずいずい」はMEN2型でAまたはBと分かります。
甲状腺髄様癌はかなり厄介な特徴が多いのできっちり覚えておきましょう。
ちなみに、
- 下垂体腫瘍はプロラクチノーマが最多
- 膵内分泌腫瘍はガストリノーマが最多
です。
「プロパンガス」っていうイメージで覚えてるよ!
プロ→プロラクチノーマ
ガス→ガストリノーマ
ってことね!
確認問題:医師国家試験に挑戦!
医師国家試験【113A36】
42歳の男性。空腹時の意識障害を主訴に来院した。30歳ころから空腹時に意識が遠くなる感覚があり、ジュースや飴などを摂取して症状が改善することを経験していた。内視鏡検査前の絶食時に意識消失発作を生じたため血液検査を受け、低血糖(46mg/dL)が判明した。母親に尿路結石破砕術歴、母方祖母に下垂体腺腫の手術歴がある。身長170cm、体重89kg。脈拍88/分、整。血圧140/92mmHg。心音と呼吸音とに異常を認めない。左腰背部に叩打痛を認める。血液生化学所見:総蛋白8.2g/dL、アルブミン4.4g/dL、AST 42U/L、 ALT 62U/L、尿素窒素19mg/dL、クレアチニン0.9mg/dL、Na 142mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 102mEq/L、Ca 13.2mg/dL、P 2.3mg/dL、空腹時血糖54mg/dL。インスリン42U/L(基準17以下)。
診断のために有用でないのはどれか。
a 腹部造影CT
b 頸部超音波検査
c 下垂体造影MRI
d 血中カテコラミン測定
e 血中下垂体前葉ホルモン測定
答えは d
- 空腹時の発作
- 低血糖(<50mg/dL)
- 糖類摂取による症状改善
はWhipple3徴と呼ばれインスリノーマ(膵内分泌腫瘍)が考えられる。
さらに、母方祖母に下垂体腺腫の手術歴や、
母親に尿路結石破砕術歴・左腰背部の叩打痛・高カルシウム血症からは副甲状腺機能亢進症が疑われるため、
膵内分泌腫瘍+下垂体腺腫+副甲状腺機能亢進症=MEN1型の可能性が高い。
選択肢のdはMEN2型の副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫)を想定した検査なので有用ではない。
医師国家試験【112D12】
多発性内分泌腫瘍症〈MEN〉I型について正しいのはどれか。2つ選べ。
a 副甲状腺病変は過形成を示す。
b 膵消化管病変は単発性である。
c 常染色体劣性遺伝性疾患である。
d 膵内分泌腫瘍はガストリノーマが最も多い。
e 下垂体腺腫は成長ホルモン産生腺腫が最も多い。
答えは ad
多発性内分泌腫瘍症のその名の通り、多発する。
常染色体優性遺伝である。
- 下垂体腫瘍はプロラクチノーマが最多
- 膵内分泌腫瘍はガストリノーマが最多
医師国家試験【101G51】
37歳の女性。高カルシウム血症を指摘され来院した。5年前に下垂体腺腫摘出術を受けた。1か月前から尿路結石で治療中である。母と姉にも尿路結石の既往がある。血清生化学所見:Ca 12.8mg/dL、P 2.1mg/dL、PTH 133pg/mL(基準10~60)。
この疾患でみられるのはどれか。
a ガストリノーマ
b 甲状腺髄様癌
c 褐色細胞腫
d 粘膜神経腫
e 多発性骨髄腫
答えは a
PTH高値によるCa↑P↓は副甲状腺機能亢進症で、下垂体腺腫と家族歴+を考えるとMEN1型の可能性が高い。
すいすい復興の膵内分泌腫瘍が選択肢のガストリノーマに該当する。
終わりに
お疲れ様でした。
参考になれば幸いです。
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